【ファッション交流記】翡翠のバングルはマストアイテム?中国レトロファッションから考える「選択肢」の話
こんにちは、着物コーディネーターさとです。
私がnoteでも度々話題にしている中国版Twitter「Weibo」では、
中国の女の子達の自撮りが日々じゃんじゃか流れてきます。
率直に感想を言うと、
「中国の子達って自撮りめっちゃ好きなんだな…」
と思います。日本人の比じゃない気がするんですよね。
(私も自撮りはすっげーするので、人の事はあんまり言えないですが。笑)
私のWeiboフォロワーさんは着物やロリータファッション、
漢服や旗袍などが好きな人が多いのですが、
特に漢服や旗袍=中国のレトロファッションが好きな子達が、
結構な確立で「翡翠のバングル」と「真珠のネックレス&ピアス」をしているんですよね。
私も真似っこしてみました。笑
ちょっと画像が暗いけど、
こうして眺めるとお肌の色に合っている気がします。
この写真をWeiboにアップしたら石の品種?や原産地を聞かれました。
(私自身は、実はあんまりジュエリーに興味がないんですよね…)
ヴィンテージの旗袍で撮影してもらいました。(これはオフショット)
楽しかったなぁ。
Weiboのコメントを読んでいると、
旗袍に真珠のアクセサリーを合わせるのが1930~40年代の流行だったようです。
翡翠は古代からあるので言わずもがなですが、ルビーもすごく人気なんだそうです。
モノとして人気というよりは、文化・精神的な部分で中国のファッションに根付いているのだと感じました。
「何か特別な意味があるの?」と訊いてみても、みなさん「特に無い」と言うんですけど、
本当に何も無いなら、そもそもこんなに普及していないと思うんですよね…
日本でも、1920年代以降のアンティークの帯留めや簪は、
翡翠や翡翠っぽいガラスが度々使われています。
これはアール・デモやアール・ヌーヴォーから影響を受けている気がしなくもないですが。
日本では翡翠が特別じゃなくなったのはいつ頃からなんでしょうね…
この辺も気になるので、機会があればまた掘り下げたいと思います。
翡翠のバングルを付けていると、やっぱり凄く褒められます。
何がそんなに良く見えるんだろう?と疑問に思ったのですが、
「お金持ちに見える」というコメントが結構多かったです。
これ、正直すごく驚いた一言だったんです。
日本では「カネがかかりそうな女」は倦厭されがちだし、
翡翠のバングルひとつにそんな表現のコードが潜んでいたとは!
そういえば、Instagramでも欧米圏の方からは
「ゴージャス」って褒め言葉でよく言われる気がします。
(多分、似たようなニュアンスの褒め言葉だと思うんですけど…ちょっと違うかもしれません…)
日本人の間では「それめっちゃ豪華だね!」なんて褒めないですよね。笑
せいぜい「それ可愛い」くらい。
バブルの時代は「ゴージャス」が褒め言葉だったかもしれませんが、
ここまで普遍的な言葉ではないような気がします。
さっき書いた通り、私はジュエリーにあまり興味が無いので
宝飾品についてはあんまり深いお話をできないので恐縮ですが、
昨今の日本では大きなジュエリーは流行していないように思います。
指輪なども、平面から飛び出さずに
「ブスッ」と刺さっているようなデザインも多いですよね。
ドドンと立体的にキラキラの宝石がついているのって、
バブルっぽいから最近の流行ではないんでしょうね。
少し話が逸れますが、
最近、20代くらいの若い方の間で80年代ファッションがちょっとしたブームになっているそうなのですが、
見てみると、アクセサリーだけは「今っぽい」子が多くて
面白いなぁ、と思っています。
ギラギラのアクセサリー、そんなに売ってないですもんね。
時々、中国のSNSを通して、
私が平常心で受け入れている事や、社会が「良し」としている事、
自分自身の価値観をガンガン揺るがせられます。
着物は特に細かいルールやセオリーが多いので、
セオリー外の事をするのに抵抗がある人もいるだろうし、
時々「下品」とか言われる時もありますしね。
けど、それらのルールやセオリー、社会が「良し」としている価値観って、
結局のところ、自分じゃない他の誰かが決めたことであって、
別のコロニーに行ったら全く関係がないんですよね。
ルールやセオリーの内側にいる人達は勿論それでOKだと思うし、
「よっしゃ!みんな他所のコロニー行こうぜ!ワールドワイド!」
とか言うつもりも私はないです。
でも、
その「良しとされている価値観」って本当に良いんでしょうか?
その選択肢しか用意されていないだけではないでしょうか?
「お金持ちの奥様に見える」翡翠のバングルは、
「カネがかかりそうな女」と通じるところがあるけど、私はすごく気に入っています。