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thePresentを作詞したこと

-ことばの存在
ちいさい頃から日本語が好きです。
ひらがなカタカナ漢字の読み書きも早かったし、小学校3年生くらいのときに難読漢字にハマって「蝸牛」やら「無花果」やらをノートに書きならべていたり、わたしは中学受験をしたのですが国語は何もしなくても高得点が取れて、反対に算数はめちゃめちゃだったので偏差値の差が20くらいあることもザラでした。読書家ではないけれど文を読むのは苦痛じゃないし、雑誌とかだいすき。

音楽においてもそうで、いいなあとおもう曲の魅力を語るときに歌詞の存在は外せない。ことばが少なく限られている分、絶妙な言い回しで表現されると脳に刺激を感じる。あとは、他人の鼻歌で音程やリズムが合ってなくとも何も感じないのだけれど(音感の優れているひとはこういうのが気になってしまうらしい)、歌詞がちがうとなんとなく居心地が悪くなる。

作詞をしてみたいなあと思ったのはnotallに入る前から。いつ?と問われてもわからないのだけど、ポエムみたいな文章を書いてしまっていた中2のときとか、コピーライターの授業を受けていた大学時代とか、なんとなく「作詞」に対する憧れはずっとあったのだとおもう。

-初めての作詞
2018年にnotallはヴィレッジヴァンガードさんとコラボして、メンバープロデュースのお菓子に楽曲をつけて販売した。お菓子は各メンバーごとのプロデュースになっており、それぞれのお菓子に新曲がついていく仕組みで、わたしは第2弾を担当。第1弾を担当したなーちゃんが収録楽曲のダンス振付に挑戦したことから、わたしも何かできないかなあと考えたときに「やりたい!」と思ったのが作詞だった。

とりあえず言ってみよう、と思ってスタッフさんに相談していたところ、曲は決まっていてアレンジも進んでいるが詞はまだだということで、チャレンジさせてもらうことになったのでした。

実際に取り組むまで、というかnotallになる前までは「詞先」といって詞を先に作ってメロディを充てるのだと思っていたけれど、だいたいの曲がメロディ先行なのだと知って驚いた記憶。2016年にファンの方とnotallで作詞したThanks a millionのときに「メロディに言葉を乗せる」ということを体験してから、こう作るのかあってなんとなく納得していて、今となっては詞から曲にするのって大変だろうなあなんて思ったりもしています。
そんなわけでこの歌も8割がた出来上がった状態の楽曲をもらって、詞をつけていきました。インスト(カラオケ)楽曲に、メロディがついてる状態。メロディっていうのは、スーパーで流れている歌声のないJ-POPなんかをイメージしていただければわかりやすいと思うんだけど、音程の音が入ってるって言うのかな?そこに歌詞がハマるように考えていきます。

-thePresentのできるまで
たしか遠征帰りに初めて曲を聞かせてもらったんだけど、疾走感のなかに繊細な切なさとかエモーショナルなパワーを感じて、書きたい!書ける!って純粋に思ったのを覚えています。11月下旬のできごと。

特に歌詞の方向性とか、「こういう感じで」みたいな指示もなかったので、イチからスタート。まるまる1曲、じぶんの想いを書きつけよう!と思って、どんな歌詞にしたいか、なにを詰めたいのか、たくさん真っ白な紙に書きだしました。

11月下旬に曲を聞いて、「思いどおりに作詞ができる本」を1冊読み上げ、12月9日に1番だけ書いたものを提出して、アドバイスをもらったうえで21日に2番まで書き上げました。できあがったときの愛着ったらなかったです。ちなみに、最後の最後に書いたのが歌いだしの英語の部分。どうしよう、どうしようと思い続けて「英語にする」という方法をとりました。イントロなく始まる歌だったのでここのフレーズでガツンと曲の方向性が定まる気がして、どうしても浮かばなくて。何かを印象づけてしまうのが嫌だったので日本語をいれるのは避けて、始まりを感じられる英語のフレーズを採用しました。
英語詞の中から、「thePresent」というタイトルをもらいました。「今、現在」という意味なのですが、やっぱり日本では「プレゼント」の印象が強くあるし、わたしからにとってみなさんへの贈り物という意味もこめていいんじゃないかと思って。「the」はつけつつ、タイトルコールで読まないことにしたのは、語感だけじゃなくてそういう意図もあります。プレゼント。

そんな贈り物のような、はじめての曲だから、じぶんのすべてを書きたいと思いました。

意味もなく鬱屈していた日々、何かを変えたいと思う衝動、夢と妄想は紙一重にも思えること、それでも信じたい強さ、そしてこの歌を創って届けることが人生のひとつの答えになるんじゃないかという、期待。
たくさんの想いをギュっとして混ぜ込んだので、今読んでもなかなかの「きもち」のボリュームだと自分で思うくらいですが、みんながこの曲を受け取ってくれたときに、どう感じるかは自由であってほしいなとおもっています('ω')

歌詞を提出してからはノータッチというと無責任に聞こえるかもしれませんが、歌割・ダンス・そのほかもろもろに関しては一切意見を出していません。わたしこだわり始めたらいろいろ気になっては「こうしたらいいのでは」を提案してしまうので、あえて「何も言わんぞ!」と決めていました。お菓子の発売日を迎える1月20日に発表するまでメンバーにも作詞したことを伝えず過ごしました。その間にレコーディングやダンスレッスン(振付の先生も知らない状態で振りをつけてくれています)があったのですが、なんとなく、わたしが書いたという情報はいれずに純粋に曲を表現してほしいなとおもって。ドキドキしましたです。

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-おわりに
結果として、2019年のnotall MUSIC AWARDでは1位、2020年も3位とみなさまに愛される楽曲になって嬉しい限りです。もちろん作曲、振付、表現するみんなのおかげなのですが、いい曲だよね、と言われるとやっぱりほかの曲とは違ったきもちになるのもほんとの話。

また挑戦したいなあという気持ちもあるし、「the Present」は「自己」を最大限に出しきった曲だと思っているので、自分から離れてみたらどんなものが書けるんだろうっていう興味もある。またいつか、お楽しみにしていてくれたら嬉しいです。

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