地域エネルギーづくりを応援してくれる仲間を募集します。
四国・東徳島の山あいにある勝浦町坂本地区で、小水力発電をつくるプロジェクト「つくろうみんなの地域エネルギー」が始動します。そこで、一緒にプロジェクトを進める仲間、応援してくれる仲間を募集します。
はじめまして、
地域自家発電研究会 発起人のにいさとこと申します。徳島の山あいにある勝浦町という町で生まれ育ち、進学で一度ふるさとを離れ、大学を卒業後2015年にこの町へ帰ってきました。
勝浦町の西の端・上勝町との境にある坂本は、町の総人口およそ5,000人のうちの400人(199戸)が暮らす集落です。二級河川・勝浦川の支流となる坂本川の源流部にあたり、北は標高972mの六郎山、南は標高535m町のランドマーク・稼勢山に囲まれた自然豊かな山村です。
わたしはここで、山・川・畑・田んぼをかけまわりながら、同世代の友人や年上のお兄さんお姉さん、親の世代のおっちゃんおばちゃん、祖父母の世代のじいちゃんばあちゃん、いろんな人々との関わりの中で育ちました。それはここではごくごく当たり前のことで、よくある田舎の風景です。
町の人口は毎年100人ずつくらい減っています。高齢化率は上がり続けています。それでも、わたしはここの暮らしが好きです。なぜって、わたしはここに好きな人がたくさんおるけん、なのです。
なんでも自分たちでつくる場所
ここにはかっこいい大人がたくさんいます。彼らはなんでも自分たちの手でつくります。家も道も石垣もみんな自分たちでつくってきました。山や川、自然の恩恵を受けながらも厳しさと向き合い、風土と付き合ってきました。今でこそ暮らし方が変わり、技を持った人は減り、なんでもというわけにはいかなくなりましたが、それでも昔ながらの営みが残る部分もたくさんあります。
たとえば、秋に田んぼでできた稲わらを使っていろんなものをつくるおじいちゃん。座布団、草履、ロープ、ほうき、敷もの、しめ縄・・・田んぼの数さえ減ってしまったけれど、彼の丁寧で卓越した技は見るもの誰もを唸らせます。そして自然の摂理を理解し、ものごとの意味を教えてくれます。
モノのない時代は今より大変だったけれど、人々の手から生み出す豊かさ、苦労あっての豊かさは、何にもかえがたい価値があるように思います。
いま必要な、生きる力
お金だけ払って手に入るものは、自分たちでつくるよりはるかに楽で便利です。だけれど、自分たちでつくることから得られる力やものがたりは、お金だけを払っても手に入れられません。作り方がわかるからこそ直し方もわかる。作り手の苦労を知ってこそ大切にできる。それは、何においても同じことだなあと思います。欲しいものは際限なく溢れ出てくるような錯覚さえ持っているわたしたちは、もののかたりに耳を澄ませなければいけないのではないでしょうか。
わたしは彼らが健在する今のうちに、彼らの生きる力を次世代に分けてもらいたいと考えます。風土に向き合って生きてきたからこそ見出せた知恵や哲学を、わたしたちは経験として学ぶ必要があると思うのです。そして、得意なことを持ち寄って協働する農村文化のごとく、ひとりひとりが繋がり合って支え合える土壌を耕したい。時代の波にのまれて、なくなってしまう前に。
だから水車をみんなの手でつくりたい
今から40年前くらいまで、坂本には水車がいくつもありました。主にお米の精米のために共用で使われたり、山で採れる﨓(たぶ)というお線香の原料となる樹皮を粉砕する産業用の動力として使われたりしていました。機械化によってその姿は消えてしまいましたが、当時のようすは50代の母からも聞くことができるほど、身近な存在でした。
「はっはっは。まあた、変わったことを思いついたな。さすが、清治さんの孫じゃ。ほらあ、水車が復活したらええな。懐かしいわ。」
水車は世代間をつなぐ架け橋だと思いました。
「ほらええ話やけんど、ほんなんで儲けになるんかいな。」
効率性と価値観を見直すきっかけになると思いました。
「川の水量が減ったんは、山に理由があるのかもね。」
里山保全の課題と結びつけ、解決していく足がかりになると思いました。
「未来のこどもたちに美しい自然を残すためにもやりたい。」
世界が直面している環境問題にも提案ができるのではと思いました。
「水車祭りをしたらええんとちゃうで。」
まつり好きなここの人たちとのお酒のアテになれると思いました。
わたしは水車が温故知新な出会いを連れて、異世代同士を / 人々と自然を 改めて繋ぎ直してくれると期待します。小さな手作り水車は、電力をつくる力は微弱だとしても、それ以上に地域の元気をジェネレートするきっかけになってくれると思うのです。
それを実践するには、多くの人に多角的に関わってもらうことが必要だと思っています。地元住民はもとより、町内外・県内外の地域を問わず、仲間を増やしてみんなで考えをシェアしながら持続的に取り組んでいきたいのです。
そんな理由で、わたしは地域自家発電研究会というチームをつくってプロジェクトを立ち上げたのでした。
わたしたちの仲間になってくれませんか
「つくろうみんなの地域エネルギー」プロジェクトは、坂本を拠点に3ヵ年計画で小水力発電をみんなで学び、地域資源を活用した水車を手作りし設置運用して、コミュニティ・エネルギーという考え方を提案していくことを目的としています。
仲間になる方法は、①運営サポーターになる、②イベント資金支援者になる、③オンライン・コミュニティのメンバーになる の3つです。
①運営サポーターになる
現在、自発研は7才〜80代の有志9名がそれぞれの生活の中で時間を共有しながら活動しています。
