共感が輪を広げていく
月曜日に開催した、北九州市民カレッジ「社会教育・生涯学習講座」の第6回は、宗像市の「ひのさと48」というまちづくりプロジェクトについてのお話。
講師は、ひのさと48を主宰する西部ガスの牛島玄さん。
西部ガスがなぜ?と疑問に思っていたんだけど、ガスの供給だけでは地域課題の解決はできない。地域が元気になる原動力になっていくためにと、まちづくりに関する様々な活動をしているんだそう。
ひのさと48は、宗像市の日の里にある団地の48号棟。
URの日の里団地の一角を、1棟以上残してコミュニティの場にすることを条件に、宗像市が先導してURを説得し、新しいモデルをつくっていこうという取り組みで、西部ガスと東邦レオという2つの企業が出資や管理運営をしているんだとか。
2つの企業それぞれが、できることとリスクを取り合ってスタートしたことが大きいとのこと。
そしてこの事業は、会社同士ではなく両社の個人が出会って、会社を説得して始めたんだそう。
新しいことを始める時は、属人的なつながりによるものも大きいと言われていた。
ひのさと48がコロナ禍でオープンした時には、パネルの色塗りなどを地域の人や企業にやってもらったりして、「自分たちも参加したい」という思いを寄せ合って取り組んできたそう。
ブリュワリーやカフェ、コワーキングスペースなど、様々な事業をやっているんだけど、外注ではなく自主運営していて、ゆくゆくは地域の人たちがやれるような実績づくりをしているとのこと。
テナントには保育園やスタジオなどが入っていて、単なる事業者ではなく、地域のために何かしたいという思いや共感があって借りている人たちばかりなんだとか。
多彩な人材が集まっているからこそ、色々な取組みができると言われていた。
小中一貫の日の里学園の総合学習授業では、子どもたちが日の里でやりたいことを大人が全力で叶える取組みをしていて、この授業から生まれた「団地deクライミング」をもとに、団地にクライミングウォールができて、登りに来る人たちもいるらしい。
子どもが考えたことが実現することで、まちへの愛着や参画意識が増していき、まちを出た後も関係人口として戻ってくることを期待しているという話だった。
企業がこんなふうにまちづくりに関わっていることにも驚いた。
そして、地域の人たちや学校、企業、行政など、たくさんの人たちが思いを寄せ合って、色々な形でひのさと48に関わっていて、なんだか楽しそう、おもしろそう、自分もやってみたいっていう思いが、その輪をさらに広げていくんだなぁと思った。