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糖尿病と筋トレ

「私は甘いものが好きだ」という話は、何度かここでも話をしてきました。
私は子供の頃から母に
「あなたは、糖尿病になりやすいから気をつけなさい!」
と、事ある毎に言われ続けてきました。

私の母方の祖父は、糖尿病で今の私と同じ57歳で亡くなっていたのです。
私が生まれたときには、祖父は亡くなっていたのですが、母から見ると
祖父にそっくりな食べ方をする私を見て、祖父の生まれ変わりのように見えていたのでしょう。

なので、糖尿病については、子供の頃から意識をしていた分、大人になっても普通の人よりは気をつけているつもりです。今の所、血液検査の結果では糖尿病の兆候はありません。

とは言っても、甘いものが好きなのは、子供の頃から57歳の今でも変わりません。
気をつけているのは、甘いものを食べる時は、「運動」つまり「筋トレ」する事を前提に食べるという事です。

「糖尿病の予防には運動が最適」という話は、一般常識として知られている事だと思います。
では、なぜ運動が糖尿病予防に最適なのでしょう?

糖尿病には、1型と2型がありますが、ここでは一般的な多くの人に関わる2型糖尿病の話をします。

2型糖尿病の原因は、インスリン分泌不全やインスリン抵抗性により血糖値が下がらなくなる病気です。
血糖値が下がらない、つまり高血糖が長時間続くだけならいいのですが、
高血糖の継続で各所体組織に炎症を引き起こし、さまざまな合併症を引き起こす、それが怖い病気なのです。

神経障害(手足の切断)、網膜症(失明)、腎臓障害(人工透析)、動脈硬化(脳卒中・心臓病)など

私の祖父は、脳卒中が直接の死因でした。

今、世の中を騒がしている新型コロナウイルスの重症化要因として糖尿病もその筆頭です。

さまざまな合併症を引き起こす糖尿病ですが、糖尿病を防ぐ方法は極めて単純です。
「血糖値を上げすぎない、高血糖を継続させない」
これが全てです。
そして、血糖値を下げる働きをするのが、膵臓から分泌されるホルモン「インスリン」です。

「インスリン」が働くと、血糖つまり血液中の糖は、筋肉>肝臓>脂肪という優先順位で運ばれます
筋肉>肝臓>脂肪 が糖の貯蔵庫になるわけですが、貯蔵庫にはキャパがあり、キャパがオーバーすると糖が溢れてしまうわけです。
糖が溢れないよう脂肪を大きしてがんばればいいのですが、その結果が肥満なのです。

そうならない為にがんばれる場所が、筋肉です。
「筋トレ」のエネルギー源は、グリコーゲン、つまり、糖です。
筋トレをするとグリコーゲンは消費されるので、消費された分、筋肉は糖を取り込みます。
逆にグリコーゲンが消費されなければ、筋肉は糖を取り込む事ができません。
筋トレにより、筋肉は糖を取り込む事ができる上に筋肉量が増えれば糖を取り込むキャパも増えます

運動不足が続くとインスリンが分泌されても血糖の行き先が無く「インスリン抵抗性」が増します。インスリンが働かず血糖値が下がらなくなるのです。
筋トレは、筋肉への血糖の行き先を増加させるのでインスリン抵抗性を改善し「インスリン感受性」が増すのです。

若い人にとっては糖尿病は、肥満の病気という印象が強いかもしれませんが
高齢者になると、「太っていないのに糖尿病」という人が増えてきます。
インスリンが働きにくくなると、脂肪にも糖を蓄える事ができにくくなり(=肥満にならない)、血糖値が下がらなくなるわけです。
また、高齢者の筋肉量の低下もインスリン抵抗性に拍車を掛けます。

中高年にとって筋トレは、健康を維持する為にはしなくてはならない運動なのです。


(参考文献)

糖尿病と筋肉の関係
https://takanawa.jcho.go.jp/wp-content/uploads/2016/12/8-3_kawamura.pdf

運動と骨格筋GLUT4 - J-Stage
https://www.jstage.jst.go.jp/article/tits1996/11/10/11_10_42/_pdf


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