ビラ配りお手伝いからひょっこり現れ意見する人、グッズクリエイター、がっつり企画、専属研究など、人それぞれのちょうどいい距離感と役割を持ってお付き合いいただけるサポーターさんを募集しています。
②イベント資金支援者になる
2021年1月23日(土)開催「つくろうみんなの地域エネルギー キックオフ・イベント〜映画「おだやかな革命」上映&トークセッション〜」のイベント資金支援者様を募集しています。
1口おいくらからでも受付けております。ご支援いただいた個人の方・団体様・企業様のお名前・ロゴをイベントの冒頭・途中・エンドロールにクレジットさせていただきます。
詳細はホルケポッサWebサイトをご覧ください。
③オンライン・コミュニティのメンバーになる
オンライン・コミュニティで活動内容をリアルタイムで全てを公開したり、オンライン上で意見交換を行うことができたり、コミュニティ限定イベントに参加できる権限を持つことができます。(月額¥500)
1/23のイベントのオンライン参加もここからできます。
お申込みはこちら
上記3点についてのお申し出やお問合わせはこちらからお願いします。
地域自家発電研究会のビジョン
以下3点の長期的なビジョンを達成するために、「つくろうみんなの地域エネルギー」プロジェクトは1年ごとの短期計画を3ヵ年に分けて運営していきます。
1. 多様な世代間・人脈の中での双方向な文化・技術の共有
異世代間の交流と共同作業によって、関係性を深めコミュニティの強化を計るとともに先人の知恵と現代技術をシェア・バランスよく融合する。また、地域内外で横の繋がりを持ち文化交流を行うことで、自他を認識しお互いの学びを深める。
(拡張家族的関係性の育み・自然文化の継承・聞き書き作成・シビックプライド醸成・生きるコモンズの共有 etc)
2. 風土に見合ったエネルギー供給の導入
小水力のみにとらわれず、その土地に合う再生可能な発電方法を小規模に実験しながら模索し、将来的に地域を賄える供給を目指す。同時に、自然と人の共存に適した生産・消費のサイズを提案しエネルギー問題の根本を変えていく取組みに繋げる。
(自然エネルギーへの転換・浪費の見直し・環境問題への取組)
3. 多角的な視座を持ち、既存の・新たな地域課題に取り組む拠点となる
水という観点から森に目を向けることで里山整備の必要性を認識するように、一見切り離されたように見える地域課題同士の相関性を導き出し、連鎖的解決を計る。そのために多角的な視座における研究者・実践者とのネットワークを拡げる。
(地域課題の研究・包括的なネットワークハブ化)
「つくろうみんなの地域エネルギー」プロジェクト内容
当プロジェクトは、技術講師として宇野 浩さん(エース再生エナジー研究所 代表)とアドバイザーとして平野 彰秀さん(NPO法人 地域再生機構 副理事長)と一緒にエネルギー入門から始め小水力発電機(上掛け水車)を設計・資材調達・組み立て・運用の全てを自分たちの手で行います。
・1年目(R2年度):キックオフ〜勉強会
①【キックオフイベント】映画「おだやかな革命」上映&トークセッション
②【第一回 勉強会】
上掛水車(那賀町)見学、環境問題〜小水力発電概要の講義
③【第二回 勉強会】
ペルトン水車(神山町)、中規模水車見学(佐那河内村)小水力発電装置
・2年目(R3年度):ワークショップ・CF
水車の模型を作りワークを通して小水力発電装置の仕組みを理解します。オンラインイベント企画や、クラウドファンディングの実施、資材調達などを行います。
・3年目(R4年度):設置・運用
実際に上掛け水車を製作し、坂本地区内に設置します。小さな発電を行い、コミュニティエネルギーのシンボルとして環境教育の教材、観光資源、みんなの場所(コミュニティスペース)などの一拠点に利用します。
最後に
まるを描きながらエネルギーを生むことが目標です。それはちょうど、おむすびのようです。たいせつな人の顔を浮かべながら、お米のひと粒ひと粒をてのひらでくるっくるっと回して結んで、食卓へ向かうのです。
そんな力で地域を自家発電できたらと夢を膨らませるのが、わたしです。
歳の差があろうとも対等に話をしてくれ、時にきょうだいのように遊び、時に親のように叱咤激励をしてくれる家族のような坂本の人たち。
昔から結束力が強く、今でもたくさんの催事を独自で行い、老若男女・ウチソト問わず対等に関わり合える性格の土の人たちは、まさに農村文化の名残です。その生きた文化が残っているあいだに、より多くの人に触れて欲しい、交感して欲しい、わたしの幼少期のような原体験になって欲しい。
愛せる ふるさと / 居場所 を多くの人と共有できたら、多くの人の愛がここに集まったなら、それは本当にエネルギーとして回り始めます。
ひとりひとりが繋がり合うことができる、
それはちょうど、おむすびのようです
ほかほかのおむすびを分け合う食卓のようなコモンズ(共有財)を ─── 個々で生きられる自由な時代の中に ─── バランスを取りながらみんなで作っていけたなら、わたしたちはしなやかで持続的な共同体を育んでいけると思うのです。
思いばかりが先走りがちなわたしですが、さまざまな人に伴走していただきながら、実験を繰り返しながら、遊ぶように学び働き、豊かな未来を一緒につくっていきたいです。
どうぞよろしくお願いいたします。
地域自家発電研究会
新居 慧香
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