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【着物コラム】補正をしない着付け=苦しくない、は本当?


こんにちは、着物コーディネーターさとです。

先日バスト周りの補正・太って見えない着物下の作り方
という記事を書いたのですが、
今日は上記の記事のこぼれ話をします。

ウエストがある&動くと着物はどうしても着崩れするので、
私は少しだけでも補正をすることをオススメしているのですが
中には「タオル入れたくない」派の方も多いと思います。

お話を聞くと
「タオルを入れる着付けは苦しいからイヤ」
というご意見が大半だったので(個人的な経験ですが)
引き続き、着物を着る前の体型補正の話をします。





そもそも「着付けが苦しい」のは何故か

人間の「苦しい」の種類も様々ですが、
こと着物に関しては着付けに紐類を使うので
「使用する紐の締め付けが苦しい」が大半ですよね。
特に着物はおなか周り、内臓を圧迫するところを紐で締めるので
余計に苦しさを感じるのだと思われます。


着付け師さんの世界だと
着付けの紐の内側に指が入る=紐の締め付けが緩い
だと聞いて戦慄したことがあります。
そりゃ苦しいに決まってる!

でも、それにもいろいろな理由がありまして、
着付け師さんはお仕事の種類的にセレモニーの着付けが多いので、
着崩れが許されない局面が多いんですね。

振袖や婚礼衣装は普段着の着物と重量が全然違います。
なので、紐をきつく締めることが多くなりますよね。
紐の圧迫が苦しいのは、重量のある着物を支えるためなんです。

そして、着崩れを防ぐために体型補正も厳重になりがちです。

タオルをいっぱい詰めた補正=苦しい
のイメージの原因はこのへんにもありそうだな?
と個人的に思っています。
タオルをいっぱい詰めない代わりに、紐の締め付けを緩めたらどうなると思いますか?
苦しくなくなりますよね。笑

そして、考えてもみてください。
内臓が詰まっているおなか周りを、何も入れずに紐で着付けをするより、
間に緩衝材があったほうが苦しくないと思いませんか?
着付けの補正のタオルはそういった緩衝材としても有効な手段だと、私は思います。




「ちょうどいい」を選べるようになろう


人によっては「補正しない方がきれいに着付けが出来る」という方もいます。
私は少しだけでも補正しますし、本当に人それぞれ。
普段着の着物は振袖などと違って重量もさほどないので、
指が紐の内側に入らないほどの締め付けも必要ないかな、と思いますが
それも人それぞれ。
カッチリ補正して絶対着崩れしない着付けをしたい!という方もいますしね。

先日書いたバスト周りの補正・太って見えない着物下の作り方という記事でもお話したのですが、
補正は「着物を綺麗に着る」手段の一つでしかないんです。

人は一人ひとり個性があります。
もちろん、体型やその人の美しいパーツ、似合う色も人それぞれ。
大事なのは着付けやコーディネートを個々の事情に合わせることだと、私は思います。