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|影山多栄子の小部屋|

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人形作家・影山多栄子が物語世界を旅しながら、共に時を刻んでゆく人形たちを発表します。
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2024年8月の記事一覧

影山多栄子《2》|月光菓子クッキーセット

*  都会の街で、屋根裏部屋に暮らす若く貧しい画家の青年。でも、子どもの頃からの友達である月が、世界中で見た光景を夜ごとに語ってくれるから孤独ではありません。ディケンズとも深い親交のあった作家アンデルセンが紡いだ『絵のない絵本』は、そんな美しく不思議な物語。  第三夜、月はある女性のことを少女の頃から見つめ続けていました。バラよりも輝く少女のきらめきは儚くも美しいものでした。  第十七夜、世界の色々な光景に見てきた月も、とびきりのおしゃれに喜びを隠せない少女の姿には、思

影山多栄子《1》|月光菓子ケーキセット

*  都会の街で、屋根裏部屋に暮らす若く貧しい画家の青年。でも、子どもの頃からの友達である月が、世界中で見た光景を夜ごとに語ってくれるから孤独ではありません。ディケンズとも深い親交のあった作家アンデルセンが紡いだ『絵のない絵本』は、そんな美しく不思議な物語。  第七夜、月が自然に囲まれた石の塚を見下ろしていると、たくさんの人が通りかかります。しかし、本当にその美しさを理解しているのは貧しく祈りに満ちた少女だけでした。  第九夜、月はグリーンランドに光を伸ばし、人と自然の

影山多栄子|霧とリボンと私

 夏のある日、きょろきょろワクワクとあちこちを見回しながら、菫色に華やぐストリートにたどり着きました。モーヴ街開通4周年をお祝いする《菫色の実験室vol.9~菫色×デザート》展から、正式に5番地のサティス荘に入居することになりました、影山多栄子です。どうぞよろしくお願いいたします。  もうずいぶん長い間、粘土、布、木、紙、他にもいろいろ、その時々に一番しっくりくる素材を使って、人のかたちのようなものを飽きずに作っています。人形をつくるということに、何故こんなに惹き付けられる