雨だけで、命とり
今日の東京は、終日雨。
明後日は自宅で取材予定なので、お片付けでもするか♬ と軽いノリだったが、禁断のファイルに手をつけてしまい、ディープな整理整頓に。
夕方、息抜きを兼ねて、近所のインド料理やさんへ。
本日初の外出だったんだけど、寒い。
雨が、冷たい。
「ひゃ〜、つらいっっ」
と体をすくめた瞬間に、ひと月前まで滞在していたザンビアでの雨のことを思い出した。
私たちは、アフリカのザンビアという国の農村部に、小さな工場を持っている。
ザンビアは、11月から3月頃まで雨季なんだけど、気候変動の影響もあり、最近は集中豪雨も増えてきた。
雨が続くと何が起きるかというと、まず村のあちこちで洪水が起き、家や店などが浸水する。
村のトイレは、穴を掘っただけの外トイレなので、浸水 = 排泄物が混じった水が広がる = 下痢やコレラなどの病気が増える ということがあっという間に起こる。
最貧困層で、日常的に栄養が不足している人が多い中、ちょっとした下痢も命とりになることがある。体力が限られている子ども達にとってはさらに深刻だ。
そしてもう一つ。
このエリアは、近くに野生動物がすむ国立公園がある。
世界でも珍しく、人工的な柵や塀のない国立公園で、大きな川が村との境界線になっている。
このサウスルアングア国立公園は本当に素晴らしいところで、野生動物にとっても理想的な環境なんだけど、人と野生動物の領域が交わりやすいということでもある。
そして雨季の時期に起きるのは、水かさが増した川から、カバやワニが村の方へと迷い込んでくること。
私たちの今回の滞在期間中にも、ある男の子がワニに襲われ亡くなってしまった。
雨だけで、命とり。
一方で、雨はたくさんの緑や農作物を芽吹かせ、人と動物のいのちを支えてくれる。村の人たちは、そのことをよく分かっている。
ザンビアは、そろそろ雨季が終わる頃。
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