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50過ぎてのチャレンジ:CCNAに合格!

はじめに

大変ご無沙汰しておりました。
無職となり9ヶ月、さまざまな「さすらい」の日々を過ごしまして。そして就活も続けていました。
そして、2024年7月、なんと!就職できました!
希望どおり、フルリモートでインフラエンジニアとして勤務しています。
その体験談も、いろいろあったので、後で書こうと思います。

さて先日。
CCNAを受験して合格しました!
突然、なぜCCNA?
そのいきさつと、中年が試験勉強する難しさなどを書きますのでよかったら参考にして下さい。
自分の心情をダラダラ書いてるので、試験対策だけ知りたい方は、最後のまとめの章にジャンプしてください。各種リンクもそちらにございます。

なぜCCNAを目指したか

就職活動をしていた4月。わたしは3社で面接に進んでいました。
ある会社では、ルータやスイッチなどネットワークの基盤にも関わる業務があり、もし就職したらそのあたりにも携わることになるので「最終面接までにCCNAを取得して下さい」と、言われました。
わかりました。じゃぁ取ります!と、テキストを買ったのが4月下旬。最終面接まで1ヶ月くらいで取れる資格なんだろうなと、その時は思っていました。

ルータ、スイッチ、なんにもわからない

すでにLPICを取得しなんとなくネットワークについて知っている自分なら楽勝かな、と思ったらそんなに甘くない。
ほとんど未知の世界でした。IOSというシスコのネットワーク機器で動作するOSのさまざまな設定方法を覚えなくてはなりません。ゼロからの勉強です!
白本と呼ばれるテキストの厚さに驚きました。なんだこれは。これを全部覚えるのかぁ。LPICのあずき本はもっと薄かったし、試験範囲は半分ずつ2回でした。これ、きついなぁ。
そして資格試験の救世主、ping-tに今回もお世話になることにしました。

あ、厚い…

試験がマイナーアップデート!?

ping-tにアクセスして、驚愕の事実を知りました。

CCNA(200-301) が2024年8月20日にマイナーアップデートされ、v1.1となります。 現在のv1.0の最終試験日は2024年8月19日になるそうです。現在学習中の方は、v1.0の内に受験される事をお勧めいたします。

https://mondai.ping-t.com/g/articles/176

そ、そんな…
それでも、わたしはまだ余裕こいてました。8/19までに受験すればいいだけでしょ?と…

CCNA、要らない…

とりあえずこれまでの勉強と同様、テキストをさっと読んで、章末の問題を解いてという方法でやってました。
そして白本の40%くらいまで来たとき、今の会社に就職が決まりました。
「CCNAを取得して下さい」と言った会社とは別の会社で、こちらはメインはクラウドです。CCNAの知識は使いません。会社には資格取得支援制度があるのですが、CCNAは業務との関連性があまりないので、対象外。
入社してから研修が始まりました。みっちり業務に必要な知識を得る勉強の日々となり、CCNAの勉強からは遠ざかってしまいました。

…ここで、やめておけば良かったんですよ。
しかし「4,268円の本をせっかく買ったのに無駄にするのはもったいない!せっかく途中まで勉強したんだし」と思い、勉強を再開。

会社と勉強の両立が圧倒的に無理

なにしろ会社の方では別に推奨の資格がありますから、早くCCNAは終わらせてそっちを取りたい。だから、CCNAにはなかなかモチベーションがわかない。
昼間は8時間、パソコンの画面を見て、みっちり頭を使います。すると退勤とともに、脳がまったく働かなくなるぐらい、クタクタになるんですよ。
脳が疲れて疲れて、死ぬかもしれないと思いました。バッテリーが膨れて爆発しそうな、あんなんなってるんじゃないかと。
頭の使いすぎで死にそうな気分になるなんて、こんなこと初めてでした。もしかして私、若年性認知症になってしまったのかと思うくらい頭が働きませんでした。
疲れ果てて、疲れ果てて。覚えられない、そして忘れる。その繰り返し。
ping-tをいくら頑張っても高得点がとれず、レベルが上がりません。
でも自分を追い込むために、「8/20以降は内容が変わってしまうなら」と、8/19に試験を申し込みました。
申し込む段階で初めて知りました。受験料、46,860円。
た、高い!!!!今住んでいるアパートの家賃より高いじゃん!
今まで受けた試験と比較して、圧倒的に高いんですけど!?
本当に、ここで止めておけばよかった。白本代の4,268円を損する、どころじゃない。
46,860円かけて使わない技術の資格を受験。しかも会社の補助もないから、落ちたらまるっと損。

夜の勉強ができない

平日仕事が終わって、ときどきボランティアの作業もあったんですよ、IT DARTの。それが終わるころには、あくび連続で、涙と鼻水まみれです。
勉強をしても、半分寝ています。だめだ、と歯磨きして、シャワーあびて、すっきりしたところでまた問題を解く。
寝ないようスタンディングデスクで立ったままやりますが、意識が遠のきガクッと倒れそうになってしまいます。

