【制作話】透明はいつか(ボカコレ2021秋)

こんばんは。佐藤原材料です。



あけましておめでとうございます。2022年も出来る限りで頑張って行きますので何卒よろしくお願い致します。



出来る限りって大事なことだと思うのです。出来ないことを出来るように努力するのはそりゃそうなんですけど、

自身の限界を把握した上で、出来る範囲内の最大限のパフォーマンスを維持していくことは、たまたま起こった奇跡なんかよりも遥かに信頼できるものだと思うのです。




佐藤原材料の有り難いお言葉のコーナーでした!需要は謎です。




さてさて、今年初noteでございます。



ところで「今年初」っていう有り難み三億倍フレーズは一体いつまで効果を発揮するのでしょうか。



わたくし今年初の五月病を患っているのですが有り難がってくれるでしょうか?




とまあ、有り難い系のお話はこの辺にして・・・




今回は、2021年10月14日〜17日の間で開催された、全国津々浦々の音楽自慢達が一堂に会する、まるでグラップラー刃牙のような世界観のイベント、「The VOCALOID Collection 2021 Autumn」(通称ボカコレ)に活動開始から二年以内のルーキー枠として参加させて頂いた楽曲、『透明はいつか』の制作話について書かせて頂きます。


実はこの曲、ボカコレの存在を知る前に制作を始めておりました。


わたくし、2021年9月からボカロPとして活動を始めたひよっ子ボカロPなのですが、


ボカロPとは、自己管理の鬼にならなくてはいけなくて、自分で締め切りを決めて、年間のスケジュールもしっかりたてて計画的に活動していかないと絶命してしまう儚い生き物だと思っていました。



杞憂でした。



まさかインターネットにこんなにもボカロにまつわる企画が溢れていて、ボカロPのケツを叩きまくってくれているとは・・・有り難いです。



ということで制作途中でボカコレへの参加を決意し、息巻いておりました。




結果、しっかり埋もれました。

(参加総数3000作品以上とか、ボカロ大国日本 is ヤバい)




とまあショーレース的にはそんな調子で鼻っ柱へし折られました。


敗北を知りました。




今回実は当初の予定ではリリースカットピアノなるものに挑戦してみようかなと思っていました。が、諦めました。



そう、わたくしは自身の限界を把握しているので。




というのもですね、わたくしの弾ける楽器は、


・ギター:ボケ防止のために指先の運動として嗜む程度。

・ベース:漢気溢れるルート弾き!

・ドラム(打ち込み):制作中一番楽しい時間。

・ハーモニカ:これは嘘。けいおんの唯ちゃんと同じ嘘がつきたかっただけ。


でございまして、


わたくし鍵盤は大の苦手でこざいます。ていうか楽器演奏が苦手でございます。

我ながらよく音楽を志したなと思います。常々。


そして、恥ずかしながら所持しているMIDIキーボードのKORG nano KEY2(調べればわかると思いますが鍵盤を上達する気ゼロの人が買うやつ)にはアルファベットとドレミで音階を書いたシールを貼っているレベル(小学生の鍵盤ハーモニカに毛が生えた程度)なので、リリースカットピアノのあの難解な感じ(としか知識浅すぎて言い表せない)を表現するのに一万年と二千年ほど費やしそうだったので、八千年過ぎたくらいで諦めたというわけです。自身の限界を把握し切れていませんでした。すみませんでした。





結果から言うと、満足の行く楽曲に仕上がりました(たまたま起こった奇跡)。





「弾けないピアノはディレイで誤魔化せ」




とは祖母の教えなのですが、そこに自身の長年の研究から編み出した「音をレイヤーする」というまだ世界には知られていない最新鋭の技術を用いて、弾けないピアノをあんなにも主役として押し出した楽曲を制作することに成功致しました。



まあ、その、レイヤーっていっても普通のピアノとエレピをちょっとパターンと音域変えて何個かレイヤーしているだけなんですけど・・・



この楽曲のコンセプトは、piapro(ピアプロ)というボカロP御用達のサイトで、楽曲制作中に動画に使用できるイラストを探していたところ、素晴らしすぎるイラストを見つけたので、そのイメージに寄せるように、透明感や、みずみずしさを大事にしながら作っていきました。


楽曲に関して自分の中での推しポイントは、「意外とギターが重要な役割を担っている」という点です。表面的には付点八部のディレイで綺麗に鳴っているピアノや、シンセのキラキラした音に耳が行きがちですが、実は軸として常に楽曲を引っ張っているのはギターです。

基本的にずっと4つ打ちで進行しているリズムにメリハリを持たせてくれていたり、オブリガード的なフレーズで奥行きをつけたり、セクションの境目で次のセクションへのキッカケとなるフレーズを弾いていたり、

転調前のゥーーーーーーーンとピッチが下がっていくのもギターです。これは録音時に音を切るタイミングを間違えてて、なんとか弾き直さずに上手いこと出来ないか模索していたら奇跡が起きました。横着から生まれる奇跡もあるので、時にはそういうのも大事なのです!!!!!

あとはアウトロだけでイヤホン右側あたりに登場するスライドで引っ張って入ってくるロングトーンのギターも開けていく感じを演出していてわたくしは好きです。


しかし!!結構頑張ってたくさん弾きましたが、あくまでもギターは影で支えるいぶし銀のような存在で居てほしかったので、ギタリストなら泣いてキレ散らかすんじゃないかってくらいコンプで潰してEQもカットして、原型をとどめていないサウンドに仕立て上げております。ギターに対しての執着があまりにも薄いが故に為せる妙ってやつでございます。



そして作詞についてなのですが、こちらも明確にテーマがあります。


イラストを見ながら歌詞を書いていたのですが、水の中に沈んでいくミクさんを見て、この子は一体今どんな気持ちで沈んでいっているのだろうか・・・と考えた時に、一つのアニメ作品が脳裏を過りました。もう皆様おわかりですね?



そう、「凪のあすから」です。



(知らない人はググってね、そして見て、めっちゃ泣けるので)



ネタバレになってしまうのであまり掘り下げませんが、兎に角、サウンド感にもイラストにもハマる気がしたので、その方向性で歌詞は制作致しました。



曖昧な「恋」という気持ちに、離れ離れになってからようやく気付く、そんな歌詞でございます。



ということで、今回の『透明はいつか』、



ぜひ「凪のあすから」を意識しながら(見たことないお方はお時間あれば是非視聴してから)聴いて頂けると、より一層世界観が染み込んでくるのではないかなと思います。





ボカロPたる前にアニメオタクなので、基本的に制作の源はアニメが主です。





めでたしめでたし(長文且つ駄文にお付き合い頂きありがとうございました)。

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