【JOURNEY WITHOUT WAR】 ZINEの紹介
※記事の最後にデジタル版無料ダウンロードリンクあります
独立10周年を機に、ZINE（オリジナルマガジン）を作り始めました。今日はその紹介を！
創刊号は2018年10月、2号は2019年6月に出版。年2回を目標に続けていきたいと思っているのですが、現在2019年12月に完成予定だった3号が、まだできていない状態です。自費出版で締め切りもなく、全部ひとりで作っているので、モヤモヤした状態の時は、完成が先送りされる次第です。。仕事ではこんなことありえないので、楽しんでいます。仕事じゃないのに時間的妥協をする理由はないので！
完全に趣味で、誰にも口を出されず、それを仕事以上の意識で仕上げるのはすごく難しく面白いです。
なぜこんな事をしよと思ったかというと、グラフィックデザイナーとして働き始めて、その後独立して10年が過ぎても、「自分が本当に良いと思うものを作った実感」がなかったからです。（そんな実力がない、とも考えられます…）
会社員の時とくらべて、独立してからは仕事を選んでいるとしても、最終的に大切なのは「クライアントにとってベストかどうか」です。クライアントにベストな事が、私が少し好きな感じの時もあるし、全く好みが違う内容の時もあります。それでも「考える事」と「作る事」が好きなので、仕事は面白いですが、ずっと「まだまだだなぁ〜」って気持ちがなくならず、気持ちが悪かったので、「作りたいものを作りたいように作ってみよう！」という事に。よく考えてみると、就職してから、作りたいものを作りたいように作ってみたことなんてなかったので。
企画・構想に1年かけ、やっと完成したのが「JOURNEY WITHOUT WAR」です。最初にグラフィックデザインを面白いと思った20代前半、「デザインは世界を変えられる！」ってときめいていたのに、仕事を続けるうちに、デザインの仕事と資本主義との関係に息が詰まってきて、独立して10年をむかえるころ、40歳がすぐそこまで近づいてきていた事もあって、「私なにやってんだろ」「何かしなくちゃそろそろ」って思ったところから、この自費出版企画がはじまりました。私は今でもデザインの可能性を信じていますが、デザインを使って何かを作り出せていない自分にがっかりして、決心しました。
最初にぶち当たったのは、紙にするかデジタルにするか。私は本と印刷物と紙が好きなので、もちろん本か雑誌にしたいと思いました。ただ、自分でゴミを作り出す事だけは、私の信念に反するので、私が作ったものが、ゴミにならないかどうか、悩みました。きっと作っている人は誰もゴミにするつもりで作ってはいないと思うけれど、情報が無料で手に入って、物が溢れている今、自分がそれ以上のものを作れるなんて思えませんでした。
結果的に、両方販売する事に。その理由は、デジタルは物質的ゴミが増えない、という事実と、所有物が増えるとわかっていても、「もの」を買って読もうと思う人に読んでほしいと思ったからです。
紙が好きだからといって、デジタルが嫌いなわけではありません。写真は美しく見る事ができるし、目が悪い人は自分が見やすいように簡単に拡大できるし、スマホと一緒に簡単に持ち歩けるし、すぐに誰かと共有できるし。紙で楽しむ人とデジタルで楽しむ人は、そもそも視点が違うだろうから、両方あった方がいいかなぁと。私も実際、両方を使い分けています。でも、読みたいと思った「本」は、必ず買います。どんな種類の紙で、どんなデザインで、どんなレイアウトで、どんなフォントか、何より装丁が好き。私にはその全部が、その本の内容と関係していると感じるので、全部含めて楽しむために。まぁ、本と読書が好きなんです。
「広告」っていう資金援助を受けずにものを作るのは本当に楽しいです。嘘をつく必要がないから。嘘をついていない作品について感想をもらうと、今まで感じた事がない喜びを感じました。私が作ったものがゴミになっていないかどうかは、自分ではまだわかりません。
これを作らなければ体験できなかった事は、全く知らない人からの感想を直接もらった事。「感想募集中」みたいな事はしていなかったので、数人の人が、わざわざSNSで私を探して感想をくれました。今の時代はすごいなって、単純に感動します。全く知らない人と、自分が作った雑誌を通じて、考えを共有できた事が、とりはだものでした。アナログな本を買って読んでくれて、その感想はSNSっていうのが面白くて素敵だなって思いました。私の想いを完璧に受けとってくれている人が何人もいて、そこまでは想像していなかったので、驚いて涙が出ました。結局、自分で作って自分にとってゴミではないものに仕上がったのかなって思うところです。
これからも自分の信念を見失わないように作り続けたいです。
03号は、書きたい事はたくさんあるのに、なんだかまとまりません。まだまだかかりそうです…
デジタル版無料ダウンロード
01号と02号のデジタル版を無料公開！
Online store ウルスラの森 では、デジタル版は1度も売れませんでした…せっかくデジタルデータを作ったので、誰かデジタル版で楽しんでくれるといいな！
＜注意＞ 電子書籍用アプリで読むと読みやすいです。
【おすすめアプリ「SideBooks」】
右綴じ仕様なので、ページ送り設定を【左◀︎右】にすると実物と同様のページ送りで見ることができます。
JOURNEY WITHOUT WAR -ISSUE 01- 「40歳、美学の整理」
JOURNEY WITHOUT WAR -ISSUE 02- 「戦争をする理由」
実店舗では、たくさんのZINEを取り扱っている、MOUNT Tokyoで販売中です。
手作りアート作品からローカルガイドまで、ZINEであふれているこちらのお店、おすすめです。作る人のエネルギーが楽しいです！誰でも販売できるので、興味のある方は、ぜひZINEの世界へ！
＜注意＞ 2020年3月20日移転オープン予定。都立大学駅の店舗から、駒沢大学駅へ移転しています！楽しみです〜
最後に、「自分が本当に良いと思うものを作った実感」が得られたかというと、「自分が本当に良いと思うものを、今ある自分の実力でつくるとこうなる」って事がわかった、ってところでしょうか。誰のためでもなく、自分が良いと思うものを真剣につくると、自分に足りないものが見えてきて勉強になって、結局「まだまだだなぁ〜」って感じました。そして「やっぱりデザインて面白い！」って実感しました。
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