中央ヨーロッパ 大嵐「ボリス」によるドナウ川の洪水
中央ヨーロッパ
9月中旬から中央ヨーロッパで荒れ狂っていた大嵐「ボリス」。北極からの冷気と地中海からの熱気が激しくぶつかったのが発生原因だったようだ。100年に一度とも数十年ぶりともいわれた豪雨を降らせた大嵐は、各国で洪水による甚大な被害をもたらした。9月23日の段階では雨は止んでいるが、ヨーロッパ第二の大河、ドナウ川は濁流であふれた。
被害はチェコからポーランドにかけてのオーデル川沿いにも広がった。
中央ヨーロッパ。上からポーランド、チェコ、スロバキア、オーストリア、ハンガリー。左上にドイツ、左下にイタリア。
左、オーストリアの首都ウィーン ( Vienna ) 。中央、スロバキアの首都ブラチスラバ ( Bratisrava ) 。右下、ハンガリーの首都ブダペスト ( Budapest ) 。
左から右下にドナウ川が流れている。
衛星画像は2024年9月3日。嵐の前。左やや上がウィーン市街。中央やや上がブラスチラバ。
国境線を表示した。ドナウ川とその支流も国境になっている。
左がオーストリア、右がスロバキア。右下がハンガリー。
川、池、湖などの水系を検知するデータ処理を行ってみよう。ドナウ川の流れが青色ではっきりとわかる。
衛星画像は2024年9月18日。洪水地点が増えている。ドナウ川が白くなっているのは、濁流は土砂の割合が大きく水の検知が小さいため。
衛星画像は2024年9月23日。周辺から水は引き始めているが、ドナウ川本流の水量は多い。
ドナウ川周辺
川沿いの3地点を選んで洪水の状況を見てみよう。また、
9月3日 洪水前
18日 洪水
23日 洪水後
の3日の変化を比べていこう。
オーストリア・ウィーン近郊
川沿いの緑地、農地。ズームアウト。
下がドナウ川。
3日
18日。古い都市ウィーンもドナウ川の洪水に悩まされてきたので、川岸には遊水池用の水路や低地が整備されているが、水でいっぱいだ。
23日
スロバキア国境
オーストリアとスロバキアの国境にはドナウ川の支流モラバ川が流れている。ズームアウト。
3日。
18日。下端はドナウ川。本流の流れが強いために支流の流れが戻され、川はあふれている。
23日。水が引き始めている。
ハンガリー国境
スロバキアとハンガリーの国境。川の中にスロバキアの水力発電所が設置しされている。他にも美術館やスポーツ施設などがある。ズームアウト。
3日。だいたい上半分がスロバキア、左下がハンガリー。
18日
23日
注記)
a.衛星画像は、欧州宇宙機関 ( European Space Agency : ESA ) が運用する COPERNICUS ブラウザからスクリーンショットしたものを使用しています。
b.地図画像・参考衛星画像は、ESRI が運用する World Imagery Wayback からスクリーンショットしたものを使用しています。