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【初めて着物のすゝめ】素材によるメリット&デメリット②正絹


こんにちは、着物コーディネーターさとです。

シリーズものにしよう!と思って書き始めたのに間が開いてしまいました。

第一弾はこちら



ポリエステルの記事にも同じ事を書いたのですが、
着物は布面積が洋服と比較すると大分多く、
体の殆どを布で包まれるので、素材の特性が着心地に大きく影響すると思います。
と言うわけで、素材に焦点を当てたシリーズです。

今日は絹について、着物の素材としてのメリットとデメリットをまとめてみます。



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①絹の特性による快適さ=メリット

着物を好きな方とお話していると、
漠然と「絹=良質な物」という認識をしている方が多いように思えます。
皆様ご存知の通り、絹は蚕の繭から採取した動物繊維です。
「良質な物」という印象も、
絹と言う素材の特性が「身に付けていて快適」である事に関係しているからだと思います。

では私の思う絹のメリットをまとめます。

ポイント1:着心地がいい
絹は吸湿性・通気性・保温性に優れていて、高級下着の素材にもなっていたりましますよね。

ポイント2:質感
絹の主成分はたんぱく質とフィブロインです。
フィブロインが光を乱反射させる特徴があるので、つやつやした高級感のある質感が生まれます。

ポイント3:紫外線を吸収する
絹の着物って紫外線で変色しますよね。
あれって繭の中の蚕を守るために紫外線を吸収しているからなんだそうです。



片倉工業株式会社様のHPに絹の特性がわかりやすくまとめられていました。
私がすごくザツにまとめると、
絹の着物ってホントに快適で見た目もいいんです…
ポリエステルの技術も進歩しているし、コットンの着物も便利なのですが、
質感に関しては絹の美しさはダントツだと思います。


②デメリット

さて、では絹の着物のデメリットって何でしょうか?

以前、着物のクリーニングについての記事も書いたのですが、
私が思う絹の着物の一番大きなデメリットはお手入れが不便である事だと思います。



上記の記事でも書いたのですが、
絹の着物は綿やポリエステルほど選択の頻度が高くなくても大丈夫です。
昔は洗い張りを各家庭でもしていたのだと思いますが、
現代ではクリーニングの技術が進み、丸洗いも可能になりました。

とは言え、いちいちクリーニングに出すのも大変です。
お醤油たらした!お茶をこぼした!みたいな時に、
自分でささっと洗濯できないのが不安な方も多いですよね。

お手入れの他にも、
紫外線を吸収する=色が変色し易い
天然素材=カビが生えやすい
摩擦に弱い、毛羽立ちやすい(生地の糸の太さにもよります)
水に弱く、乾いても元に戻らない

など、天然素材ゆえのデメリットがあります。
また、時間経過と共に脆化するのも絹の特徴です。
ちょっと取り扱いに気を使いますよね。

そしてもう一つのデメリット。
それは価格です。

絹の着物を新品で購入しようと思うと、
反物で購入して仕立てをするのがデフォルト。どうしても価格は高くなりますよね。
仕立て上がり(完成した状態で販売されている着物)もありますが、
ポリエステルの仕立て上がりの着物と比較すると、ゼロひとつは違います。


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製造方法による質感の違い

少し主題からは逸れるのですが、
絹の着物は製造方法によって着心地にも差があります。
・お召しなど、先に染めた糸を織る「織りの着物」
・織ってある生地を後で染める「染めの着物」
があり、質感も異なります。

「織りの着物」は糸の重なりで表現される、所謂「織り柄」というのが特徴です。
対して「染めの着物」は染色技法によって柄の雰囲気も異なります。
型染めや友禅染め、絞り染めなどなど、染色方法は様々です。
最近ではシルクスクリーン(版画のような方法で印刷する技法)の着物なども登場しています。
織りの着物より生地が柔らかいのも特徴だと思います。

「織り」の着物は糸のより方で生地の質感にも差がありますし、
「染め」の着物は使用する生地によっても技法によっても発色が違います。
このあたりのメリット・デメリットの感じ方は人それぞれだと思いますが、
絹はこう!と一絡げに説明できない点でもあります。
このあたりはまた別の機会にまとめようと思います。




メリット
・着心地が良い
・質感が美しい

デメリット
・お手入れが面倒
・価格が高い


ちなみに、価格面では古着の着物を選択するという手段もあります。
過去記事のご紹介になりますが、興味のある方は是非ご覧下さい。



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