「私の持病、"気分変調症"について」
この記事を書いている2年半前、現在お世話になっているクリニックに初診の電話をかけました。
理由は、
長く続いた胸のつかえ。
息苦しさ。(四六時中、海底に沈んでいる感じ。息を吸っても吸っても、胸の所でつっかえてしまう)
寝れない。食べられない。
これらの症状に、耐えまくって数ヶ月。
もう限界だと思い、Googleで電話番号を調べダイヤルを押しました。
思い返せばそのクリニックは、不思議な縁で見つける事が出来たと思います。
数年前から都内に出る度、某駅で降りる度目につき、印象に残っていたからです。
もしメンタルクリニックを探すならココ!
と、何故か覚えていたのです。
2コールで受付の方が応対してくれました。
柔らかい、女性の声が受話器の向こうから聴こえました。
柔らかい声。
病院、特にメンタルクリニックって、初回の電話が、本当に緊張なんです。
ここの所、過緊張と自責の念でいっぱいだった私は、恥ずかしながらクリニックの受付の女性の声を聴いただけで、涙ぐんでしまいました…。
(ここにしよう)
すぐさま、一週間後の予約を入れました。
そして、当日。初回は診察のみで、今の体調の苦しさをひたすら訴えていた覚えがあります。
先生
「その症状が出た頃…何かいつもと違った事をしましたか?」
私
「…用事があり、実家に頻回に通っていました。普段は同じ市内に住んでいてもなかなか足が遠のいていたのですが…。
母はとても厳しい人で、私は常に緊張していた気がします。気がつくと、上手く息が出来なくなっていました。そのうち、食欲が落ち、全く口から飲食出来なくなり、眠れなくなりました」
先生は直ぐに、「お母様からの精神的な…何かプレッシャーがあったのでしょう。」と判断し、暫くPC入力をした後、
「気分変調症(持続性抑うつ障害)」 と、診断名を付けました。
あっという間に診断名が付き、拍子抜け。
正確に言えば、条件と照らし合わせて判断した結果、「気分変調症の症状有り」という事なのでしょう。
(…キブンヘンチョウショウ…何それ?気分屋の病気みたいじゃない…何だか嫌だなぁ…)
というのが、診断名を聞いた第一印象でした。
ところがどっこい。
この気分変調症は気まぐれなどというものでは無い事が後々分かります。
そしてこうも、言いました。
「カウンセリングを受けてみませんか?」
私
「カウンセリング、ですか?」
先生
「考え方の癖というものを少しずつ変えていくと、体調も楽になるかもしれません。」
私
(カウンセリング…?正直、お薬だけで治ると思ってたから少し面倒だな…でも折角だし、初回だけでも受けてみるか)
そう考えて、「カウンセリングの予約をお願いします」と、先生に伝えました。
帰りの電車の中で、早速 "気分変調症"について調べます。
…と、あることに気が付きます。
気分変調症(持続性抑うつ障害)について詳しく書かれているものがない。
という事に…。
こういう症状を持つ人はとても多いと思うのに、情報が足りないのです。
ここで、後日、気分変調症(持続性抑うつ障害)について主治医が話してくれた事を記します。
「薬を飲んでも、運動しても、カウンセリングを受けても…なかなか、改善しないんです…。私、病気なんですか?頑張りが足りないんでしょうか…」
と、私が主治医に、ある日の診察で訴えた時の言葉です。
「この病気は、絶望感やブルーな気持ち、不眠、過眠、拒食、過食。これらの幾つかの症状がダラダラと続くんです。
それが大体2年以上続くと、この病気が疑われるんですね。
原因は、何かしらの体験によって受けた心のダメージですね。
発症は思春期から若い頃が多いですが、一般的なイメージの"大うつ"と違って日常生活が全く機能しない訳ではありません。
なので、患者さんも"自分の性格の問題"と見過ごしてしまうことが多いのです。
そして、多くの気分変調症の患者さんが、自分を責めてしまうのです。
実際は大うつ患者さんよりこの病気の患者さんが多い位、症状に悩まされている人は多いので…患者さんご本人はとてもお辛いと思います。
決して努力が足りないのではなく、様々な要因を"少しずつ"併せもった病気です。
治療法としては、投薬治療と支援的な精神療法…つまりお薬の投与とカウンセリングを併せて行う事が大切なんですよ。
決して頑張りが足りない訳ではないのです。」
確かに、バッテリー45%の時は外にも出られるし、50まで行けば買い物も行けるし、相手がいる外食ならちゃんと楽しめるので、傍から見れば「怠け者」と言われるかもしれない。
でも、活動バッテリーの容量が少なくなってしまっただけなんですね。でも私は、
「あー、せっかく動けてたのにすぐポンコツになって、でも疲れるなんて世の中で働いてる人は皆あるあるなのに、眠ってしまう自分はダメ、生きてる意味ないわ」
…みたいに感じてしまう。
本当は、「もう動けない」って訴える自分を、
もう1人の自分が、
「は?何言ってんの?アンタ動けてるじゃん。そういうのを甘えっていうんだよ!あ ま え!そういう言葉はね、死ぬ直前になるまで頑張って言いなよ!」
と、叱咤激励ならぬ、叱咤嘲笑するのです。
先程の主治医の言葉で言う、
「患者さんも"自分の性格の問題"と見過ごしてしまうことが多いのです。
そして、多くの気分変調症の患者さんが、自分を責めてしまうのです。」
これですね。
…さて。ここで出てきたもう1人の自分の声。
これは誰の声ですか?
本当の自分は、「もう動けない」という言葉で、ってSOSを出していた。
だから、本当の自分の声ではない。
では、誰の声?
誰の考えによる声なんでしょうか?
少なくとも、この、
自分を自分が叱咤嘲笑する声は、
自分の本心では無い
事を忘れずにいると、少し楽になるのかなと今の私は考えています。
もし、読者の皆さんの中で、ずっとこの病気と共に過ごされている方がいるのなら…。
あなたは、心が大破してしまう程の大打撃を受けた。でも、何とかここまで生きてこられた。
誰かに鬱憤を吐き出す方法を取らずに。
バラバラで再起不能になってもおかしくない状況にも耐えて、耐えて、頑張ることが出来てしまう、超人的な忍耐力を我慢強さを持った、そんな方なのだと思います。
決して、弱いのでは無いのです。
繊細ではあります。
でも、あなたが思うほど、本当のあなたは弱くない。
だから、カウンセリングを通して
誰かに貼られたレッテルを、自分で貼り直す事が、この病気の改善法なのかもしれません。
自分を、叱咤嘲笑してくるもう1人の自分とか、自分を都合よく扱う誰かとか、そんな輩に負けたくないよね。
気分変調症については、今後もここに書いていきたいと思いますが、今日はここまで。
読んでいただき、ありがとうございました
(*ˊ꒳ˋ*)
という事で、次回はカウンセリングの初回について書いてみたいと思います。
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