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喧嘩をしたくない理由(第29話)

SNSで大反響だった実話
小5と余命宣告」続編(第29話)です。

父ひとり、子ひとりの家庭で育った娘が
小5の時に、その父の余命宣告を受け
その後の覚悟と成長を描いた実話。

脚色は一切なし。
むしろ、各方面に配慮し
わざわざ抑えて書いているくらいです(笑)

ということで、
これは長~く続く連載ものです。


思い込みという鎧を背負い、

重くなっているアナタに

非常識で自由な世界をお届けしています。


最終話まで読んでもらえたら

世界は、

自分が思っているより

ずっと優しくて

自分は、

自分が思っているよりも

ずっと軽くて自由なんだ


ということに気づけるかもしれません。

初めての方は、1話からどうぞ。




「ちょっと来て」


学校生活特有の

先輩からのお呼び出し。。。


ま、この場合

年上の同級生。っていうのが

正しい表現だけどね。


隣のクラスから、
美女?2人がはるばるお迎えに…


こーゆー時、いっつも思う。


一人じゃ来れんのか?


なんで、私なんだろ?


他にも、女子いっぱい いるのに。


私が何かしたわけでも

目立つ行動をとったわけでもないのに。


今思えば、スキを見せない警戒心の強さが

自然と表れてしまっていたのかもしれない。


それが、フツーの子の中にいると

目立ってしまって、すごく生意気そうな

雰囲気に見えたのかもしれない。


小学生の頃から

呼び出され慣れ している

こっちにとってみたら


またか...


少し憂鬱な気持ち。

でも、いちお付き合う。

なぜなら、後でしつこくなるって

散々学習してきたから。



楽しみに夢見てきた

友達との女子高生ライフ💗

に、入学早々 水を差す迷惑な人たち。


ムカつくなぁ

だけど、その大事な友達を

巻き込むわけにはいかないしね。



で、わざわざ人を呼び出してまで

話してくれたその内容は。。。



んーーー(-_-;)



やっぱり...(-_-;)



くだらない...(-_-;)



「あんたナニ中だったの?」

「❍❍って人知ってる?」
(↑不良界?では有名な人らしい?)

「わたし、あんたより年上なんだけど!」
(だからもっとビビりなさいよ的な?)


こーゆー時


「だから?」

「つまり留年したみたいなものだね」


とか、心の声をそのまま言っちゃいけないんだ。


それで、状況を悪化させて

乱闘騒ぎになって、先生が登場して。。。

と更に長引いてめんどくさいことになるんだから。


ただひたすら全く興味のない話を

友好ムードでニコニコ聞いていた。



教室で待つ友達に心配させちゃってるから

1秒でも早く終わらせるために!


と、渾身の演技を披露するも


「あんた、うちらのことバカにしてるでしょ?」


(げっ!バレとる…)


バレちゃぁ仕方ない。

面倒なので、さっさと切り上よう。


「話、終わりですか?

 そーゆーの、全然興味ないんですよ。

 もういいですかね?」


そんなやりとりが、

それから何日も続いた。


「もしかしたら、友だちになりたいんじゃない?」


と周りから言われて、ちょっとビックリ。


いやぁ、さすがに違うでしょ?

笑いながら、サラッと流した。


それでも、彼女たちの

私に対する関心?は収まらず

週を変わっても絡んでくる日々は終わらず。。。


いくらなんでも、しつこいだろ!

イライラが溜まっていたある日の下校時、

いつものように無視をする私を追いかけてきて、

1人が私の乗っていた自転車を蹴った。



ブチッとキレた。

キレてしまった。。。

一言 怒鳴っただけだったが

なんて放ったのか

その言葉を思い出せないくらい

ガッと勢いよく頭に血が昇ってしまった。


自転車からは降りず

ひるんだ相手の目を睨みつけたまま

その場を去った。


もし隣に、友達が居なかったら

きっと間違いなく、自転車から降りて

襲い掛かっていただろう。


向こうが二度と話しかけないと約束するまで

殴り続けてしまっただろう。



友達を怖がらせなくて済んで、よかった。



親子喧嘩に包丁が出てくる

が標準で生きていた身とすれば

こんなのは、ちょっとしたコミュニケーション。


この日を境に、

あの憂鬱から解放された。



彼女たちは

イキがって、他人に絡んでいられるほど

暇がある恵まれた子たちなのだ。

下校後、すぐ職場に向かわなくてもいい

余裕のある子たちだったのだろう。


定時制と言えども

みんながみんな働いていた訳ではない。


正午に終わる学校。

午後から夜までの長い時間を、

毎日どう過ごすのかは、人それぞれ。


彼女たちの暇つぶしの相手をしていられるほど

私のスケジュールは、ゆるくなかった。



しょせん


ヤンキーやいじめ なんて、

富める者の遊び



やりたいこと、

やらなくちゃいけないこと

いつも次の予定ばかりに捉われていて

心に余裕がなかった私には そう映ったけど、

いま振り返ると逆だったのかもしれない。



やりたいことで、頭がいっぱいになれるって

実はとても幸せなことだったのかもしれないね…



著者しょうかい




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