銭湯日記①
お久しぶりです。銭湯大好き人間こと小糖こはくです。
銭湯は古ければ古いほど良い。謎の地域コミュニティは聞いているだけで楽しいし、他に誰もお客さんがいない時に話しかけてくれる番台のおばちゃんの存在はありがたすぎます(個人の感想です)。
さて、今回はそんな銭湯巡りの日記を少しばかり紹介してみようかなと思った次第。全部個人の感想ですのでその辺はご容赦を。あと「古い」とか「ボロい」とかの言葉はこの場においては全て褒め言葉として使われています。
東宝湯(新宿)
コインランドリー併設の、昔ながらの銭湯。アメニティ付きで、レンタルタオルも20円と手ぶらで行けるのも魅力的だ。日替わりの薬湯があり、この日はゆず湯。建物の外にいても薄甘い芳香が漂ってくる。家族経営なのだろうか。気のいいおばちゃんが受付にいて、銭湯を出る時は「おやすみなさい」と優しく声をかけてくれる。休み処は狭いながらしっかり瓶牛乳が飲める。女湯側にしか椅子がないのでそこだけ注意。
十條湯(十条)
喫茶店とコインランドリーが併設された珍しい銭湯。昔ながらの面影を残しつつドアが自動ドアだったり喫茶店のメニューが日々増えていたりと、新しさも積極的に取り入れている印象。熱い湯、ぬるま湯、サウナ、水風呂とかなりの充実具合だ。壁にはエンゼルフィッシュの見事なモザイクアートがあったり、排水溝の蓋がペンギン模様だったり、タイルに船の絵柄があしらわれていたりと海の意匠が散りばめられている。平日だが親子連れや比較的若い客などもいて賑わっていた。喫茶店のブレンドコーヒーはやや酸味が強め。固めのゼリーはお風呂上がりに嬉しい爽やかな味だ。
岩の湯(赤羽)
コインランドリー併設・煙突・お釜型ドライヤー・富士山・絵付きタイルと銭湯好きの夢を全て煮詰めたような銭湯。絵付きタイルの絵は桃太郎だった。青いペンキの高い天井で入口で女湯と男湯に分かれてるタイプ。埼玉によくあるタイプ? 行った時誰もおらず電気が消えててビビった。洗面器は珍しく、黄色ではなく白いケロリンのもの。白を初めて見たので驚いた。
話好きのお婆ちゃんが番台におり、話をしてくれた。今は2代目で、ご主人の両親が始めた銭湯をご主人が脱サラして継いだとか。「結婚してここへ来るまでこういうタイルの大きいお風呂に入ったことなくてね、入るより先に(番台に)座っちゃったよね」と笑っていた。当時は使用人がいたので、その中でお風呂に入るのが恥ずかしく、最初のうちはご主人の両親が人を払ってお風呂に入らせてくれた、というエピソードを聞かせてくれた。電源の抜けた冷蔵庫を指して、今は飲み物を何も置いてないのよね、今度来たら差し上げるわねと言ってくれたのが嬉しかった。
万年湯(新宿)
恐らく改装されたであろうモダンな銭湯。南国風?と和の折衷というかんじ。渡り鳥のモザイクアートがあり、熱湯、温湯、水風呂、電気風呂など480円とは思えない充実ぶり。休憩所にパック牛乳も売っている。そして、この内装の新しさでなんと洗面器がケロリンなのだ。
前田湯(池袋)
