美術検定4級にチャレンジする人のためのオススメの本 5冊
美術検定4級を目指している方で、公式本だけでは満足できないという人のためにササッと読める本をご紹介します。正直なところ4級は公式本だけでも合格はできると思いますが、この5冊を手に取ると美術館を巡るのが楽しくなるかもしれません。
0.まず事前に公式本の2冊を確認!
『この絵、誰の絵? 100の名作で西洋・日本美術入門』佐藤晃子
公式本はちょっと値段が張りますが、100作品のうちどれくらい知っているかパラパラと覗いて観てください。意外に知らない名画との出会いがあるかもしれません。
『美術検定4級問題集ー入門編:アートを楽しむ』「美術検定」実行委員会
先ほど紹介した『この絵、誰の絵? 100の名作で西洋・日本美術入門』をスキマ時間にパラパラとみて作家の名前と作品名を覚えていきましょう。そのあと問題集を解いてみるとよいと思います。
ここから先は公式本ではないので、気になるものがあれば読んでください。
1. 『いちばん親切な 西洋美術史』池上英洋
まずは基本的な流れをつかむためにこの1冊をオススメします。絵や図が多用してあり、説明が明瞭で分かりやすいです。池上英洋先生はイタリア・ルネサンスの研究者で、フォスコ・マライーニ賞という日本語で書かれたイタリアに関する優れた著作に対して贈られる賞を2019年に受賞されました。最初にルネサンスを押さえて、その前後でどのように美術史が変化したかザックリつかむのもよいです。
2.『常識として知っておきたい世界の絵画50』佐藤晃子
次の2冊は公式本の執筆・編集に関わられた佐藤晃子さんの本です。彼女が『この絵、誰の絵? 100の名作で西洋・日本美術入門』でピックアップしている作家や作品と重なっているので、知識を深めながら読み進めることが可能です。雑学が織り交ぜられているので、ストーリーを頭に浮かべながら記憶することができます。
3.『常識として知っておきたい日本の国宝50』佐藤晃子
こちらも佐藤晃子さんのシリーズ本です。この本を読むと「オッ、今年はこの国宝が公開されるから友人を誘って観に行こう!」という気持ちがムクムクと湧いてきます。他にも『常識として知っておきたい日本の絵画50』もオススメです。
4.『ヘンタイ美術館』山田五郎
BS日テレの「ぶらぶら美術・博物館」を観ている方にはお馴染みの山田五郎さんの本です。ルネサンス、バロック、新古典主義(ロマン主義)、印象主義の4つの時代に絞ってあり、それぞれの時代の超重要人物の人間関係について妬みや嫉みを含めて包み隠さず書いてあります。他のどの本にもない、非常にウェットなアプローチで美術史を追うことができる稀な本なのではないでしょうか。堅苦しい美術書が苦手な人は刺激があって読みやすいかもしれません。山田さんが新たに執筆された『ヘンな西洋絵画』も本屋に並んでいます。
5.『101人の画家―生きてることが101倍楽しくなる』早坂優子
それぞれの作家の生誕から死去までに起こった印象的なエピソードをはさみながら、代表作や隣接する作家について漫画でサクッと読むことができます。ただし、101人の紹介が時系列ではなく五十音順なので少々混乱しますが、辞書の代わりに使えるのでオススメします。
さて、美術検定4級にチャレンジする方向けに、公式本と合わせて読みたい5冊の本をオススメしました。ぜひこれらの本を読み終わった後に、お近くの美術館の常設展に足を運んでみてください。その美術館がどの時代のどんな作家の作品の収集に力を入れているのかなど、普段は気に留めていなかったことに関心が湧くかもしれません。