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恐怖の朝(第44話)
SNSで大反響だった実話
「小5と余命宣告」続編(第44話)です。
父ひとり、子ひとりの家庭で育った娘が
小5の時に、その父の余命宣告を受け
その後の覚悟と成長を描いた実話。
脚色は一切なし。
むしろ、各方面に配慮し
わざわざ抑えて書いているくらいです(笑)
ということで、
これは長~く続く連載ものです。
思い込みという鎧を背負い、
重くなっているアナタに
非常識で自由な世界をお届けしています。
最終話まで読んでもらえたら
世界は、
自分が思っているより
ずっと優しくて
人生は、
覚悟を決めて動くだけで
思いどおりになる
ということに気づけるかもしれません。
初めての方は、1話からどうぞ。
1つ目の店に夜6時前に出勤して、
その店が閉店した0時過ぎに
2つ目の店に移動して、朝6時ごろまで働く生活。
もう完全に夜の人になった。
髪型も、化粧も、服装も。
そして、常識も。
昼間の人が見たら、すぐにわかる。
「お水」なんだなって。
違和感は全くなかった。
どっぷり浸かっていたから。
酔っ払いばかりのこの世界の大人たちはね
みんな正直なんだ。
昼間は理性で隠している素顔や本性が
お酒の力で丸出しになって、ケンカも日常茶飯事。
耳障りの良い言葉で優しさを演出していても
ぼそっと呟くような些細なひとり言ほど
その人の人柄を知れることが多く、
警戒心ばかりが育つ。
誰も信用しないよ。
騙されないように、バカにされないように
ナメられないように、必死だった。
もらう給料の約8割が指名料。
1人で暮らすには、十分すぎる金額だった。
けど、私が働く目的は
ただ生活をするためじゃなかったから。
貯金をするため!
どんなに稼いでも
毎月の生活費も、生活水準(ケチ)も
決して変わらない。
だから、貯金額は増える一方。
固定客がついて、指名がもらえて
毎月、安定して店のナンバー1か2で...
居心地も良いし、フィリピンの女の子たちが
日本に出稼ぎに来ている期間は英会話も出来る!
それで、十分だったはずなのに。。。
私は、この店を辞めた。
理由は、お金じゃない。
お店の雰囲気も、
お客さんの顔ぶれも、
もう、日常。
指名が入ることも、
そのためにやることも
もう、当たり前のこと。
なんか、、、
もう、、、
つまんないな…
この店、飽きちゃった。
でも、お世話になったお店の社長に
「飽きた」とも
「他の店に移りたい」とも言えず...
「留学するので、辞めます。」
とウソをついた。
同じ街で働いてたら、バレるのも時間の問題。
ってわかっていたけど
どうしても、直接言えなかった。
「留学するの!?すごいね!
だからあんなに一生懸命だったんだね!」
社長は、私を引き留めることなく
新たな門出?を、喜んでくれた。
私の仕事ぶりを、とても評価してくれた社長。
「いつも頑張ってくれているね!」
と声もよく掛けてくれた。
「頑張ってるから、紹介してあげるね」
と、社長経由のお客さんを私に回してくれたり...
とても良くしてもらった。
だから胸が痛かったけど、今さらウソです。
なんて余計言えず、そのままその店を去った。
少し前に、この店を辞めた
元ナンバーワンの女の子に誘われて
新しくオープンしたばかりの
違うキャバクラに入った。
店を変えることに、不安もあったけど
やはり新たな挑戦の方が魅力的だった。
よし!
これからだ!
心機一転、新たな次のステージで!!
と意気込んだのも、つかの間...
また、とんでもない目に遭ってしまった。
一生忘れることができない恐怖の朝。
朝、布団で寝ていたら、足元に気配を感じた。
寝ぼけ眼で、薄ーく目を開けると
そこには
知らない女の人が立っていた...
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