【着物コラム】じわじわ暑い5月の着物のあれこれ
こんにちは。着物コーディネーターさとです。
緊急事態宣言の延長を受けて、私の外出自粛生活ももう暫く続きそうです。
最近は家の中で着物を着て、満足したら脱ぐ生活をしています。笑
ここ数日、気温が30℃近くになる日もあったりして、
家の中でしか着ないとは言え、さすがに暑くなったので衣替えをしました。
毎年ゴールデウィークの時期になると、4月までは割合過ごしやすくても、急に気温が上がりますよね。
一応、着物の世界の暦の上では「5月は袷」なんですけど、
ムリムリ…笑
最高気温が25℃超えの日に袷の着物を着ても大丈夫なのは、
家からタクシー等で移動し、冷房の効いている空間に直で行ける時だけだと思います。
この「暑いけど夏じゃない」時期には、単衣という裏地のない着物を着るのですが、
時期が微妙なだけに悩み事も増えます。
インナーどうしよう?とか、小物や帯はどうしよう?とか。
一応、夏に向かう単衣の時期は小物を夏物(透ける素材の物)に、
秋に向かう単衣の時期には小物を冬物(厚地で透けない物)に、というルールもあります。
去年は夏が過ぎても気温が下がらず、突然冬が来た!っていうおかしな天候だったので、
私は初秋の単衣を結局一度も着ませんでした…
今日はそんな「微妙な時期の着物のコツ」の事を書こうと思います。
微妙な時期は微妙なものを着る
個人的に、単衣の時期は、白黒付かないグレーな季節だと思っています。
今は丁度、春と夏の間ですよね。
この時期って洋服でも何を着るか悩むくらいなので、
すごく端的に言ってしまえば正解がないんですよね。笑
着物の世界のルールは、建前としては正解が用意されているのですが、
衣替えのルールに関しては現実世界の気温と全く合っていないというのが実情だと思います。
(真面目に守ってたら、暑くて死ぬかもしれないレベルに…笑)
じゃあどういう基準で着るものを選ぶかと言うと、
「微妙な時期には微妙なものを選ぶ」というのが私の個人的な正解です。
数日前に浴衣を着物風に着付けるのをやってみたのですが、
これ、真夏だと絶対暑いんですよね。
コットンの浴衣の下に襟付きの襦袢を着ている訳ですから、実質重ね着と同じくらい暑いと思います。
単衣の時期で、かつカジュアルなシーンで着用する着物の代用となら、アリなのかな…?とも思いました。
これも色々な意味で微妙なものに該当すると思います。
これは以前noboraさんに撮っていただいた写真なのですが、
この日は30℃超えていたかなぁ…結構暑かったと思います。
(ちなみに、手に持っている花は自分で用意しました。刈ってないです。)
着用しているのはリサイクルの綿レースの着物なのですが、
これも「微妙なもの」だと思います。
スケスケだけど素材は綿なので、真夏にはちょっと暑いですからね、綿レース。
「この時期って何を着たら良いですか?」という質問、
結構頂くことが多いのですし、
私自身も結構悩むので「お察ししますよ…」と思いますが、
結局のところ、正解って着用している自分しか分からないんですよね。
快適性と自分の満足、着物の世界のルール、とパラメーターがたくさん存在するので難しい部分もあります。
が、微妙なものを着よう!って開き直ると、
少しだけ気持ちが楽になりますよ。笑