母をサポートするプロフェッショナルな人たち
今日は母の退院前カンファレンス
緩和ケアに入院しもうすぐ3ヶ月になる。
食が細くなり
からだも細くなった。
が、喋りは健在。笑
今日は、母が自宅へ帰ってからどのように過ごしていくかの
”サポート隊”の出陣式みたいな日。
母は向かう前に、「眉毛だけ描いておこうかしら」と眉を整え車椅子に座る。
カンファレンスルームには
私と母を抜いて、8名のプロフェッショナルの皆様が
揃ってくださった。
母1人のために
ドクターから、訪問看護さん、ケアマネージャーと
病院内外と連携するスタッフのみなさんが顔を合わせる。
私は、初めて経験する場に
「このサポート体制はすごいなぁ…」とドキドキした。
延命治療を選ばないと覚悟はしたけれど、
自分のからだが刻々と変化する日常に
母は不安が押し寄せたり、心の中は大きく揺れる日々を過ごしてきた。
変化する心情を聴き、何度も静かに涙を流すこともあった。
自己紹介からスタートする。
進行役の看護師さんがファシリテーターとなってくださり、
では、、自己紹介をと切り出すと、
母がおもむろに、「私は患者です。今日はありがとうございます。」と
自己紹介を始めちゃった。一同笑い。
まぁ、言わんでも誰が見ても、わかるわな…。笑
あなたが患者であることは。笑
そんな笑いを起こした母の場作りで、”人生の作戦会議”は始まった。
私にとって、こういう場は初めてだし、何を訊いたらいいのかわからないが、今日の目的は、「大切なことを後悔せぬように伝えよう」だった。
母のために集まってくださったプロフェッショナルの皆さんは、
母がこれからどのようなことを望んでいるのかと、一言一句逃さぬように
言葉を受け取り、母と私に眼差しを向けてくださっていた。
母が今自分のなかにある気持ちを静かに語る。
隣で聴きながら、胸がいっぱいになり、泣きそうになる。
「何かご家族からご要望はありますか?」と、声をかけられ、
私は、今日のいちばんの目的を伝えようと思った。
「母があとどれくらいの時間を過ごせるかはわかりません。
自分のことで、子どもの私に迷惑をかけたくないと言います。母は、27年間、全盲の父と一緒にいました。介護をしてきた経験があるから、私に迷惑をかけないようにと思っています。私には仕事や家庭があり、母と別々に暮らしているので、四六時中一緒にいることができません。
母の希望は、自宅へ戻り、今までやってきたように、自分のことを自分の手でやりたいと望んでいます。
けれど、数ヶ月前とは変化している状態があります。
1人で立つことができた数ヶ月前から、今は、1人で立つことがおぼつかなくなっています。
もしかしたら、できないことたくさんあるかもしれません。
私のできないことも、たくさんあるかもしれません。
私の希望は、母が望むことをしてあげること。
少しでも、快適な時間を創ってあげたい。
ぜひ、これからの母の人生の時間を
一緒に創っていただけますか?
快適な日々を送れるようにどうぞチカラを貸してください。
お願いします。」
そう言うと、泣くはずじゃなかったのに
涙がほろほろと流れてしまいました。
静かに頷きながら、受け取ってくださっている皆さん。
今日初めてお会いした男性ケアマネージャーさんの目からも溢れました。
安心しました。
ひとまず、安心しました。
これから先のことは、どうなるのかわからないけれど、
どんな時も、過ごす時間は、いつも「今この瞬間」
どんな選択だろうとも、その選択に後悔をしないよう
精一杯言葉を発してみようと思う。
頼る勇気と、受け取ることを大切にしたいと思う。
1人を支える素晴らしいチームサポートの存在は心強い。
大変なこといっぱいあるかもしれないけど、
どんなことも楽しんでいきたいね。
みんなで創っていきたいね。
美しさ忘れずにさ、
泣いて笑って、ありがとう、と笑ってね。
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