【制作話】 Snowflakes (まかぎ祭)

こんばんは。佐藤原材料と申します。


この度インターネットで出会った友人、豆腐唐揚げ様のすゝめでnoteなるものを始めてみることにしました。


拙い文章ではございますが、自身の楽曲について書いていくつもりです。


正直こういったセルフライナーノーツ的なものは、余程の物好きか、本当にわたくしのことを好いてくれていらっしゃる神しか見ないものだと思っている(偏見)ので、気楽に書いていきます。


普段Twitterなどでハイテンションスパーク?しているわたくしとは違い、クソ真面目で一ミリも笑えない部分が顔を覗かせる瞬間もあるとは思いますが、

「あぁ、こいつも一応真面目に音楽やってるんだね、しゅごいしゅごい」

程度に受け止めてもらえると助かります。なので、ここでの出来事は、わたくしとあなた様だけの秘密です。ふふふ。



さて今回は、2021年12月26日に酩酊堂様主催で行われた、イラストレーターのまかぎ様が制作された一枚の共通のイラストをテーマに全国津々浦々の音楽人たちがこぞって楽曲を投稿しまくり、ニコニコ動画のランキングが同じイラストで溢れ返ることとなったイカれた企画(褒め言葉)、「イラスト統一祭~まかぎ祭~」に参加させて頂いた楽曲『Snowflakes』について書かせて頂きます。



わたくし、いわゆる「バラード」が好きでございまして、若き日より良く聴いていたのですが、いや今も若いんですけど、とにかく思うところがございました。


そう、


バラードって長くね?


二回目三回目ってリピートするとちょっと重くね?


ってことです。

いや、それも込みで五臓六腑に染み込んでくるっていうのはもちろん承知の上で、昨今どんどん短くなっていく流行曲や、聴き手の今のニーズを考えた時に、5分や6分もあるバラード曲は現代の娯楽として優しくないのかもなと。


ただバラードというのはそもそものテンポが遅かったり、感動的な展開、楽曲の中でドラマを作っていくためにどうしても長くなりがちなものだと思うのです。



そこで今回の『Snowflakes』は、「短いのに聴き応えがあって、繰り返し聴きたくなるようなバラード」をコンセプトとして制作を始めました。



純粋な耳触りの良さや、クリスマスが近かった事もあり、そういった雰囲気も孕んだ楽曲を狙っていたので(あと単純にわたくしがベタが好きというのもあり…)ニコニコ動画のコメントでも既にご指摘があるように、コード進行は超王道ド定番の「カノン進行」(知らない人はググってね)でございます。


ド定番を軸に制作するのであれば、楽曲の展開や構成でハッとしてもらわないと、教科書通りのお行儀の良い楽曲としてまとまってしまうなと思っていました。



なので1番は全編ストリングスと歌のみの構成で、純粋にメロディと歌詞の世界観一本勝負で、しっかりしっとりと歌を聴いて頂く。

”ねぇ、泣きそうだよ”

という導入の歌詞で、「なんでこの子は泣きそうなんだろう?」という疑問を持ってもらうことでその後の歌詞の世界観を意識してもらいやすいようにしております。



そして本来2番サビ後やCメロ後などに来るギターソロを聴かせどころの1番終わりのバンドインと合わせることで、「あそこの入り気持ち良すぎる!あそこがもう一回聴きたい…!」と思って頂けるような気持ち良いポイントを作ります。

わたくしは結構、この楽曲中の気持ち良いポイント、「脳汁ポイント」と勝手に呼んでいるのですが、そこを意識して制作したり、聴いたりすることが多いです。



脳汁ポイントを経たギターソロで年月の経過を表現してしまえば2番Aメロを全カットできるので、ギターソロの尺も長めに取れて最高なのでそのままBメロへ直行。1番の歌詞の補足説明もしつつ、1番の頃とは状況が変わったことを表現している歌詞です。


1番サビのラストで ”あなたが最後にくれたキスが苦くて切ないまま” と歌っているのですが、

2番Bメロでは ”苦くて懐かしい甘さ” と歌っています。

そして、あの苦かった彼からのキスの正体は ”自販機でただ何気なく買って思い出す” 当時の彼が好きだったコーヒーの味です。

年月を経てこの子は、苦かったコーヒーを自ら買って、その苦さを楽しむことができるようになったように、彼との切ない別れも同じようにその苦さすらも懐かしむことができるようになったわけです。


皆そうやって大人になっていくんですね…



さて、そこまでふっ切れてしまえばあとはもうラストスパートをかけて行きます。

あれだけ1番で ”忘れられたなら” と歌っていましたが

”忘れはしないよ” ときました。あなたとの苦い思い出も全部含めて今のこの子があるんですね。


そしてラストはAメロに戻ってきて締めです。

1番のAメロとは対象的に作るように意識しました、きっとたくさんの遠回りがあったけれども、ようやくこの子の中の冬が終わって、新しく芽吹く季節へ進んでいこうというこの子の意志を感じてもらえるように。


最後の最後は歌のみで ”春の彼方へと” で終わらせています。


アウトロをつけたり、最後に楽器の音を入れたりせずに、歌のみにすることで、聴き手に、この子がこの先どうなっていくのか想像してもらうための余地を残すためです。


と、いった感じで制作致しました。

ギターを弾いてくれたタクマくんもかなりイメージ通り、いや、それ以上の最高なギターを弾いてくれたので、お陰様で本当に良い楽曲に仕上がりました。

3分切れなかったのが唯一の心残りかもしれないです…



そして今回この「まかぎ祭」で一つ面白い出来事がありました。


わたくしがこうしてnoteを始めるキッカケとなった、友人の豆腐唐揚げ様が投稿した楽曲、『君が好きだった』と図らずとも内容がリンクしており、一つのストーリーの視点違いのようになっていました。とりあえず、百聞は一見にしかずということで、こちら、聴いて頂きたいわけなのですが、


君が好きだった / 豆腐唐揚げ様 

(動画勝手に埋め込みましたが怒らないでくださいお願いします)



もうかしこまるのもなんか気持ち悪いので、普段どおり豆腐さんと呼ばせて頂きますね???

てっきりわたくしは、豆腐さんがあまりにもわたくしにゾッコンLOVEで、光の速さでアンサーソングを書いてくれたのかと思い、その旨をTwitterというあまりにも公過ぎる場で勝手に大発表したところ、全くの的外れで、ただ奇跡的に内容がそれっぽくリンクしただけだと言うので、あまりの自意識過剰彼氏面感に恥ずかしさのあまり絶命致しました。


けど豆腐さんに許可を頂いて、インターネット古典授業で習った、古の「相互リンク」なるものを初めて体験することが出来たので、これで晴れて二人は結ばれたわけです。



めでたしめでたし(長文且つ駄文にお付き合い頂きありがとうございました)。


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