アタック25Next参戦記・補遺 日本一周クルーズ参戦記③旅行編(3・4日目)
第3章 出発~旅行編(承前)
この記事はMSCベリッシマによるクルーズ旅行の顛末を記載した記事の3本目になる。これまでの記事はこちら。
第3節 3日目:初の寄港地!函館
翌朝、船は北海道の玄関口、函館に到着する。私としても初の北海道上陸でテンションが上がる。函館は他の都市と異なり、比較的市街地と港が近い。それでもバスで10分程度はかかる距離なのだが。
ラジオ体操と朝ご飯のルーティンをこなし、お出かけ準備を済ませ、出口を目指す。船の接舷方向や桟橋の高さにより出口が変わるので案内をちゃんと聞いている必要がある。直前まで分からないので適当に行くと迷ってしまう。出口ではクルーズカードを提示した上で帽子、マスクなどを外した状態で本人確認を行い、スロープを降りる。横浜乗船時よりもだいぶ緩やかで一安心。下船後は列に並びながら循環バスを待つ。寄港地での行動は大きく4つに分かれる。
船内で過ごす(下船しない)
オプショナルツアーに参加する
循環バスを利用して移動し観光する
レンタカー・タクシーを利用して移動し観光する
1.については②でも書いたとおり、意外と船内も楽しいのであちこち歩き回りたくない、過去に行ったことがある観光地などで特にもう一度行きたくない人におすすめ。
2.については①で触れた通り、主要な観光地をまとめて手軽に回りたい時におすすめであり、特に行きたい場所がない、あるいは準備なく気軽に楽しみたい人におすすめである。
3.と4.についてだが、事前情報では3.の待ち時間が長いとのことであったが、意外とそんなこともなくスムーズに移動することができた。今回の旅行では公共交通機関を駆使した観光に終止したが広域観光を行いたい(例:秋田→角館)場合は4.も検討になるだろう。バスは函館ならば函館駅→元町→金森赤レンガ倉庫→函館港埠頭と言った形で複数拠点を巡回する形になるので、行きと帰りの拠点を決めて観光コースを策定すると良い。
函館、というか北海道には私は初上陸である。今回の目標は以下の通り。
五稜郭観光をする
ラッキーピエロで食事をする
函館駅からは路面電車で五稜郭公園前駅に向かう。五稜郭は江戸時代末期に作られた西洋式の城郭で五角形の星状に形成された特徴的な砲台で知られる。今年のコナンの映画でも舞台になったことでお馴染みだ。最寄り駅のトラップが有名で、JRの「五稜郭駅」からは実に2kmも離れており、電車内アナウンスでも函館駅から乗り継ぐように案内される。ただし、五稜郭公園前駅からでもゆるやかな登り坂を10分程度登っていく必要がある。まず市電がやや古めかしく、意外と蒸し暑い。4歳の子供にはやや大変だったか、最終的に五稜郭タワーのところで疲れてしまった。妻はもとより城に興味がある方では無いのでここで2手に分かれる。妻と娘は五稜郭タワーで上から、私は全力疾走で五稜郭を中から見学する(百名城スタンプは現地までいかないと取れないのである)。
五稜郭タワーの下におみやげコーナーがあり、そこでシマエナガの靴下やお菓子など購入し、また市電の停留所まで戻り、今度は十字街駅まで乗っていく。電車の中はやっぱり暑く、再び娘は不機嫌に。お腹もすいたしね。
赤レンガ倉庫街の中にはラッキーピエロベイエリア本店がある他、複数の店舗が存在。ファミレス?ともファストフード?とも言い難く、また奇抜なデザインコンセプトな店に戸惑いつつも名物のハンバーガーを食する。ボリューミーで美味しい。子供も元気になったところで赤レンガ倉庫を見学しつつお土産を見繕う。ここで小さな問題が発生。巡回バスの停留所がよくわからないのだ。前日に船内新聞が配られた際にそこに地図が載っていたのだがこれを持ってくるのを忘れてしまったのだ。クルーズカードをぶら下げている人を見つけては尋ねる作業を繰り返し、なんとか場所を突き止め移動すると、割とわかりやすいのぼりがおいてあるのを発見。翌日からはこれを目印にすることにした。バスに乗って船に戻る。ターミナルには出店があり、ここでも追加のお土産を買うことができる。ただし当然メジャーなものが揃っているわけでもないので本当に欲しいものは市街で買ったほうが良い。
ここで余談だが私達の外出時の持ち物を説明しよう。ショルダーバッグに入っているものは以下の通り。
・水筒(私と娘の分)
・タオル
・一眼レフカメラ
・書類ケース
・iPad(じゃらん電子版をインストールしてある)
・事前にジャパネットクルーズから送られてきた資料
・日本百名城・続百名城のスタンプラリーシート
これでも結構重かったので、じゃらんはiPhoneでも良かったかな。あと、一眼レフカメラはいらんかったかな…とも思っている。夏だったので薄着だったが、冬だと防寒着も必須となる。
船に戻った後は船内を散策したり、夕ご飯を食べたり。出発時のセレモニーは確認していなかったが、盛大にしていただいたようである。
