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どんなちっぽけな動物も自分なりの楽しみを持っている
だれにも好きなものや好きなことがある。たとえそれが他人には理解しにくいようなものであるにしても。(ドイツ)
ドイツ語で
「ちっぽけな動物」と言えば、
ノミやシラミのことを
指すことが多いが、
それらの生き物は決して
何かを楽しみでする
とは考えられない。
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興味深いことに、
このことわざの
「ちっぽけな動物」とは、
実は私たち
人間のことを
指しています。
私たちが
人を愛おしむあまり、
かわいらしいとか
皮肉っぽく生意気だと
表現するとき、
その人を "ちっぽけな動物 "と
呼んでいます。
「-chen(ちっぽけな)」
という語尾に
寵愛や皮肉の
気持ちがこもっており、
ひねりを加えることで、
男が女をからかう場合でも、
その逆の場合でも、
好意とウィットの
両方が加わります。
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「Pläsierchen (楽しみ)」
という言葉は、
実はフランス語から
ドイツ語へ入ってきた
外来語といわれています。
スキーのような
スリル満点のスポーツから、
パーティーのような
賑やかな社交の場、
さらには映画を観るという
単純な楽しみまで、
幅広い楽しみを
含んでいます。
また、古文書を
読み解くという
高尚な趣向も
楽しみの一つです。
類語に、
「蓼(たで)食う虫も好き好き」(日本)
というのがあります。
これは、
人もそれぞれ好みが違っていて、
その人によってさまざまであるということ
の例えとして伝わります。
これは、また別の機会にでも。
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