いろいろな工夫をしました。裸になるとか、昼寝するとか。
最終的に、「夜の勉強は無理だ」という結論に達し、朝やることにしました。
実際夜に寝ながら作ったまとめノートの内容は文字も読めず、まったく頭に入っていませんでした。
老化って、こういうことなんですね。
試験前恒例禁酒は、時間を作るという意味ではある程度は効果ありましたね。ただめちゃくちゃイライラしました。だから週一くらいはビール一缶飲みました。飲んだら即寝落ちして翌日頭が重くなるくらい、酒に弱くなってました。

CCNAの難関、シミュレーション問題

CCNAの問題は、3種類あります。LPICやAWSでもおなじみの、選択問題。
おもしろいのが、ドラッグ&ドロップ問題。これはもし紙でやるとしたら、2つの項目で当てはまるものを線でつなぐような問題です。これも実質選択問題です。
難しいのが、シミュレーション問題。
文章や図で指示された内容を、実際にIOSのシミュレータ上にコマンドを打ち込んで設定するというものです。
この問題対策のため、「パケットトレーサー」(以下、パケトレ)というものが必要になってきます。ネットワークのシミュレータです。
ちょっと特殊なソフトウェアなので、なんの前提知識もないと使い方がわかりません。そこで「まさるの勉強部屋」のYoutubeで覚えました。
「まさるの勉強部屋」は多くのパケトレ実習があって、助かりました。

全然間に合わない!試験をキャンセル…

しかしシミュレーション問題対策でパケトレを動かすのは、時間がかかります。触っていると面白いんですけど。
白本を読み、練習問題を解き、パケトレで実習、なんて悠長なことやっているといつまでたっても終わりません。
試験の2週間前くらいにはもう模試を解いて追い込まなきゃいけないのに、そこまで辿り着けません。
これは無理だ。一旦試験をキャンセルしました。キャンセルは手数料がかからず全額戻ってきます。
ここで止めれば良かったんだけどね。

模試をスタート

それでなんとかまあ全範囲の学習は白本で終えました。
あまりに頭を使い過ぎてぼーっとして、バイクの運転中、身の危険を感じることもありました。ストレスで、毎日が辛くて辛くて仕方がなかったです。「これ受けてどうするの?受かっても落ちても46,860円無駄じゃない?」だれかにそう言われたら止めてたと思います。が、そんなこと言う人はいなかったので続けました。夏はCCNAに捧げました。
模試を繰り返し解く段階になり、試験当日の状況に合わせるために、手書きで計算する時はホワイトボードを使いました。
ちなみに8/20以降の試験対策について喋っている動画をいくつか見ました。

いろいろ見て「そんなに大幅な変更はないんじゃないか」「AIの部分をちょっと調べておいたほうがいいかも」と思った程度なので、これまでの勉強をつづけました。

そんな時嬉しいニュースが。ping-tが早くも新しいバージョンに問題を対応したというのです!

これはありがたかったです。課金してよかった。さすがping-t様!

受験会場の空きがない、遠方で泊まって受けよう→キャンセルが出た!

辛い勉強の甲斐あって、ようやく模試で高得点を取れるようになり、合格が見えてきました。そこで再び試験会場を予約することに。
ところが、受験したい日が土日なので、近場の試験場はもう埋まってしまった!空いていたのは隣の県。新幹線で行って泊まって受験するしかありません。仕方がないので隣の県で予約しました。
もちろん受験日を2週間くらい延ばせば、空いてますよ。でも、もうこれ以上時間をかけたくなかったんです。いいかげんケリを付けよう。8月一杯で勉強は終わりにして、次へ向かおうと。
それにしても、46,860円からさらに数万かけなきゃならないなんて。移動時間だってもったいない。これで落ちたら、ものすごいみじめな気分だろうな。
諦めきれませんでした。きっと私のように、勉強が間に合わなくてキャンセルする人がいる。何度か、キャンセルが出ないか調べました。
すると試験の一週間前、近場の試験場に空きが出ました。通いなれた会場です!チャンス!!即、会場の変更を申し込みました。

ping-tの新バージョン対応といい、直前の会場変更といい、自分はついてる!神は私に味方しているぞ!メンタルが「行けるぞ!」という方向になってきました。張りつめていた気持ちが少し楽に。
直前にはping-tの合格体験記を読んで、頻出のシミュレーション問題をパケトレでおさらい。

悲惨な本番…え?合格??

