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◇ダダの森のフィルム寫眞画室◇ 窈窕たる紳士 / The Classy Gentleman. Zagreb, Croatia 1997


 窓辺の紳士|a stranger by the windowsill.



単独行動が主なせいか、見知らぬ人から話しかけられることが多い。
が、3階の窓からは初めてなので驚いた。


当時はまだクロアチアに住み始めて日が浅く、言葉が理解できなかった私は
それが「やあ」なのか「おい」なのかあるいは「こら」なのか
ここで待つべきか逃げるべきか咄嗟の判断に迷い、フリーズすること数分。



窈窕たる紳士。真っ直ぐ私の前に! | The Tasteful gentleman heads straight to me!
contact print / 密着印画



第一印象にそぐわない(ごめんなさい)とても上品でエレガントな立ち居振る舞いに一気に抜けた緊張感。膝から崩れ落ちそうになる。

ペイズリー柄のシャツにジャケット。大ぶりな宝石のついた指輪にお髭。
そして右手には得体の知れない何かで溢れんばかりのダンボール箱。
謎が謎をよぶ感じ。

それを見た途端、私の中の危機管理センサーが作動停止。好奇心が上回り
勇気をふり絞って写真を撮りたい、と片言のクロアチア語で。


「može može (モジェ、モジェ) 」(OK、いいよ)


笑みを浮かべ、ポーズまで!|strike a pose





残念なのは、彼が私を呼び止めた意図を最後まで理解できなかったことと
印画紙を何十枚消費しても納得のいく焼きができず、今日に至ること。




窈窕たる紳士。| The Tasteful gentleman
real print on developing paper / 本番プリント




まぁでも、蓋を開けてみたらとても印象的な出会い。
これが一人旅の醍醐味なのかな。


みにきてくれてありがとうございます。
よい週末を♡





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