(継続性+RFM)分析で顧客状況を把握する【sato流マーケ講座Ⅲ⑮】
ローマ字3文字が続き恐縮ですが、もう少しお付き合いくださいませ。
前回のCRMのお話で、企業を支えてくださっているのは、既存のお客様というお話をしました。既存のお客様とよりよい関係を維持して、ご贔屓にして頂けるお得意様を増やしていくことが、企業繁栄の王道です。
具体的には、新規のお客様を獲得し、競合に移ってしまわないように守り、さらにご愛顧いただくようにマーケティング努力をしていきます。
そして、現状どのようなお客様がいらっしゃるのかを見るための物差しとしてRFM分析を使います。
RFM分析とは、
Recency(最新購入日)
=最後に買ったのが昨日だったのか?1年前だったのか?
Frequency(購入頻度)
=ある期間(例えば半年)にどれくらいの頻度で購入されたか?
*期間は業種業態により異なり、それぞれ最適な設定をします。
Monetary(購入金額)
=ある期間(例えば半年)にどれくらいの金額を使われたか?
*期間は業種業態により異なり、それぞれ最適な設定をします。
の頭文字をとったものです。
教科書的には、RFMの尺度で分類して、すべて高いスコアのお客様を優良顧客と設定し、「優良顧客をいかに増やすか?」「離反顧客に不要なマーケコストをかけない。」ということを焦点に分析することが多いようです。
しかし、実際には、事業繁栄の尺度はこれだけでは不十分だと考えています。
まず、来てくださったすべてのお客様が優良顧客だと私は思っています。
沢山ある小売店や通販やサービス業の中から、選んで来て頂いただけで大変ありがたいことなのです。
通販、小売店、サービス業の実務を経験された方は、新規顧客を獲得することがどんなに大変なことか、身をもってわかっていらっしゃると思います。
そのお客様に感謝し大切にして、長いお取引をして頂くことが大事です。
ですので、まず1番の尺度を、
継続性(継続年数など)
にします。
➀新規顧客 ➁1年未満の顧客 ➂2年未満の顧客 ➂3年以上の顧客 ➃5年以上の顧客・・・・という具合です。
マーケティング活動を行った結果、取引の長いお客様が増えていればOKです。
それから、RFM分析です。
Recency(最新購入日)では、
長らくご購入がなければ、競合に移られた可能性があります。どのくらいの期間が空いたら離反顧客になるのかは、商品カテゴリーによります。耐久財の場合は、次の購入まで年単位で空くことはよくあることです。消費財の場合は、経験上6か月以上間が空いた場合は、離反顧客になっている場合が多いようです。
離反顧客にならないように、早い目に対応策を打っていきます。
離反の大きな原因は、商品力と欲しい商品がないことです。いくらお客様に寄り添った対応であっても、競合のほうが品質が良くより安かったり、欲しい商品がある場合は、そちらに移ってしまいます。商品の改良や、不足している商品を揃えます。
そして、Frequency(購入頻度)やMonetary(購入金額)が高いお客様には、ご贔屓にして頂いていることに感謝を示し、当社にとって特別なお客様であると認識していることを伝えるようにします。ですので、そのようなお客様を識別しておく必要があります。
すべてのお客様は特別で大切ですが、当社のために沢山の行動を起こしたり、沢山の支払いをするということに、特別な感謝を示してお客様のご厚意に報います。
というように、お客様の取引状況を調べ、順調にお客様との関係性を強化しているかどうかを確認したり、さらには、問題を発見したり、特別なお客様への対応を行って事業を発展させていきます。