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◇ダダの森の散文帖◇車嫌いな私の車嫌いに拍車がかかった話(サハラ砂漠でパンク篇)






1999年冬。何を思ったのか車でひたすら「サハラ砂漠」を横断。
教科書やポストカードで見る一面に広がるサラサラの砂丘は嘘か幻か。
石や岩山を割いて道なき道を走ること数時間(体感的には数日間)。




サハラ砂漠と聞くと「開けた視界」や「連なる砂丘時々オアシス」のイメージ。
でも実際の砂漠のなんと85%はこんな感じの岩や石、荒野で成り立っているのだと後で知る。
(それ早く言ってー! )




石、岩、丘、石、石、岩、山、石、岩、岩、丘、石、石、石・・・ときどきひととロバと。





あの丘を越えたら今度こそ砂丘が♪・・・と期待するも果てしなく同じ景色が連なるだけの悪夢。
ヒトコブラクダもフンコロガシもオオスナネズミもウスバカゲロウも
サボテンもサラサラの砂もオアシスもすれ違うヒトもなく・・・
砂漠化した心がぽきっと折れかけていたとき、まさかの事態が!







パンク!

ガソリンスタンド…ないか。公衆電話…ないな。JAF…きてくれないか。コンビニ…あるわけないな。
「絶望」という言葉の真の意味を知った瞬間。

despairing groan…Aaaaa….got a flat tire on the way to Sahara.
Morocco 1999





と、捨てる神に拾う神!アッラー♡





ひたすらありがたい。
ありがたい以外のなにものでもない。
ありがたいを漢字で「有難い」と書く真の意味が身に染みた瞬間。
ありがたすぎて何かお手伝いとかお礼とかしたかったのだけれど
車(キカイ)音痴な私はただありがたがり「シュクランシュクランマジシュクラン…」と
念仏のように唱えながらながらオロオロすることしか… 無用の長物。







「絶望」と「希望」の狭間で見た幻覚。いや、走馬灯…!?
(ここに骨を埋めるのか私:)









アッラーの神の思し召しか。道ゆくベルベル人に助けられ、なんとかポンコツ車蘇生! 道なき道アゲイン。
日没時刻も迫り、途方に暮れた頃、突如ポツンと小さな村落が!あっらーっ♡
車中泊を覚悟のやらかした身に屋根と平らな床というご馳走!有難さの極み。

このあとの記憶は喪失。泥沼に引き摺り込まれるような深い眠りを貪ったところまでで。
これだから車は御免。車嫌いに拍車。それでも旅はつづくのです:)




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