Ch.02 『Ankiデッキの効率的なつくり方①(英単語リスト編)』
前回のnoteでAnkiデッキのテンプレの作成法、配布を行いました。
このnoteは『単語リストをAnkiにインポートすることで効率的にデッキ作成できるようになること』を目的としています。
以下のような人におすすめです。
・Ankiをどのように使っていいかわからない人
・もうコツコツ手入力することに疲れた人
・エクセルに自作単語帳作ってるけどぶっちゃけ活用してない人
・Ankiで何を覚えたらいいかはっきりしていない人
・とりあえずCh.01のnoteを読んだぞという人
・Ankiが好きな人
リスト加工、Ankiへのインポートはパソコンでの作業が必要となります。
内容紹介
前回の記事でAnkiデッキに単語を入れるテンプレは完成しました。Ankiを始めた人が次に直面する壁は中身をどのように準備するか。大きく分けて3つの選択肢があります。
①AnkiWebで公開されている共有デッキを使用する
②Anki アプリ上で手入力していく
③エクセルなどで単語リストを作成して一気にインポートする
①AnkiWebで公開されている共有デッキを使用する
長所:大量の完成されたデッキを労力なしで入手できる
短所:著作権的にグレー、いやまっくろなものが多い
②Anki アプリ上で手入力していく
長所:準備不要、知識不要
短所:果てしない労力、時間がかかる
③エクセルなどで単語リストを作成して一気にインポートする
長所:大量に自分の覚えたい単語リストをAnki化できる
短所:リストを作成するのが大変
このnoteでは③の単語リストをインポートする方法について解説します。初めの準備はちょっと大変ですが手入力することを考えると最初は頑張ってリスト作るのが長いボキャビルをするうえでは効率的だと思います。
このnoteでは演習として3つの単語リストのAnki化をスクショを交えながら実演します。たぶん読んでるだけだと何してるかわからないとこもあるかもしれません。実際にやってみてわからない時に詳しく読んでみてください。
さて、単語リストとは言っても何をどう用意すればよいのかが悩ましいところです。やはり先人たちの知恵を拝借しましょう。Ankiの教科書とも言うべきえいらくから学びます。下記2つの記事がおすすめです。
①SVL、SILをcsvファイルとして入手する方法
②上記で用意したリストをAnkiに取り込む方法
Anki界隈で有名なSVLボキャビルをやるなら必読の記事ですね。もはやこのnoteで語るべきことは何もないような気もしてきます。。(そんなこと言ってるとこのマガジンを購読してくれてる方に顔向けできない。。)
ただ読んでいただくとお分かりかと思いますが初心者の方にとっては素材準備が大変なのでなかなかハードルが高いようにも思います。このnoteではAnki初心者がいずれSVLデッキ、さらには自分の好きな素材をAnkiに取り込めるようになるまでの隙間を埋めようかと思います。
今回は『無料』かつ『オンライン』で入手可能な素材を用いて単語リストインポートの練習をしてみましょう。実際にこのnoteで実演してみます。
いくつか具体的な素材は紹介しますがそれを使ってAnkiすることが目的ではありません。あくまでも自分がやりたい素材を自分でAnki化できるようになることがゴールです。
リスト作成環境と予備知識
実演に入る前にリスト作成環境を再確認しておきましょう。これからご紹介する方法はそのままAnkiに入れることはできず、少しデータを加工する必要があります。
必要なリスト作成環境
・PC (WindowsでもMacでも可)
・ExcelまたはGoogleスプレッドシート(もしくは類似の表計算ソフト)
PCで作成、編集したリストをAnkiにインポートできる形式のファイルとして保存する必要があります。
Ankiにインポートできる形式のファイル
・UTF-8形式のCSVファイル
・UTF-8形式のテキストファイル
UTF-8とは世界的にも最もポピュラーな文字コードでAnkiではこの形式でデータを取り込む必要があります。文字コードの違いは文字化けの原因ともなります。詳しくは下記サイトを参照ください。用意するファイルを『UTF−8形式で保存する』ということだけ認識していればそれ以上理解する必要はありません。
私の作業環境
①Windows/Excel2016
②Mac/Googleスプレッドシート
①ではExcelでリストを編集し、Excelをテキスト形式で保存。その後テキストをUTF−8形式で保存しています。
※Excel2016ではCSVでもUTF−8形式で保存できるはずですが何故か私の場合Anki取り込みの際にエラーが出てしまうため上記としています。
ファイル>名前を付けて保存>CSV UTF-8 (コンマ区切り) が表示されている人はそれを選択してください。
