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パレスチナ・ガザ地区 地上侵攻用道路 ジャバリア ハンユニス 

北部ガザ

 人道物資を積んだ大型トラックが街を走り抜けていく。
「お兄ちゃん、トラックが来たよ」
「よっしゃ、パンがないんやったな、水もか」
「ミルクもないよ、何もかもよ」
 群がるようにトラックの列を追いかける子供たち。荷台からこぼれ落ちたペットボトルを何本も抱える子供たち。・・・なかにはこんなことを話している子供たちもいるんじゃなかろうか、そう思わせるような情景をテレビが映し出していた。

 衛星画像は、2023年12月11日。ガザ地区は晴れ渡っている。ズームイン。

地上侵攻用道路

 当初イスラエル軍は、ガザ市内のシファ病院の地下にハマスの司令部があるとして北部を分断、包囲する作戦を行ってきた。そのためにガザ地区を横断して侵攻するルートをつくった。重武装ブルドーザーを先頭に立ててつくってきた道路の敷設状況を見てみよう。
 衛星画像は、2023年9月22日。戦闘が始まる前。

 衛星画像は、2023年10月22日。ハマスの急襲から二週間後、まだ変化はない。

 衛星画像は、2023年11月16日。あらかた道路ができている。

 衛星画像は、2023年11月26日。はっきりしてきた。車両の往来が激しいことがわかると思う。

 衛星画像は、2023年12月11日。

 引いて見ると、こんなふうに海岸にまで到達している。

ジャバリア

 無差別爆撃は続いている。中央上、ジャバリア難民キャンプの近くの雲のような白煙に注目していただきたい。ここだけこんな雲が湧くことはないと思うのだが・・・。空爆直後の爆発の煙ではないか。ズームイン。

 熱源を見るためのデータ処理を施した画像である。

 さらに拡大。

南部ハンユニス

 次にイスラエル軍が言い出したのが、ハマスのガザ地区トップ、シンワル氏が第二の都市ハンユニス ( Khan Yunis ) に潜んでいるというのである。南部への猛攻撃が始まった。ズームイン。

 侵攻用道路がハンユニス方向につくられているのがわかる。

 ハンユニスの周辺で戦闘が激しくなっている。

 拡大。

ケレム・シャローム検問所

 国連などはケレム・シャローム検問所の開放を求めてイスラエルと交渉を続けてきた。もともとは物資を搬入するための検問所だったそうだ。12月12日にやっとイスラエルが開放を許可してきた。
 北部から避難してきた人々も含めて、南部は人があふれ返っている。食べ物を口にしていない人が増え、飢餓が進行しているのだ。
 ラファ検問所はエジプト側からの物資搬入になるが、この検問所はヨルダンからのトラック輸送が可能になる。エジプトルートとヨルダンルートの二本立てで、トラック200台以上の物資搬入を目指しているという。ズームイン。

 上がラファ検問所。

 参考衛星画像は、2023年5月10日。

 こっちの方が広い駐車場が備わっている。

 何度も言うけど、停戦しかない。停戦を叫ぶしかない。

注記)
a.
衛星画像は、欧州宇宙機関 ( European Space Agency : ESA ) が運用する EO ブラウザからスクリーンショットしたものを使用しています。.
b.地図画像・参考衛星画像は、ESRI が運用する World Imagery Wayback からスクリーンショットしたものを使用しています。

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