推しエッセイ SALUくんのこと
※EXILE SHOKICHI LIVE TOUR 2019 UNDERDOGGのネタバレを含みます。
予想通りにサイケデリックロマンスで紹介されたSALUくんは、美女が押している大きめの買い物カートにすっぽり入って登場した。初めて生で見たSALUくんの姿がそれだ。なんてかわいいんだろうと思った。蛍光色のイエローグリーンの衣装がばちばちにまぶしくて、全身蛍光オレンジの将吉と並んだらまさにサイケデリックで、しかもなんだかロマンチックで、真夏の夢の中みたいだった。
だからGood Vibes Onlyのイントロが流れてきたときも、うれしくて夢みたいで泣きそうになった。
SALUくんがKOMA DOGGに移籍してきたときに何も知らないまま興味本位でダウンロードしたその曲は、やさしくて幸せでけだるい色気とグッドバイブスに満ちていて、さわやかにポップにまるごと包み込むみたいで、初めて聴いたときから大好きだった。近頃の私は不眠症ぎみなんだけど(この話はまた今度するね)、眠れない夜に必ず聴くのがこの曲だった。聴くと安心する。この世界にはこんなにやさしい音楽もあるんだから大丈夫だと思える。それでも眠れるとは限らないんだけど、不安でつぶれそうな暗闇からちょっとだけすくい上げてくれるような、私にとってはそういう役割を果たしていた。
本物のGood Vibes Onlyはやっぱりやさしくて、SALUくんはステージ上を歩き回りながら楽しそうに歌っていた。WAVYのパートもちょっと歌っていたりした。私をすくい上げてくれる音楽は、こんなにキュートな人がつくってくれたものだったんだ、と初めてちゃんと知った。
ラッパーはよく自分の歴史を語る曲をつくるけど(HipHopについては薄い知識しかないので、それをなんて呼ぶのかは知らない)、「KOMA DOGGに嫁いできました」と言ったSALUくんがここでRAP GAMEを歌ったのは、まさに自己紹介のための選曲だったんじゃないかと思う。
RAP GAMEの途中でSALUくんは、「ラップしかやってこなかったけど、そのおかげで将吉くんと出会えました」と言った。SALUくんがそのとき背負っていたリュックは誕生日に将吉からもらったものだということは公演後に知った。
かわいくてきれいでやさしくて強い曲をつくるこの人が将吉の近くで音楽をやっていくことは、必然というかめぐり合わせというか、なるべくしてそうなったような感じがする。人はがんばって生きていれば出会うべき人とちゃんと出会えるようになってるのかもしれない。まったくの第三者がこんなことを思うのは変かもしれないけど、この二人が出会ってくれてよかったなあ、と思わずにはいられなかった。
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![水田みさと](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/160412043/profile_a5f9bbbc790f7e453f218c0763617524.png?width=600&crop=1:1,smart)