タイの先生の日 2020
タイには「先生の日」が年に2回ある。
1回目は6月で「ワイクルー」という「先生(クルー)にワイをする日」。ワイとは胸の前で手を合わせるタイ式のあいさつである。
2回目は1月で、この日は学校はお休みになる。
例年、ワイクルーの行事は1時間目を潰し、全校生徒集めて行われる。前日には、各クラスの代表数名が葉っぱやろうそくを使ったタイの伝統的なブーケを手作りして、その出来栄えを競った学内コンテストも行われる。
全校生徒が一斉に座ってワイをする姿は圧巻。
いつもは生意気な学生たちも、この日ばかりはマーライというお花の輪っかを持ってきて、丁寧にワイをしてくれる。
この日の職員室はマーライに使われるジャスミンの香りに包まれて、すごくいい香り。
去年は卒業生がでっかいスイカも手土産に会いにきてくれた。6月は大学は休みなので、懐かしい再会も多い日なのだ。
件のウイルスで6月は休校だったので、ワイクルーが先週行われた。今年は密回避のため残念ながらブーケは作れず、分散登校のため全校生徒集めての行事もなし。全学年別の日に各クラスの担任と学生で朝のHRを使ってやることになった。
副担任をしている高3の日本語クラスでは、学生たちがフルーツバスケットと花をプレゼントしてくれた。いつもは花だけだからこれは超嬉しい!さすが付き合いが長くなると私の好みもわかっている。花より団子!
次の日。
高1の日本語クラスの学生が「先生!」と職員室のドアを開けて手招きをしている。何かと思って廊下に出ると、学生たちがワイをしてずらりと座っていた。
1・2・3のカウントの後「さとみ先生、だいすきだよ〜〜〜!」と指でハートを作りながら廊下に響きわたる声で言ってくれて、胸がいっぱいになった。まだ会って1ヶ月しかたっていないし、ほとんどオンライン授業だから何回かしか顔も合わせていないのに。正直私はまだ32人の名前もうろ覚えなのに。
1年生と仲良くなれるのはもう少し先かな?と思っていたのですごくびっくりしたし、本当に嬉しかった。
学生たちからもらった愛情に応えられるような授業をしたい。来年も再来年も、欲を言えば卒業してからも「さとみ先生、だいすきだよ」と言ってもらえるように頑張ろう。
そんなことを改めて思う、2020年の先生の日。
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ヘッダーの写真は数年前のワイクルーの日。
ハートの紙とライトをつけたスマホを振りながら、学生たちが歌を歌ってくれた。
さながらジャニーズのコンサート!(行ったことないけど)