2020年の映画、私の10本
あまり数を見ることができなかったので、参考になるかわからないんですが、書き留めておきますね。まずは4位までを。
4位〜10位(ほぼ差はないです)
・ミッドナイトスワン
草なぎ剛さんを見に行ったつもりだけどスクリーンのどこにもいなかった。美しく気高く優しい凪沙さんしかいなかった。人々の受ける痛みに胸をえぐられ続け、泣きすぎてマスクがダメになった。
・ミッドサマー
ホラーはぜったい無理なのに間違えて見に行ってしまい、最初の30分で本気でリタイアして外に出ようと後悔して、結局最後まで見て大爆笑で終わった映画。どうぶつの森をお花とくまさんで飾りまくったのは私だけではないはず。いつかあのホルガ村へ帰りたい。
・ストーリー・オブ・マイライフ
若草物語をこんなかたちで見ることができるなんて。子どもの頃はおとなしいベスが好きで、メグはつまらない人だと思い、ジョーの激しさが苦手で、嫌いだけど自分はエイミーに近いなと思っていた。おとなになった今は、四姉妹みんなが大好きで、愛おしい。それぞれの「マイライフ」は思ったようにはいかず、欲しいものはなかなか手に入らず、それでも前に向かう彼女たちがすてき。
・スパイの妻
キャストが最高。役それぞれが、この人じゃなくちゃ!というはまりぶり。後半はどきどきしすぎて、ずっと体が震えていた。衣装も音楽もすばらしい。
夫は妻を愛してたからこそ、あの行動をしたと思うんですよ…とか、ネタバレな話をしたくてしょうがない映画。語りたいー。
・mellow
全員が片思いして、全員が告白していく、片思い連鎖みたいな映画。途中、自分が告白してふられた感覚になって、泣いてしまった。ああ、この恋はかなわないんだなあ、って、大昔のあの失恋のさみしさを思い出した。夏目さんがタバコを吸うシーンだけで百点満点。そこに夏目さんの「そっか」を足して、10000点が出ます。
・罪の声
すごく長い映画なはずなのに、あっという間に終わってしまう。ものすごい密度、ものすごい情報量、でもそれがすっきりまとまって、たくさんの悲劇が語られる。何を言ってもネタバレになっちゃうので、とにかくまずは映画館で見たらいいのではないでしょうか。
・私をくいとめて
途中まで、ほのぼのした恋愛のはじまりを描いたどきどき映画なのかと思っていたら、突然分岐点があらわれて、全然違う話になっていく。あのみつ子を演じられるのは、のんちゃんしかいないよなあ。大音量で君は天然色を聴けるのもうれしい。
さて、ここから2020年心のトップ3を順番に。
3位〜1位(じゃじゃーん)
ベスト3
・窮鼠はチーズの夢を見る
いや、もう、恋愛めんどくさいね!!
初老の既婚女性となって何がいいかって、今後の私には人と恋愛沙汰が起こらないと思われることですよ。片思いとか告白とかけんかとか誤解とか仲直りとか嫉妬とか失恋とか、そういうドロドロでめんどくさいことから遠く離れることができたのがほんとにらくちんでうれしい。この映画のふたりみたいに、何年もずっと好きとかいっしょに暮らすとか、でも選ばれないとか、そういう心を乱すような時間はもうこりごり。
だけどどこかでこのふたりがうらやましくてしょうがない自分がいるんですよ。なんなの。
ベスト2
・his
宮沢氷魚さんが演じる、迅が立っている、その姿。スクリーンを、彼のシルエットで切り取る、その形がとにかく美しい。ぼんやりと川辺にいたり、ご飯を作ったり、頭をぶつけたり。絵本を読み聞かせる声も、美しい。
こんな人がいたら、それは好きになっちゃうし、ずっと忘れられないよね、と思う。
迅と渚が中心の物語なんだけど、彼らをとりまくたくさんの人たちそれぞれにやさしい光があたっているような映画。ラストシーンのすてきなことといったら。
仕事が忙しく、近所の映画館では上映がない中で、なんとか時間を作って観に行ってほんとうによかった。
2020年のベスト1
・パラサイト 半地下の家族
これはもうしょうがないと思いません?この映画を見ちゃったら、他のと比べようがないというか…。
映画館に入る前と見終わって出るときとで、自分の中身がすっかり入れ替わってしまったような感覚になりました。すごい体験をした。トリップして遠くに飛ばされちゃった、みたいな。
日本で映画にするなら…
主人公 菅田将暉さん
妹 芳根京子さん
父 小日向文世さん
母 峯村リエさん
お金持ち 谷原章介さん
妻 石田ゆり子さん
なんて、どうでしょうか。
しかし年明け早々に地上波ノーカットって。お茶の間に流しちゃって大丈夫でしょうか、あれとかあれとか。
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他にも、気になっている映画がたくさんあったのに、かなり見逃しました。
家でこもりきりで仕事をしていますが、そんな中でも週にいちどくらい通う映画館にどれだけ助けられているかを実感した一年でもありました。
来年も、無事に、映画がたくさん観られますように。