35. 意欲 / Willingness
「聖霊の声の大きさは、それを聞こうとする
あなたの意欲に比例している。」
奇跡講座:T-8.VIII.8.7
⭐️ロバート⭐️
1981年の秋、僕はひどい歯の痛みに見舞われて、助けを求めて叫んだ……「聖霊、僕はどうしたらいいですか?」
すると、「オレゴンに行って、あなたの両親と一緒にいなさい。」という、わかりやすく、はっきりとした考えがやってきた。
心に浮かんだこの予期せぬ考えがあまりにも深い安心感をもたらしたので、僕は、歯の痛みがほとんど消えてしまったことに、しばらくのあいだ気がつかなかった。
その変化は劇的なものだった。
このことをバーバラに伝えると、彼女は僕と同じくらい熱心に、このガイダンスに従いたがった。
数分後、ふたたび痛みが戻ってきた。
僕は、その日の午後に歯医者の予約をとり、歯を治療してもらった。
指示されたとおり、僕たちはオレゴン行きに向けての準備を始めた。
予定されたセミナーの約束があったので、僕たちは2ヶ月のあいだ回り道をすることになり、オレゴンに到着したのはクリスマスの前の日となった。
僕のおばやおじ、いとこたちの家族が、祝宴のために集っていた。
陽気な騒ぎのさなかにあって、僕の父は、次第にひどくなる身体の痛みのために、いつになく元気がなかった。
父は翌日、予定されていた手術のために入院した。
手術後まもなく、彼は家で療養することとなった。
僕は、オレゴンに戻り両親と過ごすようにと言ってくれたガイダンスに、心から感謝した。
それから6ヶ月のあいだ、バーバラと僕は、オレゴンの沿岸地区にある僕の両親の家を拠点に北西部の州を旅して周り、奇跡講座の教えをわかち合った。
その間、父にはさらなる身体の問題が出て、入院したり、予約された手術や、突然の手術を受けたりすることになった。
そうした事態のたびに、僕たちがそばにいて、慰め、支えとなることができた。
聖霊、僕の歯痛をうまく活用してくれて、ありがとうございます。
⭐️ ⭐️ ⭐️
最後までご愛読くださいまして、ありがとうございました。
デイヴィッド・ホフマイスターの公開している小冊子『神の平安が、私のただひとつのゴールです』に掲載されているバーバラとロバートの物語は、以上となります。
ぷつん、と途切れたような終わり方ですが、特にこの物語に続きはないことを、デイヴィッドに確認してあります。
きっとこの後も、バーバラとロバートには、たくさんの奇跡が降り注いだことでしょう。
そうした数々の物語も、読んでみたかった気がします。
当初、2、3ヶ月で翻訳を終えるつもりで(2021年内に終えるつもりでした)集中して訳していましたが、それは自分の計画であることに気づき、ペースを大幅に落とし、インスピレーションを感じるときのみ作業することとしたため、結局、一年以上かかってしまいました。
当初からお付き合いいただいた皆さまには、ずいぶんお待たせすることとなりました。
辛抱強く、最後までたどり着いてくださり、ありがとうございます。
デイヴィッドたち、リビング・ミラクルズの教師たちの英語のリトリート音源に、日々慰められ、励まされ、鼓舞される恩恵に与る者としては、「これがみんな、日本語でシェアできるものだったら、いいのになぁ」と常日頃、思っていました。
(実際、同じように感じられた志ある方々が、YouTube動画の翻訳作業をしてくださっていますね。)
それが、リトリートの音源から文字に起こして訳す、というのでなしに、このようにコンパクトに、文字となってまとめられた、「奇跡を実践的に生きる」実例があると知ったとき、ああ私にもできることがあるな、と思えました。
音声や動画より、すでに文字にまとめられているもののほうが、訳出するのはかんたんなのです。
翻訳を公開する前に、バーバラとロバート、もしくはその近親者に連絡をとろうと試みましたが、それは叶いませんでした。
デイヴィッドが見つけてくれた、ロバートの後妻、チャカさんの最新のメールアドレスからも、返信はありませんでした。
インターネットから見つけることのできた、いちばん確かな消息は、彼らの名刺に印刷されていたという、ハトのロゴを考案したデザイナーの友人が、わずか数年前亡くなっている、ということだけ。
バーバラがこの手記を書き始めたのが、40年前ですから、このように風化していくのは、仕方のないことなのかもしれません。
デイヴィッドが20数年前、彼らの許可を得て小冊子を再出版し、またインターネット上にデータを残してくれていなかったら、このような輝かしい記録は、私たちの手の届かないものになっていたのかも。
それをいま、このようなかたちでさらに多くの方々に届けることができて、光栄でした。
インターネットの宇宙の片隅で、彼らの生きた奇跡の物語が光を放ち続け、必要な方々のもとに届きますように。
ありがとうございました。
はぎわら えりこ
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?