②ではGoogleスプレッドシートでリストを編集し、CSV形式で保存でOKでした。
CSV形式でうまくいかない場合はテキスト形式で試してみてください。この後のnoteでスクショ付きで実演してますのでご参考に。
Excelを使うかGoogleスプレッドシートを使うかは各自の環境、慣れなどにもよると思います。私は長年Excelを使ってきているのでちょっと複雑な加工をするときはExcelの方が速いですが、ファイル操作などはスプレッドシートの方が楽なので使い分けています。どちらでもできるので好みです。
Ankiユーザーの作業環境アンケート結果
このnoteを書くにあたり他のAnkiユーザーはどのような作業環境なんだろうと思いたち3種類のアンケートをTwitterでおこないました。とても興味深い内容だったのでシェアします。
①リスト作成
自分でリストを作成してインポートしているのはわずか32%!やってない、できなくて困ってるという人は是非このnoteを読んでトライしてみてください。ここを乗り越えるとAnkiの世界が一気に広がります。
②使用PC
英語界隈に聞いてるからかもしれませんがMacも意外と多いですね。
③使用ソフト
ExcelとGoogleスプレッドシートをおさえておけば9割以上の人の作業環境をサポートできることがわかりました。PCにExcel入ってないよーという方はGoogleスプレッドシートを使いましょう。無料です!
『無料』かつ『オンライン』で入手可能な単語リスト
①NGSL(New General Service List)
基礎レベルの英単語を学ぶのに最適な英単語リストとして有名なものにNGSLというものがあります。これはコーパス(言語の統計データベース)から解析した頻出基本単語リストで一般的な英文の約90%をカバーするものとのことです。NGSLの公式サイトで2800語の英単語が無料公開されています。しかも英英語義と日本語訳付きです!
このNGSLを前提としてさらに目的別に必要な単語リストも公開されています。
NAWL(Academic Words): 960 words
TSL(TOEIC Words): 1200 words
BSL(Business Words): 960 words
今回は練習なのでNGSLを使って演習してみますが基本単語すぎて物足りないよという人は自分の目的に合わせて、アカデミック英語を読みたければNAWL、TOEICスコアを上げたければTSL、ビジネス英語を習得したければBSLをAnkiにぶち込みましょう!
まずはこちらからNGSLにアクセスします。
いくつかリストがありますがこちらを選択してExcelファイルをダウンロードします。
Excelファイルで少し加工する必要があるのでパソコンで作業する必要があります。Excelが入ってない場合はGoogle スプレッドシートでも可能です。
1行目に入ってる列のタイトルは不要なので削除、今回は練習のため品詞の列も削除しておきます。
必要なデータだけ残したら後はAnkiへ取り込みできる形式で保存します。繰り返しになりますがリストを作成する際に1番気をつけなければならないことは『文字コードはUTF-8形式で保存する』ということです。csvまたはtxtファイルを保存する際に文字コード『UTF-8』を選択してください。WindowsのExcelだとこんな感じで『UTF-8』テキストへ変換します。※今回はExcelをテキストに保存した後、テキストとして文字コードを『UTF-8』に変換するという方法で示します。
エクセルからファイル>名前をつけて保存>テキスト(タブ区切り)で保存。
メモ帳から名前をつけて保存>文字コード『UTF-8』
を指定して保存します。
リストをUTF-8形式で保存した後はAnkiにインポートします。
インポートする際の注意事項は『ノートタイプを選択する』ことです。Ch.01 Ankiが捗る3つのコツでテンプレをDLした人は”英単語Anki Ver. 01”というノートタイプを選択してください。ご自身で作成したものがあればそちらを使用していただいて構いません。その場合は英単語、日本語訳、英英語義を入れるフィールドを準備してください。
※NGSLファイルには品詞の項目もありましたが今回は削除してしまいました。品詞もいっしょに取り込みたい方はあらかじめ『ノートタイプ』に品詞の『フィールド』を追加しておきましょう。その場合は『表面テンプレ』に品詞のフィールドを表示させることもお忘れなく。この次の例で実演します。
完成画面はこんな感じです!
このあたりのリストに興味ある方にはこのnoteもおすすめです。なんとTSL、BSLにも日本語訳をつけてExcelで配布されております。
このnoteで紹介されている方法でやるかAnki用データとして活用させていただくかは好みの問題ですかね。
もし気に入っていただけましたらサポートをお願いします。Ankiの使い方開発に使用させていただきます☺️