小1起業家 〜900円借金して、コーヒー屋を家庭内起業〜
これは、小1の息子がおこづかいを増やしてポケカを買うためにとった行動が結果的に、彼にとって「数字/お金/仕事」の学びにつながった話です。
1:おこづかい講座
小1になった息子はポケモンカードゲームにハマっていました。おこづかいは月に100円。ポケカは強化拡張パックで150円。もっといろんなポケカが欲しい。
どうしたらおこづかい以外で稼げるか悩んでたので、100円払ってもらって「おこづかい講座」を開きました。100円といえば、小1にとってすごく大金なので、それを払うかどうかめちゃくちゃ悩んでいましたが笑、勇気を出して受講することに。
ちゃんと仕事場の会議室をつかって、講座を開催しました。
結果マッサージ屋と、コーヒー屋を家で起業することに。
2:起業準備 〜900円の借金〜
そこで早速、事業計画をつくることになりました。父/母ともに、珈琲好きだったので、ちゃんと美味しい珈琲が家で飲めるなら、お金出してもいいという話に。ここから起業準備をスタート。
まずは、珈琲豆を仕入れることに。しかし、ターゲット(父母)が欲する良い店の豆は1500円など、めちゃくちゃ高いと知って、小1は驚愕。
そこでお年玉貯金1000円を使い、さらに父ちゃんから900円を借り入れすることに!小1は、めちゃくちゃビビっていました。
豆は、ブルーボトルの珈琲豆を買うことに。表参道店に並んで、ドキドキしながら豆を購入していました。ブルーボトルで売ってたちょっといい豆で、1900円!ふつうに高いやつ…。
また、珈琲を何杯をいくらで売ったら利益になるかを一緒に計算。
結果的に一杯200円で販売することになりました。
3:開業前夜 〜コーヒーを淹れる練習〜
また、ちゃんとしたハンドドリップで淹れてもらうために、コーヒーの勉強会も開催。珈琲好きの家で、豆を挽くミルなど道具はあったので、それらの工程、使い方をレクチャーしました。
ブスッ!
4:小1の珈琲屋「ブレンドコーヒー」を起業
そしてついに、珈琲屋をオープン。店の名前は小学生らしく「スーパードラゴンカフェ」とか「サンダーカフェ」とか、そういうのを期待したんですが、意外にも「ブレンドコーヒー」という店名に。
豆は、ブルーボトルの「シングルオリジンの豆」を扱ってるのに、店名はブレンドコーヒー。ややこしい…。
ブレンドコーヒーのメニューはこちら。「パワーコーヒー」の他に、知らないうちに、はっさくジュース?も追加。みず、おゆは0円で飲める。ここら辺は、小1が嬉々として自由に書いていました。
さらに、セットメニューも展開。つまみが欲しいというターゲットのニーズを察知し、父ちゃんの持っている「うまい棒」「きなこ棒」を10円で小1が買い取り、それを20円で売るという商売に。
父ちゃんは、自分でうまい棒を食べるから、このセットメニューは売れないものの、母ちゃんはついセットメニューに手を出してしまい、いい商売に発展。両方つけた「うまきなセット240円」がヒットメニューに。
チケットもかわいいデザイン。(240円が、チケットでは2040円になっているのはご愛嬌。)
回数を重ねるに連れて、だんだん珈琲の腕もアップ。
味はふつうに、店で飲む珈琲の味になってます。
5:小1の出納表
そして売り上げを、出納表に記載。マイナスの概念とか出てくるので、この表は、けっこう難しいようですが。足し算/引き算の練習も兼ねつつ、遊びながら学んでいました。
いざ店を始めてみると、豆をこぼしたり、作るのに失敗したり、グラム数を間違うなどもあり、理想通りの稼ぎにはなりませんでした。元手の1000円と、借金した900円を取り戻すまでは、まだかかるものの、少しずつキャッシュも増えていくことに。
6:事業拡大
春になり、ブルーボトルコーヒーの豆がなくなったため、次はカンブリア宮殿でやっていた「サザコーヒー」の豆を買いに出かけました。増えたキャッシュがまた一時的に減ったけど、楽しそう。
徳川慶喜が飲んでいた「将軍珈琲」というものらしいです。ついでにちょっと歴史の勉強にもなってます。
7:借金返済。そして黒字へ
2回の珈琲豆の購入と、メニューの工夫によりビジネスは軌道に乗ります。そしてついに、1500円(父ちゃんからの900円の借り入れと、母ちゃんからの600円)の借り入れを返済。
そして、ついに軍資金となったお年玉1000円を突破。2ヶ月かけて、やっと80円の黒字に転がります!
そして将軍珈琲を売り切り、起業から3ヶ月後には、1150円の利益に!
さらに現在小2になってからもコーヒー屋は継続。うちに友達たちを家に呼んだときに、ビジネスチャンスだとコーヒー屋を実施して、さらに稼いだりもしてました。
8:小1に振り返りインタビュー
当初はポケカを買うために始めた、このプロジェクトですが、実際に稼いだこのお金はどうするのでしょうか。聞いてみました。
ポケカを買いたいってことより、何かやってみてお金を稼ぐっていうことに面白さを見つけたような感じでした。新しい遊び方を見つけたっていう感じ。
9:息子シリーズ
こうして小1では、お金の勉強と起業ごっこをやりました。おこづかい講座から始めて、ターゲットのニーズを把握し、リスクをとって珈琲豆を買って、家庭内起業し、1000円ちょっとの稼ぎを出すことに成功しました。
これまでにも「息子シリーズ」というライフワークして、毎年こどもの年齢でできることに合わせて、作品/実験をしてきました。
●1歳児がつくるWEB
●2歳児が語る日本の社会問題
●3歳の写真家
●5歳児が値段を決める美術館
●大人の悩みに6歳児が答えるラジオ
そして、今回の「小1起業家」。STEM教育とか、アクティブラーニングとかいろいろ流行っていますが、これもそういう系譜になるのでしょうか。とにかく遊びつつ、学びになるし、いろいろ楽しい試みでした。
来年もまた、小2の子供と何かを組み合わせたプロジェクトを考えようと思います。