2024 天皇賞・秋レース回顧

ドウデュース,スローで前が残る展開を上がり2位に0.5秒差付けて1頭だけ異次元の脚。ゆったりとゲートを出てからスローペースにも関わらず一度も折り合いを欠くことなく直線まで脚を溜めてさすが武豊。本人は「ある程度腹をくくって、ラストにかけるレースをしたいと思った」と語っていたが、前が残るペースにも関わらずギリギリまで追い出さなかったことが最後の爆発力に繋がった。予想の方はコーナーリング性能を活かす舞台がベストという見立てで軽視したが、ペース遅くても折り合って脚を溜められたら地力は上。強敵と見ていたリバティとダノンが共倒れした以上、敵はいなかった。陣営は種牡馬価値を上げるためにどうしても2000mを勝ちたがっていたのに気付けなかったのは反省。秋3戦のうちここが最大目標だった可能性は高い。次走のJCは海外から有力馬が参戦して欧米らしい中盤でラップが緩まない展開になれば今回のような豪脚を使うのは難しいだろう。間違いなく人気を集めるだろうし、深追いは禁物。

タスティエーラ,有馬は不利があったにせよ頭は無理だったし、大阪杯はポジションの利がありながら失速、天皇賞・春は中団を内から完璧に立ち回っての7着なので、春の時点では力が足りてなかった。春に比べてカイバ食いが良くなっていたとのことで馬体も成長していていたが、今回は馬が強かったというよりスローの前残り戦で位置取りの利を得られての2着。ドウデュース比較では全く力が及ばない。

ホウオウビスケッツ,楽なペースで逃げられて展開向いた。今後は同型不在のレースで恵まれたら。

ジャスティンパレス,直線で進路探して追い出し遅れて脚を余す。スムーズに追い出せていたら展開向いた前2頭には先着していた可能性はあったが、ドウデュースのトップスピードには敵わず。他の有力馬が力を出せず相対的な地力の高さで上位に来た。後半5Fが連続で11秒台だった阪神大賞典を勝っているのだからこのくらいは走れる。単勝オッズ10倍程度を想定していたが、まさか15倍まで売れないとは…適性外の条件というのが語られ過ぎて地力上位の馬が人気を落とす傾向がこの秋は多い。

マテンロウスカイ,スローで前が残る展開向いた。

ベラジオオペラ,前が恵まれた展開で掲示板を外して力負け。状態が本調子でなかった可能性もあるが、力が足りなかった。

ソールオリエンス,直線で追い出すところをタスティエーラに進路を塞がれて、さらにリバティが下がってきて進路探す不利はあったが、後方で脚を溜めなきゃいけない馬で道中で中団追走はダメ。スローペースで後方からでは間に合わないから前に行く判断はミス。この馬は道悪や時計の掛かるレース向きという見立てが多いが、自分は東京がベストだと思うし、むしろ究極の上がり勝負でこそ。あとは乗り方一つだと思うのでJCはそこそこ期待してる。

レーベンスティール,いくらルメールだろうと今回は厳しかった。外枠発走で折り合いも欠いていた中で最後は良く伸びていたが、展開が向かなかったドウデュースとジャスティンパレスには全然及ばなかった。見立て通り力が足りず3番人気は明らかな過剰人気だった。

ステラヴェローチェ,勝負所でブレーキ。マイルCSあたりでは面白そう。

ニシノレヴナント,力は出し切った

ノースブリッジ,出遅れるし、勝負所でジャスティンとステラに寄られて接触する不利。

キングズパレス,道中ひどく折り合い欠く

リバティアイランド,2コーナーで隣を走っていたダノンベルーガが躓いてブレーキを踏んだ際に折り合いを欠いてしまい、力みながらの追走となってしまった。ただそれだけで最後の失速に繋がったとは思えず、そもそも地下馬道でもゲート裏でも異常にテンション高かったし、怪我をして半年の休み明けで久々のぶん気性面でベストパフォーマンスを出せる状態ではなかった。時計もストライドの幅も伸びていた追い切りの内容からは成長を感じていただけに残念。次走人気が落ちればいいが…

ダノンベルーガ,2コーナーでシルトホルンに寄られて躓く。ただそれ自体が直接的な敗因とは思えず、初のブリンカー着用が合わなかった点とそもそも状態面が仕上がっていなかった可能性が高い。パドックからテンション高かったし、ひと叩きして状態一つで見直せる。

シルトホルン,力は出した