プレミアムろたすの召し上がり方
プレミアムろたすという不思議なラーメンを頂きました。
で、この作品、無茶苦茶美味いです!!
私にとっては、ここ最近で最も感動的な一瞬を誘ってくれた超名作でもありました。
ちなみにこのプレミアムろたす、【プレミアムろたすの召し上がり方】という説明書きがついてきます。
そこで今回、私もその手順に従って頂いてみたのでした・・・
①【煮干スープに浸かった麺をそのまま】
まずは麺をそのまま頂きます。
すると麺を浸す煮干しスープの上品さがまさに絶品なんです!!
煮干しの味わいとその冷やかさが見事に調和し、煮干しらしい粒子感ある苦みや香ばしさが感じられます。
そしてその味わいが、素直に舌へと染み入ってくるから堪りません。
気負いのないその性格が実に美しく、そしてその味わいがしなやかに麺に絡む様は、このお店の煮干ラーメンのファンにとっては、いや全ての魚介系ラーメンのファンにとっても感動の一瞬であると思えます。
②【特製の燻製塩を麺に振りかけて】
続けてこの麺に用意された塩を振りかけて頂きます。
すると塩の非常に細やかな味わいが舌をすっと刺激し、ほんのりとした燻製香が口の中に添えられます。
すると煮干しのスープを絡めた麺の穀物感は、角を立てることなく野性味を携え、またスープの味わいも小気味良く立ち上がるようになります。
淡く美しい麺と煮干しスープの味わいに対する舌のピントが、この瞬間ピタリと定まったかのように感じられ、スープ、麺の魅力に躍動的なキレとフックが押し迫って感じられるのです。
そして塩による演出を口当たりに感じながら麺をすすっていくと、煮干しの味わいが舌に丁寧に丁寧にと重ねられていき、その雅やかでわびさびある表情の加速的な高まりに、思わず唸らされてしまうのです。
③【関ヶ原たまり醤油、砂糖、みりん、鶏で仕上げたシンプルなつけ汁とご一緒に】
そしてここまでの美食っぷりにも増して圧巻だったのが、ここからのつけ汁アレンジであります!!
まずはこのつけ汁自体が美味しいのです。
醤油ダレからはしっかりとした高級感が伝わります。
そして関ヶ原たまり醤油のポテンシャルに改めて唸らされてしまうのです。
旨味の滑らかさと熟成感、そして色気の細やかさといったものが、極めて優れていることが口当たりの一瞬から伝わってくるのです。
醤油に重ねられた鶏の個性は、つけ汁に柔らかなボディーをつくります。
さらには砂糖が口当たりにやわらかな甘味を引き出し、その甘味に馴染んでいくようにみりんの甘味が感じられていきます。
するとこの個性が鶏と醤油の味わいを穏やかに調和し、ふくよかながらも優しいその性格を深めていくのです。
その気張らないその表情は、美味しさだけでなく癒しをも導いていくのです。
そしてこのつけ汁の魅力がさらに際立つのが、麺と一緒に頂いた時であります。
麺を口に運ぶと、麺に絡んだ冷やかな煮干しスープの味わいが低域にさっと広がり、その上に温かでふくよかな鶏の味わい、そして関ヶ原たまり醤油の丸みある熟成感が浮かび上がります。
上品さが凛と立つ煮干しスープの冷やかさと、丸みとコクに長けた鶏のスープの温かみのこのコントラストが、まるで対立することなく完成されたカクテルのように規律正しい調和を生み出します。
これには心の底から感動させられました。
煮干しスープが舌先を綺麗に潤し、舌の感性を磨きあげることで、浮かび上がる鶏の柔らかさまでもがデリケートに感じられ、同時にそれを構成する素材のクオリティーの高さが明瞭に伝わってくるのです。
舌に伝わる温度差を巧みに生かしたラーメン・つけ麺を、私はこれまで他に知りません。
店主様の創造力とセンスといったものが生み出した奇跡のアレンジだと確信します。
・・・ と、思った瞬間、あることを思い出しました!!
そう、私はもう一作品だけ、温度差を巧みに生かした作品を知っていたのです!!
それは店主様が独立する前のこと、店主様が修行先で生み出した限定ラーメン『Wテイスト&業界初Wテンプラチャー、塩トマトつけ麺』であります。
この作品も実に素晴らしく、そして超画期的な一杯でありました。
しかししかし、プレミアムろたすのWテンプラチャーの衝撃は、この時の感動をさらに上回るものでありました。
Wテンプラチャーが同時に口の中で演出され、しかもその同時性に全くの違和感がないどころか、むしろそうであるが故の煌めきを感じさせられたのです。
本当に素晴らしいアレンジですよね。
その味わいに心から感動させられ、同時にこの一杯に溢れる店主様の才能あふれるアレンジの妙に感激させられたのでありました。
④【具材をつけ汁に入れ変化を楽しみながら】
最後につけ汁に具材を入れ、つけ汁に香る微妙な味わいの変化とともに麺を頂きました。
上品さを崩すことなく、表情を変化させるつけ汁の社交性の高さが際立ちます。
そしてこれら3つのアレンジを巧みにまとめ上げた麺の素晴らしさも感じられました。
癖のない優等生タイプの麺に思えながら、その適度なスープの弾き方と絡め方はまさに絶妙です。
もちろん麺そのものの素晴らしさと同時に、この麺の特性に合わせてスープのアレンジを施した店主様も素晴らしかったのでしょう。
しかし頂くたびに感じられる、麺の持つ上質の美味しさには、改めて満足させられました。
そして何より、プレミアムろたすの華やかな展開美を終始崩すことなく素直に楽しませてくれたことが嬉しかったのです。
―― 感動的に美味!!
麺を頂き、残った煮干しスープを飲み干しました。
そしてつけ汁の味わいに舌鼓を打ちながら、改めて関ヶ原たまり醤油のクオリティの高さ、そしてプリプリっとした肉感までが伝わる鶏の旨味に心酔させられました。
スープを飲み干し、ふと説明書を見ると最後の一行が・・・・
⑤【麺を食べ終わったら、煮干スープにつけ汁をいれスープ割りで】
―― あ。既に私、煮干しスープもつけ汁も全部飲んじゃったよ。
これはショックです。
致命的なミスにより、最後のアレンジを楽しむことができなかったのです。
そしてもちろん、この場を通じて皆様に最後のアレンジの感動をお伝えすることもできなくなったのです。
しかしプレミアムろたすが、屈指の名作であることは間違いありません。
某やり手フードクリエイターさんにも「逸品」と言わせしめたその実力は、並大抵の名作レベルにはありません。
もしこのレビューを読んでくださった方の中で、今後プレミアムろたすをお試し頂く方がいらっしゃったとるすならば、その最後のアレンジを、新鮮な気持ちで楽しんでいただきたいと思います。
それでは皆様、最後のスープ割りアレンジをうっかり試し忘れるおっちょこちょいなレビュアーの長文はここまで。
随分と読ませてしまいましたが、言いたいことはただ一つだけ・・・
『YOU、プレミアムろたすで感動しちゃいなよ♪』 …ってことですよ!!