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モノラル・ひとつの/前回から一年

作成した小冊子の紹介をしています。
見開きを一枚の写真・一つの詩で綴りました。

前回から一年、私はともかく歩いた。
カメラを持ってただ歩きながら撮影した。
私を覆っている重く鉛色をしたベールを引きずるように。

歩き続けるうちに年を越し、冬が過ぎようとしていたある日
鈍色のベールがゆっくりと時間の中に溶けだす予感がした。
身体を貫く鉛の重さがない。心が軽い。

少しずつ写真をセレクトする。
選ばれる写真はとても静かで私をなぐさめてくれる。
少しの色、わずかな賑わい。
重苦しさの中でも、写真は私の求める心を写してくれていた。
私の心身が軽くなるのを見越したように。

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