そして試験本番。通いなれた試験場だけど、無駄に1時間前に着いてしまって、時間つぶしに地下鉄のベンチで勉強メモを見てました。

さて、試験開始。
問題は何を言っているのかわからないものがたくさん出ました。これがCisco語ってやつか。「悩む時間もったいない、えいっ」と消去法で適当に選択したものがたくさんありました。
そしてシミュレーション問題!
シミュレーション問題は1問に10分までと決めて、開始時間をホワイトボードにメモリました。
出たものは想定されていた内容なのに、パケトレで演習したはずなのに、コマンドが思い出せない。タブをたたき、?を打ち、それでもわからない。いろいろ試してshow runを繰り返し…時間が来たらcopy run staだけして終了。
そんなんばっかでした。
あー、これは落ちたな。落ちた落ちた。
最後の30分くらいはかなり投げやりな感じで、じっくり考えることをしないでほいほいっと雰囲気で解いてました。
でも意外と時間配分はうまく行っていたみたいで、残り4分で全問解き終わりました。
落ちたと思ったので終了ボタンを祈りもせず(これまでは祈っていた)押したら「PASS]の表示が。
え?嘘でしょ?
結果を印刷してもらっても信じられなくて、帰宅してからピアソンの方の結果とCiscoのサイトと両方確認できるまでは、確信が持てなかったです。
明日になったら「実は落ちましたーてへぺろ」ってなってたら嫌だな、と思いました。それぐらい自信がなかったです。
ちなみに得点は公開されない方針らしいのでわかりません。また問題の一部はダミーで得点にならないそうです。分野ごとの正解率は下記のとおり。

  • Netowork Fundamentals 70%

  • Network Access 45% (ひどい…)

  • IP Connectivity 60%

  • IP Services 80%

  • Security Funamentals 87%

  • Automation and Programmability 90%

半分もとれていない分野もあるというのに受かりました。もしかしたらそんなに高得点でなくてもよいのか?

ふりかえって

CCNAがネットワークエンジニアの登竜門って本当でしょうか?LPIC Level3まで取ったけどLPICの10倍くらい難しくないですか?
そしてv1.1の新範囲に該当するものがあったかどうか、正直良くわかりませんでした。印象に残るような問題はなかったので、多分現在でもv1.0の教材を使って勉強をしておけば大丈夫だと思います。
前述のとおり、私は「半分まで勉強したから」というただの意地で受験しました。あと、恥ずかしい話ですが、入社した会社では当然ほとんどの人が年下です。だから、50過ぎの中年でブランクがあった復帰エンジニアでも、頑張れるんだぞっていうのを、試験を受けて自分の自信としたかったのかもしれません。

メンタルぼろぼろ

試験から一週間経ち、やっと会社の方に集中できる、と思ったら、突然ものすごい不安に襲われました。
3日くらい具合が悪くて、何もしたくない、仕事もしたくない、自分がなんでエンジニアなんだろう、自分は無価値、というようなわけのわからない自責にとらわれました。燃え尽き症候群みたいなのになっていたのかもしれないです。
今は元気になりましたけど、新天地に就職と難しい試験勉強、自分に強烈に負荷をかけつつ同時にやるのはダメですね。

まとめ

上のダラダラ長い文章はとばして、ポイントだけ知りたい人のために。

勉強期間

時間はわかりませんが、期間は4ヶ月。5,6月にのんびり、就職した7,8月で追い込み。7,8月は帰省中を除き土日のどちらかまたは両方を勉強にあてました。

利用した教材など

◎ping-t

もちろん課金。問題がすごく多いので、ピックアップ問題だけやりました。

◎ping-tの合格体験記

情報の宝庫。励みになるし、安心材料にもなります。

◎ まさるの勉強部屋

イメージしづらいネットワークのパケットの動きなどわかりやすく図を駆使して説明してくれます。
パケットトレーサーですぐに実習ができるよう、ファイルが用意されているのもありがたい。
「お世話になっております!まーさーるですっ!」の声がなんだか癒される。

◎ Cisco Packet Tracer(パケトレ)

パケットトレーサーで練習したのに本番ですっ飛んでしまい…。もっとちゃんとやっておけばよかったです。ただ、enableとconf tとcopy run staは打ちなれていて良かった!

◎ シスコ技術者認定教科書 CCNA 完全合格テキスト&問題集[対応試験]200-301

はじめの一歩として。ping-tでの解説とこちらの解説と両方確認しながら問題解きました。

◎ 語呂合わせと絵で記憶
覚えなきゃいけないことがたくさんありますが、「CIDR表記、サブネットマスク、使用できるホストアドレスの数のセット」、これだけは絶対覚えたほうが楽です。LPIC Level1でも必要だった気がしますが、CCNAの場合はめちゃくちゃ使います。
計算しなくて済むよう、早い段階で頭に叩き込んでおくべきでした。その語呂合わせの絵も描いておくと記憶に定着しやすいです。

△ まとめノート
寝ながら作ったので役に立たず。

あと少しでも頭が良くなりたくて、鯖とか魚ばかり食べてました。効果は不明です。

勉強の仕方をちゃんと学ぼう

勢いだけで勉強するのは年齢的に無謀だとわかりましたので、勉強法の本を読んで正攻法を身につけようと思います。
試験のあと、前から動画で知っていた安川先生の本を買いました。自分のやり方がけっこう間違っていたことがわかって愕然としましたよ…

おわりに

なぜか、Post(tweet)がバズりました。なんで?


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