中国 減速気味のＥＶ市場を制するのはテスラかＢＹＤか？はたまた・・・
中国
２０２５年１月２日、アメリカのテスラが決算を発表した。２０２４年の電気自動車 ( ＥＶ ) の世界販売台数は１７９万台となったが、２０１２年以降で販売台数が初めて前年割れとなった。その日のニューヨーク株式市場では、テスラの株価は６％以上急落した。
欧州でのＥＶ購入者への補助金打ち切りや、中国のＢＹＤとの競争激化などの影響が出たものとされる。ＢＹＤは１７６万台で、その差は３万台であった。
価格競争、新モデルの投入、ＡＩ自動運転など。さらにアメリカ、中国両政府の動向も絡んで、予想のたてようがないほどの激烈な競合状態になっている。
中国の海岸部。上の方から北京 ( Beijing ) 、上海 ( Shanghai ) 、香港 ( Hong Kong ) 。上海は鹿児島と同緯度。
上海
海は東シナ海。
川は長江 ( 揚子江 ) 。
テスラ・ギガファクトリー
衛星画像は２０２４年１２月３０日。マーカー地点は上海ギガファクトリー。その上の沿岸部に上海浦東国際空港。左上、河口沿いに上海港。その下付近が上海市の中心部。
ギガファクトリーというのはイーロン・マスクが使い始めた造語とされる。スーパー巨大な工場だよ、という意味合いで投資家たちに吹いていたのじゃないか。番号を振っていて、ネバダ州のギガファクトリーは１、ニューヨーク州のは２、上海の工場はギガファクトリー３となっている。ズームイン。
テクノロジー企業が集まる上海臨港地区に立地。
ギガファクトリー３の建設
２００３年、テスラモーターズ設立。
２０１８年、テスラ初の海外工場の建設が決まる。外資完全所有の自動車製造工場がつくられるのは中国初である。
衛星画像は２０１８年１２月１７日。用地が整備されている。
参考衛星画像は２０１９年４月９日。１月に着工。
衛星画像は２０１９年１２月３０日。１０月にはモデル３など量産を開始。
参考衛星画像は２０２０年４月２３日。
衛星画像は２０２０年１２月３１日。テスラの時価総額がトヨタを抜いて業界トップに。
参考衛星画像は２０２１年１２月５日。
衛星画像は２０２２年１２月３１日。
参考衛星画像は２０２３年７月１１日。
衛星画像は２０２４年１２月２４日。エネルギー貯蔵システム「メガパック」製造のための「メガファクトリー」を近隣に建設中。
工場全景
ギガファクトリー３の全景をご覧いただこう。ここは製造ラインだけか。テストコースはない。
テスラは５０年契約で土地を借りている。
深セン
深センは香港の隣。右上は台湾。右下はフィリピン。
深セン ( Shenzheng ) 。
ＢＹＤ本社工場
衛星画像は２０２５年１月３日。マーカー地点がＢＹＤ本社工場。ＢＹＤとは、Ｂｅｙｏｎｄ Ｙｏｕｒ Ｄｒｅａｍｓの略称となっている。ズームイン。
九龍半島、陸地のくびれた部分から下のほうが香港。
深セン郊外の経済特区に位置する。
目の前の山林は自然公園。
深セン工場の歩み
１９９５年、バッテリーメーカーＢＹＤ設立。
２００３年、中小自動車メーカーを買収し、自動車事業に参入。
２０１０年、日本の金型メーカーを買収。
２０１６年、欧州のカーデザイナーを招く。
中国政府のＥＶへの補助金を活用、国内外に販売。ＥＶ車の販売台数が世界一となる。
２０２０年以降、テスラと首位を争っている。
２０２２年、日本の乗用車市場に参入。
衛星画像は２０１８年１２月２６日。
参考衛星画像は２０１９年１１月１０日。スポーツエリアの造成がはじまった。
衛星画像は２０２０年１２月３０日。自然公園も整備されたか。
参考衛星画像は２０２１年２月２日。
参考衛星画像は２０２２年９月１６日。
工場全景
六角形の本社ビル。サッカーグラウンド、テニスコートなどが整備。大規模な企業では福利厚生施設を併設するのは伝統的。
テストコース。
テストコースと従業員用の住宅。
ＢＹＤは北米市場への本格参入を検討する一方、欧州では、２０２４年７月から中国製ＥＶ車に追加関税が課されている。
２０３０年までに海外販売台数の比率を５０％にまで高める予定ともいわれている。
バッテリーＥＶのみのテスラ。プラグインハイブリッドＥＶなども揃えるＢＹＤ。
ホンダはＨｏｎｄａ０シリーズのＥＶを発表。
いやあ、わからんなあ・・・。
注記）
a.衛星画像は、欧州宇宙機関 ( European Space Agency : ESA ) が運用する COPERNICUS ブラウザからスクリーンショットしたものを使用しています。
b.地図画像・参考衛星画像は、ESRI が運用する World Imagery Wayback からスクリーンショットしたものを使用しています。