世にも珍しい花屋併設の銭湯。コインランドリーもついている。新しそうな外面に反して中はかなり古いようだが、よく見る木造で蒲鉾形の青い天井のタイプではなく、タイルと金属を基調とした作りである。壁は割れ、黒カビが生え、金属はこれでもかというくらい錆びていてちょっと綺麗な廃墟だと言われたら信じるかもしれない。お釜型ドライヤーと20円ドライヤーがある。鍵が松竹錠ではなく洗面器もケロリンではない。中は広く、暮れの湖畔のモザイクアートが見事だった。熱湯、温湯、薬湯があり、温湯がなぜかラブホの風呂よろしく赤く発光している。薬湯は常連らしいおばちゃんに教えてもらったので分かったが特に表記はなかったため、何の薬湯なのかは分からない。「ちょっと前は若い子もよく来てたんだけどね。何だかスマホを見て、今はこの辺の銭湯を巡ってるんですって。流行ってたみたいね」とのこと。外には瓶牛乳と瓶ジュースが売っていた。
平和湯(池袋)
地下にある珍しい銭湯。池袋周辺の銭湯は松竹錠を使っていない気がする(ケロリンはある)。偏光が綺麗な床タイル、女性の顔と花をあしらった壁タイルが良い。ヒートポンプ式のお風呂。綺麗な赤富士の壁画、遠くから見ると湯気が朝靄に見えて良い。ボンタン湯というのを定期的にやっているらしく、気になる。狭め。
弁天湯(新宿)
建物は古いながらも中は所々改装されており、古さと新しさが入り交じった銭湯。熱湯、温湯、薬湯、水風呂と充実しており、課金するとサウナにも入れる上に2分の1の確率で露天風呂にも入れるギャンブル銭湯(男湯と女湯で日替わり)。ペンキ絵は北海道の山と、地元で親しまれる公園と神社。お釜型ドライヤーとオシャレ絵付きタイルと煙突がある。ロッカーと下足箱は松竹錠で洗面器はケロリン。整い場が東屋みたいになっていてテレビもあり充実している。あとなぜか浴室内に電飾がある。休み処も充実していて、広々したスペースで瓶牛乳を飲みながら漫画も読める。
露天風呂ゆの花(浮間舟渡)
480円で露天風呂が堪能できる神の銭湯。入るとスーパー銭湯の匂いがする。外装・内装共に新しいが、脱衣所のロッカーは池袋界隈の銭湯でよく見られる種類のもの。隣にコインランドリーがあるし、古くからある銭湯だと想像できる。大理石っぽい内装が特徴的。肝心の露天風呂だが、ガラスの窓が嵌められているため空を見ることはできない。しかし外気はしっかりと入ってきているし、外の匂いと温泉の匂い、東屋、漆喰と竹の壁、笹(?)、整い椅子…露天風呂の要素は全て揃っており、都会のオアシスとしては十分すぎるくらいである。浮間舟渡って言うほど都会か?洗面器はケロリンではなかった。壁画は化粧タイルによる川と橋、山の絵。もう1つの最寄り駅が北赤羽であることから、恐らくかつての荒川の様子だと思われる。瓶牛乳や酒類、アイスの販売あり。内湯はジャグジー系が充実。薬湯があったが、効能とかは書いていなかった。
日進湯(大宮)
大宮駅の雑然とした街にひっそりと生き残った銭湯。蒲鉾形の天井で男湯と女湯が繋がっている(折り合げ格子天井というらしい)。昔ながらの番台、古い木目調のロッカー、籐籠が銭湯好きにはたまらない。浴室はやや小ぶりだが、堂々たる富士のペンキ絵は王道の銭湯を感じさせる。また箇所箇所に鯉や風景のタイル絵があり、お洒落ポイント。お湯は浅湯、深湯の2種類。地元のお婆ちゃんコミュニティが出来上がってて、聞いているだけで面白い。
金沢浴場(新宿)
お湯が熱い!!!
