寺子屋的なこと
今いる会社の社長の話。
久しぶりに会社に出勤して働きだしたのだけど、久しぶりの会社がなかなか昭和な感じで時にちょっぴり窮屈さを感じたりもしつつ、こんな昭和な?やり方は生き残っても良いなあと思ったこと。
私が今働いている会社は電気自動車の充放電器をメインで作っている会社。創業25年くらいの決して大きな会社ではないけれど、取引先はなかなか有名企業が揃っていて、小さいけれど優秀な良いものを作っている。社長は創業者が現役で今年で72歳。
20代の社会人が入社したらきっとびっくりするだろうけど、本社に勤務している10人前後の社員と社長、常務全員で毎日一緒にランチ。「休憩時間くらい一人で居たいので外でランチしてきます〜♪」なんて決して言えない・・・はず。私は元々この会社の社長と常務とは知り合いで仲良くしていたので特に嫌でもないけれど、イマドキの若者にはなかなかびっくりな状況だろうなあ。考え方によっては窮屈にも聞こえるかもだけど、昨日、今日と社長が話していたことを思うと、社員が同じ方向を向いている方が良い会社としては・・・考えようによっては良いことだなと。
社長は元々そして現在も技術者で、今作っている製品は社長が設計して製造ラインに流して、その実力で大手メーカー等を顧客に持っている。例えば設計思想や仕事のやり方など大切なことを、このランチタイムに毎日ではないけれど話してくれる。
「うちの会社が他の会社に製品を真似されない様にしていることって何だと思う?」と聞かれ・・・
「契約交わす」とか
「特許を取る」とか
現実的なことを挙げてみたけれど社長の答えは、
「どの会社よりも先をみて(予測して)ものづくりしているから」・・・
じゃあその「発想が生まれるのは何故?」と聞くと
「沢山勉強しているから。仕事の分野だけでなく、多岐に渡って勉強しているから、結局それが想像力を与えてくれて、何が必要となってくるかの発想が湧いてくる」って。
ふむふむ。
社長のそんな発言を思うと日々、ランチ時間にいろんな話題を振ったり、話てくれていることを思い出し、少しでも社員に広い視野を持っていろんなものの見方を持つきっかけを与えてくれているのだなーと気付く。仕事の話はもちろん、日本や世界の歴史の話とか、ドーナツの穴は出来上がると何故小さくなるのとか、551の豚まんが何故関西以外で売られないのかとかとか。
社長がチラッと言っていたけど「寺子屋」って言葉。
まさにだなぁ。
学科を学ぶだけじゃなくて、その前段階のものの考え方や何かに取り組むときの姿勢を学べる場所。よく聞くことだけど知識だけじゃダメで、知識をどう使うかで仕事が変わってくるし、自分が面白がれるかも変わってくる。
「個」が尊重されて、若い世代に対して圧倒的な力で何か指示する風潮は無くなってきているけれど、こんな昭和は残っても悪くないんじゃないかなあと思ったエピソード。
PCの前で一人ランチより私には良い時間。