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夫婦、同じページにたった日

ボクがまだ2歳になる前くらいのこと。
私たち夫婦にはズレが生じてた。ボクには生まれ持った個性がある。(ボクのことを見てください)
それが要因なのかはもはやわからないけれど、ボクは発語が同じ年齢の平均よりも少なかった。(らしいw)

だけど当時の私は気にしてなかった。
お嬢の成長を見ていたし、お嬢の動画もあって、お嬢も1歳半すぎ何かを一生懸命伝えてくれているけどなんだかさっぱりわからんじゃん。一緒一緒って。
巷では2ヶ国語を聞いている子どもは発語が遅くなる事がある。そんなことも頭にあったから

2人は何も変わらない。同じように成長している。

私はこう思っていた。

でもダディは違ってた。

ボクのもつ個性の中には身体的な症状の他に発達の障害もある。言語の遅れは発達障害のうちのひとつ。ダディはダディなりに心配して調べていたのだと思う。

お嬢の時には言わなかったのに何かにつけて
「発語が遅い気がする、ネットではこの月齢だとこれくらい言葉が出る」
とか身体だと分かりやすけど言語発達のことを指摘する。
何か行動を起こすわけでも調べるわけでもなく、何か見えない圧を緩くかけられているような。とても気分が良いものではなかった。

私はこう思ってた。

親が気にしすぎるのは良くない
この子には何も問題がない
病院の先生も誰も「この子が遅れてる」と言ってない

つまりこの年はこんなもんでしょ。って思ってた。
だから何も問題視をしてなかったし、何も問題はないって。
深く考えてもなかったし、ボクの個性は世の中では「Disability(障害)」に分類されるけど心のどこかで私は「障がい者ではない」と思いたかったんだね。

メリーランドに引っ越しを機にお嬢がパブリックの幼稚園に行けるかもしれないしーとアプライをしたときのこと。

アメリカの幼稚園は優先順位があって、
ホームレスとか低所得とか英語以外の言葉を話すとか子供に障害があるとか家庭環境で審査されて合否が決まる。

我が家は残念ながら優先順位が低くて。英語しか喋らないし、共働きではないが、私が日本語を話す日本人ということで引っかからないかな〜みたいな。運試ししたものの、、、、見事に落ちた!

アメリカには「スペシャルエデュケーション」というサポートプログラムがあって発達や身体を含め遅れや障害がある子供達に早期教育介入する制度で、私的解釈では義務教育が始まる5歳キンダーでスムーズにトランジションできるように遅れの幅をできる限り縮められるサポートを国をあげてしてくれる制度みたいなのかな?そのスペシャリストたちが集まっているところ。

でね、いわゆるボクは生まれつき障害とされるグループになる。ということは優先順位が高いかも!っていうことで、私自身が「障害はない」という意識のままとりあえず申請してみようか!と申請した。

当時2歳、
私、僕の成長について何も気にしてない私は、この時やっちまう。

ある日、パブリックスクールのオフィスから電話連絡があった。

ボクの申請をもらったんだけど、現状はどんな感じですか?
何か気になる点、問題を抱えていますか?スペシャリストなどのサービスを受けてますか?評価してもらったことありますか?とまあ色々聞かれた。

がしかし、
私はこの時成長になんの問題もない、サービス?受ける必要ない。普通に普通の成長をしている、という自分の物差しでいた。
だから自分が思っていることを伝えた。

彼はまだ2歳だから何を言ってるかはわからないけどまだ2歳だしそんなものかなと思ってる。

この素直な回答がダディの地雷を踏むのです。

そもそも英語での電話って難しい。←言い訳(T . T)
でもなんか自分が答えてことが良かったのか?とやや不安の私は電話がかかってきたこと、自分が答えたことをテキストしておいた。

仕事が終わって返事が来たら、「えーー!?まじ?」みたいなちょっと不穏な返事。あれ?やっぱりやってもた?私。と思いつつ、I’ll fix laterという言葉が来たから信じていた。

帰ってきて
軽い気持ちでどうだった?と言ったら、、、

これまでにないくらいの大喧嘩をした。

👨もう電話は繋がらなかった
👩じゃあまた明日かけてくれるの?
👨君は結局、障害があることをなかったことにしてるよ。彼は障害がある、これは事実。一生ついてくる事実。わかる?
👩え?何?急に?
👨それを君は「何にも問題がない」って言った、お母さんである君が今日の電話で。これがどういうことかわかる?君は彼には早期介入はいらないって断ったのと一緒。君は何もわかっていない。お母さんが問題ないと言ったら誰が何を言っても信用がないんだよ!
👩わかってるよ、障害があるってわかってるよ。けど、問題にしてることあるって聞かれて、素直に答えたことの何が悪いの?自分こそ知らないやん、何も。わたしは1日中一緒でお嬢がこの年齢の時の動画見ても何にも変わらないと思ってる。だからそう言ったの。病院の先生だって今何かできることはないと思うし、発語のこともこの年齢ならこんなもんって言ってた。誰も発達障害なんて言ってなかった!!!!だから、そう言ったのに。
👨そこが問題だよ。1日中いるあなたが「問題ない」と言ったのに後から問題がありますって言ったところで誰が信じる?君はもっと彼の抱えているモノを知るべき。もっと知っておくべき。それが原因かはわからないけど彼は発語が遅れてる。比べるのは兄弟ではない。一般的な基準だよ。それを君の一言が全部なしにした!!

ボクのことを安易に考えてると言われたような気がしたし、英語がわかってない、状況をわかってないって言われた気がして、悔しくて悲しくてワンワン泣きながら言い返した。ダディは空気を読んだのか子供をつれて出ていき、私を1人にしてくれた。

私は私でわかっているつもりだった。だけど結局スペシャルな個性を持って生まれてきたことだけを理解してた。その個性はどういうことが起こり得るのか?どういうことを見据えておくのか?どういうことができるのか?

ダディはボクが今、発達障害に当てはまるのかどうなのかわからないけどボクの個性に一つに発達障害(特に言語発達)があるということを見据えてボクが「未来」に少しでもスムーズにステージアップできるように考えてくれていた。

私は「いま」ということろに視点を向けて、いまは何も気にならない。いまは障害なんてない。今は何もないじゃん。現時点のボクを見て安心してた。

ひとりになって、ダディに伝えたかったことがスーッと入ってきた。

私たちはお互いに立っているページが違ってた。

いまの成長を見ることも大事。
未来につながるサポートを受けることも大事。

ダディはダディになりにボクがこれからぶつかるかもしれない困難を少しでも小さくするために思ってくれてた。私たちはお互いのページで見ているもの考えていることを認識していないまま、私は私が思うことを、彼は彼が思うことをそれぞれが考えていることをきちんとシェアすることを怠っていたのだな。言わなくてもわかっているだろうと思い込んで。私はダディのページを見てなかったし、ダディも私のページを見てない。選択肢は一つしかなかったから余計なことを言った形になったけど、いまするべき事はどのページをめくって話すべきなのか?そこがたりなかったなぁ、と。
そして私はボクの個性について聞いているではなく、受け入れきれてなかった自分にも。

We are now on the same page.
お互いがやっとスタートラインに立った日

ここからやっとボクのために同じ歩幅で歩き出した私たちでした。




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