見出し画像

ウクライナ 東部の要衝ポクロフスクの攻防 住民に避難要請

戦況

 ロシア軍の攻勢圧力が強まっている。8月上旬、ウクライナ軍がクルスク州への越境攻撃を始めてからは、ロシア軍は東部、特にポクロフスク方向に攻撃を集中してきているようだ。状況はかなり厳しいという見解が、ウクライナ政府関係者から繰り返し表明されてきた。住民にはすでに避難命令が出されている。

 数か月前からの戦況を振り返っておこう。マーカー地点はポクロフスクの町。戦闘地点を見るために、衛星画像には火炎などの熱源の赤外線を検知するデータ処理を行っている。
 
 6月29日。右の方にオレンジや赤色の地点が見える。町との距離は20キロ。ロシア軍は右から攻めてきている。

 7月4日。

 7月29日。10キロまで迫っている。

 8月18日。10キロ付近の集落にもロシア軍が攻め込んでいる。

 8月20日。ロシア軍の攻撃回数が激増。

 8月28日。

 8月30日。左上、町の周辺にはウクライナ軍の防衛ラインが築かれているという。

 9月2日。

鉄道沿線の戦闘

 ロシア軍が攻撃しているルートの一つ。ポクロフスクに通じる鉄道沿線の集落の様子を見てみよう。
 鉱山のある集落。ズームアウト。

 線路を挟んで鉱山が見える。

 衛星画像は2024年8月30日。上の畑に白煙。

 鉱山周辺の戦闘。

 さらに南側の集落。右に線路。ズームアウト。

 衛星画像は2024年9月2日。

 戦闘地点は鉱山周辺から押し下げられている。

 見出し画像は、同じ日のさらに南側の集落における戦闘の様子。

要衝ポクロフスク

 ロシア軍が制圧をめざしているポクロフスクは、何故要衝といわれるのか。
 ポクロフスクは、周辺にコークス炭などの鉱山が採掘されてきた。また道路網、鉄道網つまり交通の結節点となる町である。東部、南部の戦場への重要なウクライナ軍の補給拠点となっているのだ。下の道路地図を見ていただくと一目瞭然だろう。中央にポクロフスク ( Pokrovsk ) 。
 右下のアウディーイウカを制圧したロシア軍が攻め寄せてきているのが現状である。

 広域の地図で見てみよう。ポクロフスクは下端、Googleロゴの右。中央にハルキウ。上端にロシア・クルスク州都クルスク。
 国境近くにスジャ。この町の付近からウクライナ軍は越境した。

注記)
a.衛星画像は、欧州宇宙機関 ( European Space Agency : ESA ) が運用する COPERNICUS ブラウザからスクリーンショットしたものを使用しています。
b.地図画像・参考衛星画像は、ESRI が運用する World Imagery Wayback からスクリーンショットしたものを使用しています。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?