熱いお湯好きにはたまらないと思う。高い煙突が新宿の街に高々とそびえ立っている。コインランドリー併設。メルヘンな風景に虹がかかった珍しいタイル絵が奥壁にある。全体的に狭めではあるが、どこかアットホームな雰囲気がある。
大星湯(曙橋)
どこか明るい下町の雰囲気がある銭湯。課金すればサウナにも入れる。暑すぎないお湯、サウナと冷たすぎない水風呂で、サウナ初心者にもオススメできるし、サウナに入らずとも熱湯、水風呂のループも気持ちがいい。松竹錠や籐籠などの風情とはまた違った、明るめで近代的な楽しみ方のできる銭湯だと感じた。
大和湯(西新井)
チェーン店の並ぶ大通りに急に現れる、大きくどっしりと構えた昔ながらの外観。暖簾を潜って靴をしまうと、番台のお婆ちゃんにチケットを渡して入浴することができる。松竹錠の古びたロッカー、お釜型ドライヤー、柱時計、錆び付いた体重計。番台の横で販売される瓶牛乳。昔ながらの銭湯と言われてイメージする銭湯そのものだ。浴室内には山々の描かれたタイル絵。奥壁にペンキ絵がないことだけが残念だが、造りを見るに昔はあったのだろう。湯桶はもちろんケロリン。そして驚くべきことに、お湯に足を踏み入れようとした途端に香った、硫黄の匂い。後から調べたところ、草津温泉の効能をそのまま得られるハップを使っているのだとか。硫黄は管に負担がかかるため、温泉地でもない銭湯でなかなかできることではないらしい。店主の営業努力の賜物だ。
永楽湯(日の出町)
番台から男湯も女湯も見えてしまう、だがそれもまた味。富士錠の靴入れ。熱いお湯。薬湯ですら熱い。地元の人すらそんなに見受けられない、寂れた銭湯だ。湯桶はもちろんケロリン。ペンキ絵や絵付きタイルなどの派手な何かはないのだが、あの頃の銭湯という雰囲気を味わうには良い場所だと思う。あと非常口から外に出て煙草が吸える。これは喫煙者としてはかなりありがたい。
改正湯(大田区)
浴槽から泳ぐ金魚を見ることができる銭湯。恐らく日本で唯一なのではないだろうか。以前は兵庫にもそのような銭湯があったらしいが、今は閉業してしまっている。
入口や内装は綺麗に改装されており、いわゆる「昔ながらの銭湯」感はない。しかし瓶牛乳などはしっかり完備されており、銭湯の醍醐味を忘れない。
入口では「この札で人数を数えているから」と小さな木の札を渡された。綺麗な和の絵柄であり、粋な計らいだと感じた。お湯は黒湯炭酸湯という、大田区で改正湯がいち早く取り入れた湯らしい。皮脂の汚れを落として肌が綺麗になる効果があるそうだ。湯加減は少しぬるめ。また、金魚水槽の他に見事な富士のモザイクタイル絵があり、そちらも見逃したくない要素だ。
はすぬま温泉(大田区)
「大正ロマン」をテーマとして大規模な改装がなされた銭湯。いわゆる昔ながらの銭湯感はないが、これはこれで小粋な雰囲気を楽しめる。洗い場の上には「はめ絵」が設置されており、どれも大正ロマンの雰囲気を纏った四季折々の絵柄を楽しむことができる。お湯は黒湯で、源泉かけ流しらしい。壁画はタイルに描かれた、見事な大自然のもの。山々や力強い滝が描かれている。フロントも大正ロマンらしく、ステンドグラスが嵌め込まれている。また、足元には3Dデジタル金魚が泳ぐ様子も……。通常の銭湯と同じ料金でちょっとした小旅行気分が味わえる銭湯である。
楽天地温泉(天満)
昔ながらの古き良き銭湯。入口入ってすぐ番台にお金を払うシステム。関東には多く見られる蒲鉾形とは異なる形をしている。ここの何が良いかって、追加料金なしで露天風呂を楽しむことができるのだ。空を見上げることは叶わないしスペースもかなり狭いが、それでも外気に触れながら浸かるお湯は最高。時間帯にもよるのだろうがさして混んでいることもなく、ほとんどの場合、露天風呂を独占することができる。