二人展《空はシトリン》|永井健一|彩筆のイリデッセンス
『春と修羅』より選ばれた「休息」。草叢に身を投げ出し空を眺めた心象が綴られた一編です。
極上のクッションに例えられたからくさは丸まって眠る猫のよう。永井様を透過させた詩は記号より解き放たれ具象として漂いはじめます。星座のように巡るモチーフ。空に投げた帽子、とんぼ、黒い雲からにじむ雨滴───網の目となった青空のかけらが空を覆います。
そのひとつに虹の欠片を見つけることができます。宮沢賢治が眺めた曇天に虹を出現させた永井様。画家のクリエイションが立ち上る瞬間を捉えたよう