フランスは、既婚でも未婚でも独身でもない人で溢れている。
「フランス人は結婚しない!結婚なんて興味なし!愛の国、バンザイ!」
みたいな記事を見かけることが度々あります。もしかしたら、私も昔に書いたことがあるかもしれません。でも、これって大ウソ、前言撤回させていただかなければ!だって、結婚したがってるフランス人、結構、普通にいるいる。ただフランス人にとって、結婚は"しなければならないもの"とか"するべきもの"ではなく、恋人との関係において、ひとつのオプション(選択肢)にすぎないのは確かです。
フランス語で、独身に値するcélibataire(セリバテール)という単語は、既婚かどうか、という意味ではなくて、パートナー(恋人)がいるかどうか、という意味で使われます。それが夫婦や事実婚カップルのような法的パートナーであっても、付き合いたての(下手したら超期間限定の)パートナーであっても、そこにあまり違いはありません。
それにしても、このご時世、"未婚"って日本語は違和感の固まり。いや、嫌悪感のほうが強いかも。
未婚=未だ結婚していない=結婚するのが大前提
ほら、じっとりどっしり無言の圧力を感じませんか?それに独身って言葉も「結婚しててもおかしくない年齢だけど、独り身」みたいな匂いぷんぷん。だって、大学生に「独身ですか?」なんて聞きませんよね?少なからず、結婚している可能性もあるのに、なぜでしょう?
ちなみに、wikipedia曰く、"過去に配偶者と離別・死別をした場合は「未婚」ではないため、「独身」と「未婚」は同義ではない。"とのこと。ふーん、既婚>独身(結婚経験者)>未婚、とでも言いたいの?
私は夫と付き合っていたとき、結婚するイメージは正直あまりなかったけれど、この人と家族をつくりたいなぁとは思っていたかもしれません。そんなことを婚活中の友人に話したら、「日本では結婚しなきゃ家族になれないんだよ!」と呆れられてしまいました。そうか、だから既婚か否かの二択問題になってしまうのね。
日本人が重きを置くのは、結婚しているかどうか。フランス人は、パートナー(恋人)がいるかどうか。パッと見は同じようだけど、この二択はまるっきり違います。しかも、この"パートナーがいる"の形は、子あり未婚カップルだったり、ゲイの事実婚カップルだったり、選択肢もいろいろ。だから、この国では、誰もが自分らしくいられるのかもしれません。もちろん、"パートナーをもたない"というのもひとつの選択です。パートナーはいなくても家族(子供)がいる、っていう人も多いですしね。そこには"まだ"や"できない"という後ろ向きなイメージは微塵もなくて、今はパートナーがいない、ただそれだけ。
フランスは、既婚でも未婚でも独身でもない、幸せな恋人たちで溢れています。愛の国と言わる所以は、この恋人たちが結婚しないことではなくて、自分たちらしく愛し合える環境にあるのかもしれませんね♥
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