別れの決意(第32話)
SNSで大反響だった実話
「小5と余命宣告」続編(第32話)です。
父ひとり、子ひとりの家庭で育った娘が
小5の時に、その父の余命宣告を受け
その後の覚悟と成長を描いた実話。
脚色は一切なし。
むしろ、各方面に配慮し
わざわざ抑えて書いているくらいです(笑)
ということで、
これは長~く続く連載ものです。
思い込みという鎧を背負い、
重くなっているアナタに
非常識で自由な世界をお届けしています。
最終話まで読んでもらえたら
世界は、
自分が思っているより
ずっと優しくて
自分は、
自分が思っているよりも
ずっと軽くて自由なんだ
ということに気づけるかもしれません。
初めての方は、1話からどうぞ。
「来月、おれは引っ越すことにしたから。
一緒に来ないなら、自分でどうにかしろよ。」
突然、父親が言い放った退去予告。
「はぁぁぁああーーっ!?(怒)」
(また訳のわからんこと、急に言い出して!)
普段、ほとんど会話なんてしない。
目も合わせない。
冷え切った世の中の夫婦よりも
タチの悪い父娘関係。
口を開けば、お互いに文句しか言わない。
むしろ気分が悪くなるだけなので
できるだけ避けて生きている。
たが、ここはさすがに話を聞くしかない。
仕方なく、会話に付き合う。
「毎日の階段の昇り降りがツラい」
これが、大きな理由だったようだ。
私たち父娘は、県営住宅の5階に住んでいた。
もちろんエレベーターなどある訳はなく
毎日5階まで昇らないと帰れない。
70歳手前の病人にとったら
かなりキツかったようだ。
どうせ引っ越すなら
「海が近いところで、のんびりしたいから。」
って。
なるほど。
いくら嫌いでも、事情は理解できる。
だから、反対なんかしない。
「いっしょに来るか?」
この言葉から、
父親の寂しさ?みたいな感情を
少しだけ、感じ取った。
感じ取ってしまった。
だからすぐに、見ないフリをして
少しだけ痛む気持ちを下に追いやった。
彼が決めた引越し先は
私の行動範囲と反対方向のエリア。
通勤、通学を考えたら、
それまでより+1時間分は遠くなる・・・
お互いに
「一緒に住む」が最優先事項であれば
折り合いをつける話し合いをしただろう。
でも、やっぱり悪気はないとわかっていても
私たちは相容れない存在だと感じていた。
もう関係を修復させようという気持ちも
相手に歩み寄ろうという気持ちも、
全く浮かんでこなかった。
このまま離れよう。
自らの意思で、親元を離れる決意をした。
「行かねーよ!
だれがお前と一緒に住むか!!」
「勝手に行って、さっさとくたばれ!」
威勢よく、タンカ切ったはいいけど
これから、どうしよう。。。
と、悩んでる暇もない。
さっさと住むところを見つけないと!
この家に居られる時間は、もう1ヶ月もない...
すぐさま、16才(高校2年生)の
部屋探しが、ハイスピードで始まった。
住むところを探す。
もちろん初めての経験だ。
まず向かった先は、近所の不動産屋だった。
金さえありゃ、なんとかなるでしょ!
何も知らない小娘は、
不動産屋のお兄さんに要望を伝える。
お兄さんが、私に確認した。
「お父さんが契約者になるんだよね?」
???
「いえ、父親は関係ありません。
私が借りるんです。」
威勢よく伝えたが
思いもよらない現実が返ってきた。
未成年(20歳未満)は、契約者になれないだよ?
つまり、
= 自分1人では、部屋を借りれない
「・・・。」
そうなんだ。。。
そういうもんなのか
衝撃の現実を知り、一旦退却。
この不動産屋は、
テレビCMをやっているような大きな会社だった。
私なりに考えて、次は地元感溢れる
小さな不動産屋に行ってみた。
やってるんだか、やってないんだか
わかんないような、今にもつぶれそうな店。(笑)
ソコをなんとかーー!m(__)m
が通じそうな雰囲気を、あえて狙ってみたが
なんとかできる問題でもなかったようだ(笑)
「ムリなもんは無理だから、お父さんを連れてきなよ」
おばさんが、優しく言ってくれたが
そのお父さんは、連れて来たところで
役には立たないんだよ。。。
あぁ、まただ。
また、これだ。
私の10代、
何よりもわずらわしかったのが、これだ。
年齢の壁...
コンパニオンで捕まった時は
「18歳未満」だから。
今度は、「20歳未満」。
それだけじゃない。
「まだ小学生だから」
「まだ中学生だから」
「まだ高校生だから」
「まだ〇才だから」
「まだ子どもだから」
ただそれだけの理由で、子ども扱いされること多々。
私を見下す大人たちの目。
だからと言って、助けてくれるわけでもない。
どんなに強い意思があっても
どんなに努力しても
どんなに自分の人生に責任と覚悟を持っていても
社会がそれを認めてくれない。
悔しかった
年齢ほど、ジャマくさいものはなかった。
とはいえ、それはどうしようもできない。
その中で、どうにかするしかない。
今回ひとまず動いてみて、気づいたことがあった。
正攻法は、まずムリだな
裏からでも、横からでも、
進める方法を考えるしかない!