紅麹菌と麹菌はヒトとテナガザルくらい違う #紅麹サプリ事件
小林製薬の紅麹サプリが巷をにぎわせている。でも、なんだか違和感。
紅麹が悪者にされつつあることを危惧して…。この報道を見て、発酵食品に関わる者として3点押さえておきたいことがある。
① 紅麹菌と麹菌はヒトとテナガザルくらい違う
そもそも、生物の分類は、
界>門>綱>目>科>属>種 と細かく分類されていきます。
生物学的分類で言うと、
サプリメントの【紅麹菌】 モナスカス科 > モナスカス属
甘酒や味噌の【麹菌】 マユハキタケ科 > アスペルギルス属
人間(人類)で例えると…
ヒト ヒト科 > ヒト属 > ホモサピエンス種
テナガザル テナガザル科 >…
ヒトとテナガザルって、似てるっちゃー似てるけど、違うよね?
そのくらい、紅麹菌と麹菌は違うよってこと。
今市場に出ている麹菌は毒を出さない菌であることは証明されているので、味噌や甘酒、塩麹など、安心して日常生活に発酵食品を取り入れてください。
②はっきりしていないのに紅麹菌が悪者にされてない?
紅麹菌には「シトリニン」という腎臓機能障害をもたらすカビ毒を発生する種類もいるらしいけれど、
と発表しているし、そもそも2020年にゲノム解析で証明していました ↓
ニュースの中でも専門家が
と話しています。つまり、まだ紅麹が原因だとは断定されていない。
にもかかわらず、「紅麹が悪いらしい」という風潮で自主回収が始まっているし、「紅麹菌と麹菌は違います。麹菌は安心です。」で情報発信が終わっている醸造関係者が多い気がする。
企業の動きは仕方ないとして、私たち消費者はそれに踊らされないようにしないとね。
今回の原因が紅麹と特定されていない以上、紅麹を悪者扱いするのはいかがなものか。
③合成着色料に向かう?
紅麹は古くから滋養強壮の漢方だったり、天然の着色料として広く使われています。
食品を赤く染める着色料として有名なのは
・コチニール色素(天然色素)
・ベニコウジ色素(天然色素)
・赤色●号(人工合成色素)
コチニールの論争はここでは置いといて、人工合成色素の発がん性物質の方が問題だと思う。
ベニコウジ色素が無くなったら、コチニールか合成色素じゃん?
そしてそもそも、
「特定の成分を高濃度で抽出して摂取する」
こと自体が体にとっては異常なんじゃないかと思う。
サプリメントに含まれる食品添加物を解毒することでも肝臓や腎臓を悪くしている原因の一つだろうし。
そのあたりも考えようね。
とにもかくにも、安心して味噌汁飲んでね!!
◆紅麹原料とベニコウジ色素の違い(2024年3月29日追記)
加工食品ジャーナリストである中戸川貢先生のSNS配信で知ったけれど、原因が疑われている原材料としての「紅麹」と、着色料としての「ベニコウジ色素」「紅麹色素」は製法と成分が異なるそう。
こちらのブログから表を拝借しました↓
つまり、
・米の形をした紅麹原料 → 健康効果がある成分いっぱい入ってます。
・ベニコウジ色素 → 健康効果は望めないけど赤い色付けられます。
ってことらしい。
◆原料と色素を見分けるには「食品表示」
原料として使われている「紅麹」と色素としての「ベニコウジ」を見分ける方法は、食品の裏側を見ればわかります。
・原料の紅麹 → 原材料表示の「/」より前に書かれている。
・色素としての紅麹 → 原材料表示の「/」より後に書かれている。
以下は、中戸川先生のSNSから拝借しました。
<原料の紅麹>
<色素としての紅麹>
注意しなければいけないのが、原材料表示に書かれていない場合。紅麹は米なので表示されていないものがあるそうです。
いずれにせよ、「意図せぬ成分が含まれていた」ということであって、紅麹が悪いとは決まっていないので、ちゃんと自分で判断しましょう。