【国宝が大集結】東京国立博物館創立150年記念 特別展「国宝 東京国立博物館のすべて」
こんにちは、宮寺理美です。
昨年11月に東京国立博物館の150周年報道発表会にお招きいただき、様子を紹介させていただいたのですが、
その時もご説明を聞いてわくわくした
東京国立博物館創立150年記念 特別展「国宝 東京国立博物館のすべて」が、今年10月よりスタートするとのことで、
再度、報道発表会にお招きいただきました。
2022年は日本最古の博物館、東京国立博物館の創立150年の節目の年です。
今回は、この節目を記念して、東京国立博物館では開催される
東京国立博物館創立150年記念「国宝 東京国立博物館のすべて」の、
報道発表会でお伺いした見どころについて書かせていただこうと思います!
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日本の近代化と共に在り続けた東京国立博物館の歴史
東京国立博物館は、明治5年に旧湯島聖堂大成殿で開催された博覧会を機に誕生しました。
博覧会を通して日本の近代化を図るという壮大な目的があったのだそうです。
急激な西欧化によって危機的状況にある文化財を守るために、
明治15年に上野公園の現在地へ拠点を移し、活動を本格化させたのだとか。
今回の展示では、東京国立博物館の原点である『湯島聖堂博覧会』で実際に展示された作品の一部と共に、
博覧会で大人気だった名古屋城の金のシャチホコの実物大レプリカを展示する等、
明治5年の博覧会を追体験できる特別な機会が設けられるのだそうです。
ちょっとしたタイムカプセル状態ですね!
当時の展示物がきちんと保管されているのにもびっくりです…!
みどころを解説して下さった東京国立博物館 列品管理課登録室長 佐藤様によると、
当時はサンショウウオなども展示されていたそうで、
かなりいろいろなジャンルの展示品が集められていたことが伺えますね。
キリンちゃんの里帰り
明治19年、博物館は宮内庁所管となります。
また、現在の東京国立博物館は歴史や美術の博物館としての性格が強く、
生物や化学の分野の展示品は国立科学博物館の方が多いのですが、
当時の収蔵品は、かなり多岐に渡っていたようです。
こちらのキリンちゃん達は、明治40年に日本に初めて生きたままやって来たのだそうで、
生前は上野公園にお住まいだったそうです!
(上野公園は明治15年に開園したそうで、いつも何気なく遊びに行ってましたが、歴史が長くて2度びっくりです…)
大正時代に国立科学博物館にお引越しされたのだそうですが、
何と、今回は100年ぶりに里帰り!なのだそうです。
大きなキリンさんを初めて見た当時の人たちはさぞかしびっくりしただろうな…と思うのですが、
それも追体験できるのかと思うとわくわくしますね♪
他にも、明治天皇が僥幸の際に実際に乗られた「鳳輦(ほうれん)」など、
皇室ゆかりの品々も展示されるそうです。
また、100年前の展示ケースを使用して展示するなど、レトロな雰囲気も再現されるとのことです!
これが、レトロ好きとしては堪りません…
展示空間まで凝っていただけるなんて、本当に楽しみ…!
終戦から現在までの歩み
東京国立博物館は、昭和22年、宮内省から文部省に移管します。
第二次世界大戦の際にも、美術品を疎開させるなどして守り続け、
終戦から現在に至るまでも、施設の増改築や所蔵品の修復など、
常に柔軟な姿勢で、前向きな取り組みを続けられています。
今回初公開される『金剛力士立像』は、かつて滋賀県の寺院に安置されていましたが、
昭和9年の台風で大破してしまい、修復を経て、今回の特別展で初公開されます。
なんでも平安時代の貴重な物で、東京国立博物館の所蔵品の中では1番大きな仏像なのだそうです。
写真でも十分迫力がありますが、きっと実物はもっとド迫力なんだろうなぁ…!
国宝刀剣が集結する「国宝刀剣の間」出現!?
今回の展示は、東京国立博物館が所蔵する国宝刀剣が、
ドドンと勢ぞろいする史上初の展示でもあります。
(某ゲームファンの方はマジで必見)
みどころを解説して下さった東京国立博物館 列品管理課登録室長 佐藤様によると、
今回展示される「太刀 銘 三条(三日月宗近)」と「太刀 銘 安網(名物 童子切安網)」は、
刀身の長さ・反りが全く同じなのだそうです。
しかし、その刀身を見比べてみると、印象が全く違います。
時代に注目して刀身を眺めるのもヨシ、
作者の居住地域などで見るのもヨシ、
色々な楽しみ方ができるのも今回の展示ならではなのだとか。
私は、今まで刀剣を「ヒッ…よく切れそう…」と、
おっかなびっくり眺めていただのですが、
佐藤様の解説を聞いて、なんだかワクワクしてきました…!
今回はおっかなびっくりではなく、ドップリ没入して、刀剣を眺めてみようと思います。
紫式部もうっとり。平安時代の展示品たち
2024年の大河ドラマの主人公は紫式部に決定していますが、
今回の展示品の中で、紫式部が絶賛した小野道風の『円珍贈法印大和尚位並智証大師諡号勅書』も展示されます。
平安時代の天才作家、紫式部がときめいた書を生で見られる貴重な機会です!
同じく平安時代の『平治物語絵巻 六波羅行幸巻』は、
普段はスペースの都合でなかなか広げられないのですが、
今回は広げての展示をされるのだそうです。
その長さは9m50cm…
いや、絵巻ですよね…引くほど長いんですけど…笑
現存する絵巻では日本最古の絵巻なのだそうです。
これは是非拝ませていただかなくては…!
東京国立博物館の取り組み
報道発表会でのご説明を聞いて、
東京国立博物館の皆様が今回の展示にかける熱意や意気込みをさらに感じることができました。
通常では、所蔵品の保護のため、展示期間が限られているのですが、
今回、89点の国宝をこの期間に集結させるために、年単位で調整をしたのだそうです…
また同じような展示を企画するのはなかなかできないとの事ですので、
この機会にぜひ現地に足を運びたいと思います。
収蔵品の保護のため、展示期間は4期間に分かれています。
①10月18日~30日
②11月1日~13日
③11月15日~27日
④11月29日~12月11日
もしお目当ての展示品がある方は事前に公式HPのチェックをお勧めします!
また、空間や展示方法にもかなりこだわっていらっしゃるご様子で、
150年の歴史、そして東京国立博物館の誇りを感じました。
日本美術の教科書のような著名な展示品が並ぶだけでなく、
味わい尽くせるように工夫を凝らしていらっしゃるのがひしひしと伝わってきました。
少しでもご興味のある方はぜひ現地に足を運んでいただければ!!と思います。
私も絶対行きたいです!!!
開催概要
東京国立博物館創立150年記念 特別展「国宝 東京国立博物館のすべて」
会期:2022年10月18日(火)~12月11日(日)
会期中に展示替えがあります。
①10月18日~30日
②11月1日~13日
③11月15日~27日
④11月29日~12月11日
会場:東京国立博物館 平成館
公式Twitterはこちら