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Aiと連載小説書いてみた15

AIのべりすとを使用して、毎週?毎日?連載小説書いてみました!!
(飽きたらやめる⟵ここ重要)


平和を望んだ魔王世界征服を始めました。

イドと老人

そうしているうちに、ようやく村に着いた。無事に村に到着した一行だが、村人たちの反応は予想通りであった。最初こそ驚いていたものの、すぐに自分たちを歓迎してくれた。舞台裏でカオスは魔王だとバレないようにとかけている眼鏡をクイッと上げて言った。

「全て計画通り」

それはカオスが人間界で読んだ漫画の主人公の決め台詞だ。イニドはカオスの真似に口に手の甲を当ててクスクスと笑う。一方、イドは不満げだ。なぜなら、彼の力は抑えられているからだ。イドはその首輪を触りながら思った。

(まるでペットみてぇだな)

イドはそう思うと「ケッ」と悪態をつきながら舞台の裏から飛び出す。カオスとイニドが彼を止めようとしたが、時すでに遅しである。

イドがしばらく歩いていると、村人の1人がこちらに向かってきた。年配の男性で顔には皺が刻まれており、少し腰が曲がった老人であった。彼はおぼつかない足取りで歩いている。それを見かねたイドが慌てて駆け寄り支えた。

「おい、じいさん。大丈夫か?」

「すまんのぉ、ちょっと散歩をしたかっただけなんじゃ」

「そ、そうか。なら、俺が一緒に歩いてやるよ」

(今の俺ならパワーもスピードも普通の人間並だしな)

「ほら、俺の体に掴まれ」

イドはそう言いながら老人の側に寄る。すると、老人は嬉しそうに礼を言った。そして、2人は舞台裏から出て村の中を歩くことにしたのだ。
イドは敵の前や戦いの前であれば乱暴に動き回り、常日頃から口が悪いため残酷で野蛮な男に見られる。しかし一方、常識人で心の奥底は優しいのだ。
イドは老人の手をできるだけ優しく握りながら、ゆっくりと歩いていく。村はのどかで空気が澄んでいる。また、人々も突然の来客にもかかわらず、落ち着いていた。人間も悪くないなと思いながらも、イドは老人に言った。

「じいさん、どこ行きたいんだ」

老人は嬉しそうに答えた。

「そこ、あそこだよ」

イドは指差された方を見た。そこには古びた建物があった。年季が入っているように見えるが、掃除はしっかりとされているようだ。イドはほぉと感嘆の声を上げた。老人も嬉しそうな顔で言った。

「わしの家じゃよ」

「なるほど。あんたの家か」

イドは老人とともに歩きながら家に着くと、扉を開けて中に入った。家の中は暗いが、物がたくさんあるわけではなかった。老人はテーブルに置かれた蝋燭に火をつけた。そして、椅子に座りながら紅茶を入れる準備を始めた。それを見てイドは慌てて言った。

「いやいや、じいさん休んでろよ!」

「しかしのぉ……」

老人は困惑しながら言うが、イドは無理やりに座らせた。老人は申し訳なさそうに座ったが、しばらくしてから顔を上げた。

(紅茶ぐらいなら、俺でも入れられるからな)

イドは心の中でそう思いながら、丁寧に紅茶を入れた。老人は嬉しそうにお礼を言った後、ゆっくりとティーカップを手に取り口に含んだ。すると、イドは少しだけ緊張しながらも話しかけた。

「最近、この村はどうだ?」

老人が笑いながら答えた。

「平和じゃよ」

「そ、そうか……」

イドは再び老人に質問を投げかけた。

「じいさん、魔物についてどう思う?」

すると、老人は少し考えてから答えた。

「優しい魔物もおるんじゃろ?この村に訪れる一向がそう言うておる」

イドは俯きつつ答えた。

「そうだな……人間もそうなのか。優しい人間もいんのか?」

イドが言うと老人の顔に皺が寄った。人間という言葉は人間以外が使う、つまり魔族が使う言葉だ。そして、彼は言った。

「そうか……お主は魔族か」

「……あぁ」

イドは小さく呟くように言った後、話を続けた。

「俺はずっと戦ってきた。魔族国の平和のために、山ほどのアンドロイドと勇者、国の軍ともだ。その、あんたも知ってるだろうが、アンドロイドは人間が作った。だから、俺は人間が憎いんだ」

老人はイドの言葉を聞いてしばし考えた後、ゆっくりと言葉を紡いだ。

「昔……お主の様に儂ら人間の敵だと言う魔族は大勢いた」

すると、老人の声はだんだんと小さくなる。だが、聞き取れる声だった。そして、彼は話を続ける。

「しかしな、そのほとんどが嘘だったんじゃ」

「……」

イドは何も言わないまま黙って聞いていると老人は続けるように言った。

「人間の中にも優しい者はおるし、アンドロイドの中にも優しいものはいる」

「……そうか」

彼はまぶたをゆっくり閉じて、深く息を吸った。

そして、彼は老人の言葉を復唱し呟いた。

「そうか、人間の中にも優しいやつはいるのか」

そして、イドは立ち上がり、老人を見下ろして言った。

「ありがとうな。教えてくれて」

「よいんじゃよ、お主のような優しい魔族もおるとわかっただけでもわしも嬉しいわい」

老人は力なくほほえんだ。そして、彼は再び紅茶を口に含んだ。しばらくしてイドは老人の家を後にし、カオス達のいる舞台に向かって歩き始めた。空を見上げると、まだ太陽が出ており明るかったが、夕陽色に染まり始めていた。もう夕方のようだ。イドはふと立ち止まり、前にある赤い花を見た。それは、魔族国に咲いている赤黒い花とは全く違う、美しく鮮やかな赤色だった。イドは舞台裏に戻った。

それを見たイニドがジトーっと目を細めて言う。

「どこに行っていたんですか」

「ちょっと、村人の家にな」

イドは頭を掻きながら答えた。

イドとイニドは舞台に戻った。

そこには立派な服に身を包んだ旅の一団のリーダーであるカオスがいた。そして、彼は笑顔で村人たちに向かって言った。

「それでは始めましょう!」

その言葉と同時に劇が始まった。

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