見出し画像

能登半島地震をきっかけにIT DART隊員になり、リモート情報支援ボランティアをしています

はじめに

ちょっと今回は失業中を前向きにとらえてみます。失業中だからこそ時間をかけてできる、社会貢献があります。ボランティアです。
能登半島地震をきっかけに、私はIT DARTの隊員登録をしました。
このnoteでは、IT DARTの活動で自分がやっていること、そしてそれで考えたことなどを綴ります。

IT DARTとは何か 

IT DARTは正式には情報支援レスキュー隊といいます。

2015年の8月8日に設立されました。
2011年の東日本大震災では、私のいる宮城県仙台市も多くの被害を受けました。被災地では食料や電気などのライフラインの支援が必要だったのはもちろんですが、それに加えて、私たちの生活に不可欠となった「情報」が伝わらない、得られないといった問題がありました。
その問題を受けて、避難所へのPC等の設置、ネットワークの整備、ボランティア情報発信などを行うボランティア団体「ネトボラ宮城」ができました。私もちょっとだけ参加していました(ネトボラ宮城の活動はJPNICのメルマガに佐藤大さんが連載したものをこちらで読むことができます)。
このように災害時の情報支援の重要性が認識され、ITのすごい専門家集団が集まって、平常時から備えて災害時にすぐに活動できるようにしようと組織されたのがIT DARTです。という説明はざっくりなので、設立趣意をぜひご覧ください。

私たちはなにをやっているか

IT DARTは被災地へ行ってネットワークの整備やパソコン、プリンタなどの整備を行いますが、現地にいかなくてもできることもあります。その一つが、ボランティア募集状況の発信です。
災害時には、被災地の市町村に災害ボランティアセンターが設置されます。
この災害ボランティアセンターで、「ボランティアを募集しています、いつ、何人ぐらい、どういう内容で、どこで、応募方法は、注意事項は…」などを、ウェブサイトやSNSに掲載します。それを見て、ボランティアを希望する人は準備し、応募します。
しかし災害ボランティアセンターはたくさんあります。また災害ボランティアセンターだけではなく、ボランティアを組織して活動している民間団体もあり、そういった団体も募集していることがあります。
それらをまとめて、1ページで見られるようにして公開し、毎日チェックして更新しています。
能登半島地震でのボランティア募集状況はこちらです。(Google スプレッドシート)

また、各募集状況の概要をX(twitter)で毎日流しています。こちらです。

@it_dart (noteでtwitterのプロフィールをうまく埋め込めないのでテキストリンクです)

FacebookにもIT DARTのページがあります。こちらにも流しています。

これを現在5人で担当して、一日2人体制でやっています。
私以外はみなさんお仕事されているので、自己申告シフト制にして、わたしはシフト調整係を買って出てやっています。
なお、メンバーは住んでいるところがバラバラです。Slackで連絡しながら共同作業しています。

なぜ隊員になったか

実はIT DARTでは、ずっと隊員を募集しています。

IT DARTでは寄付も受け付けていて、寄付はしたことがあります。
でも隊員って、現地に行って活動しなければいけないと思っていました。これまでもいくつか災害が発生するたびにIT DARTが活動しているのは知っていました。
そして今回の能登半島地震。東日本大震災の直後の状況を思い出さずにはいられませんでした。あの時全国から支援してもらったありがたさ、忘れられません。今、無職だし、なにかしたいと思いました。でも、ボランティアが現地に入って活動できるまでは時間がかかりそう。と思っていたときに、IT DARTのツイートを目にしました。

「ご自宅からオンラインで可能な作業も多く」の部分を読んで、そういえば、ネトボラ宮城でもそうだった!と思い出しました。そこで隊員登録しました。

ボランティアをはじめて思ったこと

ボランティア募集状況の情報発信は、2024年1月9日からスタートしました。
最初は、災害ボランティアセンターも準備中でボランティアの受け入れができないところも多くありました。やがて徐々に受け入れ態勢ができて募集が始まり、実際にボランティアさんが活動しはじめました。そういった変化をずっと作業を通じて見てきました。
ボランティアの募集が開始されると、すぐ定員となり即日締め切りになることもありました。「募集を開始しました」のお知らせが間に合わなかったことも。それぐらい、たくさんの人が関心を寄せていることがわかりました。
道路が整備され現地に行きやすくなり、宿泊拠点ができて日帰りだけでなく一泊二日やそれ以上滞在のボランティアも場所によっては可能になりました。現在では当初に比べるとボランティアに参加しやすくなってきています。ただ、場所によりますが、すぐに定員になるということは少なくなってきたように見受けられます。
被害の少なかった地域ではボランティア活動を週末のみにしたり不定期にしたりと、活動頻度が変わってきています。一方で、まだまだたくさんのボランティアが連日、必要な地域もあります。
そういう状況を日々見ていると、やっぱり、私も現地に行ってボランティアに行きたいと思うようになりました。ボランティア情報発信を一緒にやっているメンバーで、実際に現地に行ってボランティア活動をしてきた人もいます。
ウェブとSNSを見て、情報を更新するというリモート作業。でも、能登半島地震の被災地が、自分ごとに感じられるようになりました。

できることを、楽しみながら

実はちょっとしたことですがもうひとつ私がお手伝いしたことがあります。

この落語会のチラシは、Canvaのテンプレートを加工して作りました。落語会のテンプレートまであるCanva、すごい。久しぶりにグラフィックいじる系の作業をして、私も楽しかったです。
代表理事の佐藤大さんが以前から言っているんですが、ボランティアはきついイメージがあるけど「がんばらない」、これが大事です。
自分の得意なことを無理なく提供できたらいいと思います。

IT DARTの活動報告会があります

さて最後にお知らせです。
そんなIT DARTが能登半島地震においてどのような活動をしてきたのか、報告会があります。
2024年4月12日(金)、18:00~19:00、オンラインで開催します。

申し込み不要です。公開されているGoogle MeetのURLにアクセスしてください。

おわりに

わたしのまわりのIT技術者、IT DARTを知らない人がほとんどなんですよ。つよつよのエンジニアがたくさんいるのにー。なのでこれを書いたというのもあります。
少し前、AWSの緊急企画オンラインイベントがありました。

ここでIT DARTの話題がちょっと出た時、聞いている人たちのほとんどが初めて聴いたようだったので、一人で喜んでXで宣伝してしまいました。

このnoteが偶然目に入った方は、これを機にIT DARTに興味を持っていただき、その技術を役立てていただけると嬉しいです。

いいなと思ったら応援しよう!