アタック25Next感想 2022年10月16日「世代別大会」

世代別大会として開催された今大会。青の方は「ソーダライト」に出入りする強豪だが他の方も負けず劣らずの強者揃い。最後までわからない白熱の展開の末、緑が最終問題で逆転勝利を収めた。
問題内容についてはテーマ性がない、と言っては失礼だが特定の年代に有利にならないよう時事とベタ問が中心の構成となっていた。

今回の結果だが、まずこちらの表を見てほしい。

表1:解答の分布

見ていただくと分かる通り、今回、最多正解の青(8○2×)を最小正解の緑(5○0×)が破るという構成になっている。クイズプレイヤーとして強豪と思われる青は安定の立ち回りだったものの、アタック構文の前に誤答を重ねたり、角を取るのに苦慮したりと苦しい展開が続いていた。焦らず確定ポイントを見極める戦いの重要性が示唆される。

また今回、焦点となるのは敢えてアタックチャンスで開けた穴を狙わない戦略の是非であろう。谷原氏も驚いていた戦略の盤面はこちらである。

図1 アタックチャンス直後の状況

この状況下で連続正解をした青だったが、敢えて15を埋めずに9を取る戦略を選択した。その是非はおいておくとして最終局面は下図のようになった。

図2 終局時

ではこの時に15を素直に取る戦術を取った場合、どうなるのか。
青が15に入るとこの時点で赤のトップ賞が消滅。白は同点決勝、緑は逆転トップ賞の可能性が残っている。
手順通りだと次に赤が正解するが、15に入ることができなくなる。選択肢は1または19だが、1枚でも残したい、という心理から1を選択するだろう。次の緑は2で変わらず。この時点で白のトップ賞も消滅する。青が誤答した後、白は9と19の選択肢がある。ここで白が9を選んだ場合、緑19で終局となり、以下の図面となる。

図3 青が15、白が9を選択した場合の終局時

青が逃げ切り勝利を収めた可能性があったのだ。白にとって9を開けておいた場合は自身の獲得枚数が減る可能性があるのは青が正解した場合のみ(ただし現在解答権なし)なのに対し、19を開けておくと赤が正解した場合である。ただし、1問スルーもしくは誤答が挟まれると9を青が取った時の被害は甚大である。次の問題で決着が着くことを想定して9を選択する可能性が高いと思われるが、19を選択した場合は残念ながら僅差で緑の勝利となる。

図4 青が15、白が19を選択した場合の終局時  

興味深いことに、アタックチャンス直後の問題で9を選択しても、15を選択しても青自身の獲得枚数は大きく変化しないのに対し、緑は結果が大きく変化してくる。故にアタックチャンス直後のパネル選択は即座に愚策と判断できるものではないが、場合によっては辛勝していた可能性があるだけに慎重な判断が求められるものだったと言えよう。終盤は詰将棋に近いものがあるため、単純にクイズが強いだけで勝てない、アタック25Nextの奥深さが見られる一戦であった。

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