そしてここで事件が発生する。デッキ17には子どもが遊べるスペースがあることは前述のとおりであるが、そこに連れて行ったところ娘が遊びたいとのこと。折悪しく私は別件の対応で席を外しており詳細は不明なのだが、妻と娘だけでカウンターで応答し預けることに。預ける時には子供の登録や親のクルーズカードの登録を行い、緊急連絡先として携帯電話番号を登録する。戻ってきた私は妻から事情を聞き、それではと久しぶりに夫婦水入らずで過ごそうとデッキ7に移動してホールで演奏を楽しんだりしていた。するとスタッフが声をかけてきた…。
「娘さんが泣いているので迎えに来てほしい。」
娘は当時まだ4歳1ヶ月。保育園生活も長く日本語での保育環境にはなれていたが、見知らぬ場所、かつ英語がほとんどの環境には残念ながら適応できず、しかも母親と離れるという事実も一知半解だったようで迎えに行った際には可哀想に大号泣であった。そしてもう一つ、致命的なミスが発生していたのである。先ほど緊急連絡先として登録されていたのは「携帯電話番号」。そう、海上では携帯電話は使えないのである。これ以降は反省して預けていないがレゴブロックが大量にあったりゲームがあったりの環境自体は気に入ったようで親子で入れるゾーンに娘は入り浸ることになる(そして帰宅後UNOを買って遊ぶようになった)。
その節はベリッシマの託児施設のスタッフの皆様、大変ご迷惑をおかけしました。そしてその後も遊びに行った際は快く対応してくださりありがとうございました。ただ、預かる際には携帯電話の連絡先だけでなくこの後の予定などもざっくり聞いておいたほうがよいかもしれません。
ちなみにこの間に発生していた別のトラブルだが冷蔵庫が全く冷えない、というものがあった。デスクに相談して見に来ていただいた結果、「冷蔵庫を取り替える」というアグレッシブな対応をしていただいた。工程を目の前で見ていたのだが、備え付けられている冷蔵庫はドアの部分のネジを取り外すことで内部にある小さな庫室を取り外せるようになっており、そこを入れ替えて対応いただいた。これまたスタッフさんありがとうございました。
第4節 4日目:秋田
ラジオ体操と朝食をこなしているうちに、船は次の寄港地・秋田に到着。秋田港は市街地から割と離れていて、バスでもそこそこかかる。また、面白い特徴として港の近くまでJR貨物線が用意されている。帰りの時間に合わせて特別列車が用意されていた。普段は走らない&停車しない駅に降りることができるので好きな人にはおすすめなのかもしれない。
実はこの秋田は夫婦で相談し最も妥協した地点になる。私は歴史好きな人間であり、みちのくの小京都としても名高い角館に行ってみたかった。一方妻は秋田の伝統文化であるなまはげの展示がある男鹿を候補に挙げた。ここまで書くと両者で意見が対立したかのように感じるかもしれないが、実情は異なる。実は両者とも秋田市から離れており、レンタカーを使用しても往復2時間近くかかってしまうのである。展示の時間や食事の時間、お土産のことなどを考えるとほとんど余裕がないことに加え、子供の食事をあまり考慮できないことを考え、ここではあまり観光しないことにした。とは言え、せっかくなので百名城スタンプを1つでもゲットすべく、久保田城がある千秋公園だけは回らせてもらうことにした。
ということで今回の目標は次の通り。
久保田城の百名城スタンプをゲットする
稲庭うどん、きりたんぽ鍋を食べる
早速バスで移動し秋田キャッスルホテル前で下車。早速千秋公園へと向かい始めたのだが…
あっつい!
あまりの暑さに娘が離脱。日陰で妻と休みながら待つことに。さてここで問題。秋田県名物、花びらの形が見た目にも美しい夏に美味しい名物スイーツは?ということで「ババヘラアイス」の行商が近くにいたのでアイスを堪能して待っているとのこと。早速私は鬼ダッシュで公園、御隅櫓へ。手早く登城しスタンプをゲット、戻ることにする。その後、歩いて県立美術館、秋田駅へ。本当は秋田城にも行きたかったのだが時間が足りない。そもそも子供が見ても面白いものではない。
秋田駅のお土産をひとしきり確認してから、駅1階にあるいさばや。さんへ。色々調べると稲庭うどんときりたんぽ、いぶりがっこが食べられるらしい。みんなで色々シェア。秋田グルメをいくつか食べることができて満足である。そうこうしているうちに13時ごろになる。最終バスの時間までは余裕があるが直前は大混雑が予想されたため並ぶことに…ってもう大混雑である。
幸いバス乗り場が百貨店の横であり入口からの涼しい風を受けつつ待つ。途中娘がトイレに行っている間にバスを1本逃すなどの些細なトラブルはあったものの、無事船に帰還した。帰還後、甲板に陣取って出港セレモニーを見ることに。と、ここで嬉しいサプライズ。
なまはげが出港セレモニーに駆けつけ、太鼓を披露してくれた。伝承館には行けなかったがしっかり秋田を堪能して船は16時ごろ出港した。
妻と娘は今度は船の中程のプールに。私は荷物を持ちつつ船縁でのんびり読書を楽しんでいた。
今思うと、「することがない」のでのんびり本を読む、という贅沢な時間をのんびり過ごせるのは船旅の大きなメリットと言える。デジタルデトックスである。
次の寄港地は私にとっても思い出深い(というか1ヶ月前にも仕事で行った)金沢である。
(続く)
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