幸せってなに?(第43話)
SNSで大反響だった実話
「小5と余命宣告」続編(第43話)です。
父ひとり、子ひとりの家庭で育った娘が
小5の時に、その父の余命宣告を受け
その後の覚悟と成長を描いた実話。
脚色は一切なし。
むしろ、各方面に配慮し
わざわざ抑えて書いているくらいです(笑)
ということで、
これは長~く続く連載ものです。
思い込みという鎧を背負い、
重くなっているアナタに
非常識で自由な世界をお届けしています。
最終話まで読んでもらえたら
世界は、
自分が思っているより
ずっと優しくて
人生は、
覚悟を決めて動くだけで
思いどおりになる
ということに気づけるかもしれません。
初めての方は、1話からどうぞ。
卒業式開始10分前、
「式、行っていいぞ」
担任が、一言だけ発した。
「マジで!?それって、卒業できるってこと?
せめて気分だけでも。って式だけ出させて、
後から、実は違うぞ!とか言わない??」
笑いながら、首を横に振って
優しく、またひと言。
「卒業、おめでとう。」
「ホントにほんとに?
あとでやっぱ留年!って絶対言わない?」
「そんなこと言わないから!
ほら、式始まるぞ、早く行け!」
「あぁ、良かったぁ。 先生、ありがとうー!!
ほんとに!!絶対、一生忘れないから!」
「ほんと、オマエ調子いいなぁ(笑)」
担任の優しい笑顔を背に、
会場である視聴覚室に向かって走った。
持ち合わせの警戒心がジャマをするも
ホッとして嬉しくて、変なテンションで...
1人になって、思わず涙が出た。
あぁ、良かった...
当時は、それだけ。
ただただ、良かった。
の安堵感の涙。
でも、いま振り返るとね
なんとなく感じるんだ。
それ、きっとね、先生の計らいが
あったんじゃないかな?
高2~3の間に、あれだけ休んでいて
短期間の補習だけで単位が間に合うって
よほどの奇跡じゃないか?
あり得ない・・・
だよね...
そうなんだよ...
そのあり得ない、よほどの奇跡を
私はずっともらってばかり...
先生だけじゃない。
職場で売れ残ったパンを
持って来てくれたクラスメイトも
私の得になるからと
化粧品販売の協力をしてくれたクラスメイトとか。
部活で全国大会に出場して
タダで3回も東京旅行をさせてもらえたり。
(定時制通信制の全国大会はゆるい)
通学中に、原付で事故った相手(車)の
保険会社のお偉いさんが
自分のお客さんだったことが判明して
イロイロ忖度してもらったり(笑)
・・・等々。
そして、
今でも一番頭が上がらないのが、
幼なじみの同級生だ。
もうめんどくさいから、ヤダ!
と言いながらも
毎朝、モーニングコールをくれて起こしてくれたり
ノートやレポート丸写しさせてくれたり
学校の体育館で
いっしょに卓球やバドミントンで遊んだり
私が学校に行けば、いつも一緒にいてくれた。
彼女のおかげで、卒業できた。
と言っていい。
そうやってたくさんの人たちの
特別な計らいのおかげで、今の私がいる。
すぐ溢れ出てきちゃうこれは
ありがとう の涙…
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