「カメラも音声もオフのままできるオンライン交流アクティビティを考えてみた」
こんにちは、N中等部の佐藤です。
今回は、オンラインで生徒同士のつながりを作るキッカケになる授業について、実際にN中等部で実施したものを使用してお伝えしようと思います。(スライドをこの記事の最後で紹介しています)
人と人との関係づくりは実際に会うのとオンラインとではまったく違う、ということは、もはや言うまでもない事実だと思います。オンラインでは雑談すらもなかなか難しく、カメラをオンにしなければ相手がどんな様子なのかもわかりません。
一方で、無理やり「カメラをオンにしてね」、「声を出してね」と強制することは生徒へのプレッシャーにもつながりかねません。そこで、カメラをオンにせず、声を出すことなく相手のことを知り協力するアクティビティはどんなものがあるのか、以下をご紹介していきます。
1、まずは「約束」と「意義」を伝える
そもそもオンライン授業は対面式の授業とまったく違う状況です。オンラインでワイワイした雰囲気を出したり、生徒たちとの繋がりを作ったりするときは丁寧に場を設計することが必要だと考えています。まずは全員に、オンラインだからこそ守ってほしいグランドルールを伝えます。
そして、オンラインだからこそ「自分をどう捉えてほしいか」と伝え合って、自分を知ってもらうこと、相手を知ることも大切です。自分とは違う考えを持つ人もいるかもしれません。そこで反発するのではなく、「そういう考えを持つ人もいる」と受け止められるかが重要だと思います。
実際に授業では、以下の5つの図形が並んだスライドを見せ、仲間だと思うものを考えてもらいました。
「1」と「3」は同じ四角で仲間だと思う人もいれば、色が違うので仲間ではないと思う人もいて、いろんな意見が出てきます。ここで伝えたいのは“全部違って、全部似ている”ということです。オンラインで交流をする際も、人間同士、同じところも違うところもあるのは当然で、そこも認め合うのが大切だと伝えることを意識しています。
2、アンケートに「名前」で答えるゲーム
最初に紹介するのは、Zoomの名前を設定する機能を使ったプログラムです。基本的には「好きなYouTuberは?」、「誕生日は?」といった質問にそれぞれ答えてもらうだけなのですが、肝心なのはそれを「Zoomの名前を変更すること」で回答するという点です。
チャットなどでそれぞれ自己紹介してもらったとしても、文字は流れてしまって記憶に残りません。参加者によってはニックネームやハンドルネームを設定している場合もあります。
このプログラムではアンケートの答えをZoomの名前に設定してもらうことで、参加者それぞれの情報が見えるようになります。「オムライス佐藤」や「カツカレー高橋」のような名前になることを想像するだけで楽しそうですよね!
質問内容も工夫しています。「家にあるもので人にあげたくない物は?」のときは、もしかするとカメラで実物を紹介してくれる人がいるかもしれません。「自分をこう呼んでほしい」の質問では、ニックネームが生徒間で定着するかもしれません。名前を変更して誰が誰だか分からなくなることでも、話のネタとしてかなり盛り上がります。
3、アンケートの回答率を均等に揃えるゲーム
もう1つ、アンケートを使ったプログラムを紹介します。これはZoomのアンケート機能を使ったものなのですが、単純に「血液型がA型の人が◯◯%いますね」というような結果を出すものではなく、逆に全員で回答率を狙い、投票してもらうというゲームです。
例えば2択の質問なら、回答が「50% 50%」になるよう全員が投票します。嘘の答えでもかまいません。結果が均等になればOKです。制限時間を設け、「好きに話し合ってかまわないので結果が均等になるようにしてください」と伝えてゲームをスタートします。
とにかく全員で意思を統一しないといけないため、チャットやマイクでの話し合いが活性化します。誰かリーダー的な参加者が舵取りをするかもしれませんが、全員が納得して投票しないと狙った結果にはなりません。
難しいように感じるかもしれませんが、狙い通りになってもならなくてもコミュニケーションが増えるきっかけになります。
4、最後に
今回はオンラインでの交流アクティビティをご紹介しました。どちらも名前を変えたりアンケートに投票したり、といった簡単な作業だけで参加ができる内容です。
それぞれがカメラをオンにして声を出して会話や議論をする授業は、最初からはなかなか難しいものと思います。まずは参加者同士を知り、交流のきっかけ作りになる機会を設けることを大切にしています。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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